そのご
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一台の単車が鳳仙学園の前に止まる。その場に居た一年共はテメーなんだコラ、武装が何の用だコラとがなり立てた。が、男はマルっと無視をする。そんな余裕が無いのだ。
「みつのり」
「あ?」
「着いた。出て来い」
急に電話して切った男は力なく空を眺めている。なに?光法って完全に光法さんだよな。そんな事をしていたら通りがかったのは光政だった。
「お?佐々木じゃねーか。どうした?」
「光法……」
「光法?……あっ。解った解ったお前等~!コイツに手出すなよ~!」
「佐々木ーーーーーーッ!!!!お前校門の前は辞めろっつったろうが!!!!」
「無理」
「あっ顔が死んでる。政兄ィ、ちょっと行ってきま」
「おー、気を付けてな」
光法は単車のケツに乗り込む。じゃあの!と手を挙げてそのまま二人は爆音で去っていった。一年共が光政にあれなんスか?いいんスかあれ。と怪訝な顔で問いかける。
「今日は弟会の日だったか……」
「なんて?」
「原因は名前だな……」
「なんて?」
なんの接点も無いような二人、実は名前繋がりで割と仲が良かった。鳳仙と武装、基本的に相容れないけれど別に仲良くなっちゃいけないなんて決まりは無いので。
一人っ子だけど名前を……認めたくないけど姉のように思う春と最早姉認定している光法。最初は俺の方があの人の事知ってるが?とマウント合戦をしていたが途中から意気投合し、愚痴等も言い合う仲になっていた。
「ンで今日はどうした?」
「……」
「お前顔死んどるぞ」
「……名前さんが……」
「おー」
「うちの新入りの事……弟分って言ってた……」
「えッッッッ」
これには光法もびっくり。なにせこの二人名前にとても可愛がられている。兄貴分達は多いけれど下が居ない名前は年下連中が可愛くて仕方ないので。でも、弟とは言われた事が無かった。いくら可愛がっていても、名前が春と光法を弟と呼ぶ事は無かったのだ。
「どういう事だ……?」
「俺が聞きたい」
「姉ちゃんって呼んでいいよとは言われたが弟分なんて言われた事ねーぞ」
「俺が聞きたい……」
「待て辻本呼ぶわ」
「やめろ俺は今辻本が来たら間違いなく泣く」
「泣くなよ」
常磐の次期大将である辻本は春や光法とは割と良好な関係を築いている。コイツも弟属性なので。聞いてくれよォ、この間あの人の家遊び行ったらめちゃくちゃ顔怖ぇ人居たんだよォ、夢に出るんだよォ、十三さんの顔が怖ぇよォ。なんてシクシク春と光法に言ったら「鏡見ろや」なんて言われたけれど。辻本は目付きがクソ程悪くて背もでかくてめちゃくちゃ怖い面構えをしているのでブーメランだったのだ。
「呼ばれて飛び出て」
「お前口開くと怖くないよな」
「呼んでそうそうディスるな」
そうして弟会の三人が集まったので春が詳しい事を話す。曰く、武装のルーキー、戸土原がこの間他対一の大立ち回りをした。木っ端みてえな奴等相手ではあったけれど、流石に大人数過ぎてどうにもならねえ時に春と一緒に歩いていた名前がそれを見付けた。春は反射的に走り出したのだけど、普段足の遅い名前はそれよりも早く戸土原を助けに行った。そうして戸土原の後ろで鉄パイプが振り上げられていたので名前は思わず戸土原を庇うように抱き締めた。幸い春が間に合ってそれは振り下ろされる事は無かったので無傷。そこから、名前は怒り狂った。春と戸土原と三人で全て薙ぎ倒しちまった。そりゃ、名前は未だ目の前で髑髏が傷付くのが嫌だから、
“『誰の弟分に手ェ出してやがる!!!!』”
ええ~~~!!!!!!?無表情のまんま春は頭に疑問符を浮かべまくった。ガキ扱いすんなよなんて言う戸土原の声も春には届かない。
“『うるせー、お前がいくつになっても弟分な事は変わりねー。姉貴に逆らうなボケナス』”
完全に宇宙を背負った瞬間である。春は、名前に……とても可愛がられていた。戸土原と同じく中学の頃から。なんなら戸土原よりも付き合いは長い。そこから先の会話なんてこれっぽっちも入ってこなくて、名前に春ちゃん行こ、と手を引かれるまで放心していた。
戸土原は、弟分なんスか。いやに乾いた喉から吐いたのはそんな馬鹿みてーな台詞だった。普通の奴ならヤキモチ?嫉妬?拗ねてんの?と秒で気付いちまうような声色だった。やべ、と思ったけれど、隣の女はこういう所はニブチンであった。
“『あぁ、喧しいし生意気だけど、可愛いでしょ。あれは』”
「ずるい」
「は?キレそう」
「俺も弟って言われたい」
「意味わからんなに?なんで俺はぽっと出の武装ルーキーに名前さん取られ、は?キレそう」
「俺に可愛いって言ってくれてたのに」
三人の気分はどん底であった。ファミレスの一席でしょんぼりしてる大男三人はめちゃくちゃ目立つけれどこのファミレスは鳳仙御用達なので別に可愛いもんである。弟歴(?)が長い光法は大いに拗ねたけれどまだダメージは少ない、ぶきっちょな兄貴達に可愛がられて来たので。でも一人っ子な春と辻本は拗ねるどころか落ち込みまくっている。大事な先輩であれど、姉貴のように思っている名前が付き合いの長い自分達じゃなくて新入りに弟分なんて……。これが昼ドラなら泥棒猫と叫んでるところである。
「待ってくれ名前さんからLINE来た」
「なんて?」
「頭なんて言ってる?」
[春ちゃん何かあったの?]
[元気無いって聞いたよ。将五達に言い難いなら私いつでも聞くからね]
[いつだって私は春ちゃんの味方なんだから、頼ってくれて良いんだよ]
「そういうとこだぞ!!!!!!」と三人は叫んで店員のお姉さんにお静かにお願いしますと注意されすんません……と頭を下げた。
一台の単車が鳳仙学園の前に止まる。その場に居た一年共はテメーなんだコラ、武装が何の用だコラとがなり立てた。が、男はマルっと無視をする。そんな余裕が無いのだ。
「みつのり」
「あ?」
「着いた。出て来い」
急に電話して切った男は力なく空を眺めている。なに?光法って完全に光法さんだよな。そんな事をしていたら通りがかったのは光政だった。
「お?佐々木じゃねーか。どうした?」
「光法……」
「光法?……あっ。解った解ったお前等~!コイツに手出すなよ~!」
「佐々木ーーーーーーッ!!!!お前校門の前は辞めろっつったろうが!!!!」
「無理」
「あっ顔が死んでる。政兄ィ、ちょっと行ってきま」
「おー、気を付けてな」
光法は単車のケツに乗り込む。じゃあの!と手を挙げてそのまま二人は爆音で去っていった。一年共が光政にあれなんスか?いいんスかあれ。と怪訝な顔で問いかける。
「今日は弟会の日だったか……」
「なんて?」
「原因は名前だな……」
「なんて?」
なんの接点も無いような二人、実は名前繋がりで割と仲が良かった。鳳仙と武装、基本的に相容れないけれど別に仲良くなっちゃいけないなんて決まりは無いので。
一人っ子だけど名前を……認めたくないけど姉のように思う春と最早姉認定している光法。最初は俺の方があの人の事知ってるが?とマウント合戦をしていたが途中から意気投合し、愚痴等も言い合う仲になっていた。
「ンで今日はどうした?」
「……」
「お前顔死んどるぞ」
「……名前さんが……」
「おー」
「うちの新入りの事……弟分って言ってた……」
「えッッッッ」
これには光法もびっくり。なにせこの二人名前にとても可愛がられている。兄貴分達は多いけれど下が居ない名前は年下連中が可愛くて仕方ないので。でも、弟とは言われた事が無かった。いくら可愛がっていても、名前が春と光法を弟と呼ぶ事は無かったのだ。
「どういう事だ……?」
「俺が聞きたい」
「姉ちゃんって呼んでいいよとは言われたが弟分なんて言われた事ねーぞ」
「俺が聞きたい……」
「待て辻本呼ぶわ」
「やめろ俺は今辻本が来たら間違いなく泣く」
「泣くなよ」
常磐の次期大将である辻本は春や光法とは割と良好な関係を築いている。コイツも弟属性なので。聞いてくれよォ、この間あの人の家遊び行ったらめちゃくちゃ顔怖ぇ人居たんだよォ、夢に出るんだよォ、十三さんの顔が怖ぇよォ。なんてシクシク春と光法に言ったら「鏡見ろや」なんて言われたけれど。辻本は目付きがクソ程悪くて背もでかくてめちゃくちゃ怖い面構えをしているのでブーメランだったのだ。
「呼ばれて飛び出て」
「お前口開くと怖くないよな」
「呼んでそうそうディスるな」
そうして弟会の三人が集まったので春が詳しい事を話す。曰く、武装のルーキー、戸土原がこの間他対一の大立ち回りをした。木っ端みてえな奴等相手ではあったけれど、流石に大人数過ぎてどうにもならねえ時に春と一緒に歩いていた名前がそれを見付けた。春は反射的に走り出したのだけど、普段足の遅い名前はそれよりも早く戸土原を助けに行った。そうして戸土原の後ろで鉄パイプが振り上げられていたので名前は思わず戸土原を庇うように抱き締めた。幸い春が間に合ってそれは振り下ろされる事は無かったので無傷。そこから、名前は怒り狂った。春と戸土原と三人で全て薙ぎ倒しちまった。そりゃ、名前は未だ目の前で髑髏が傷付くのが嫌だから、
“『誰の弟分に手ェ出してやがる!!!!』”
ええ~~~!!!!!!?無表情のまんま春は頭に疑問符を浮かべまくった。ガキ扱いすんなよなんて言う戸土原の声も春には届かない。
“『うるせー、お前がいくつになっても弟分な事は変わりねー。姉貴に逆らうなボケナス』”
完全に宇宙を背負った瞬間である。春は、名前に……とても可愛がられていた。戸土原と同じく中学の頃から。なんなら戸土原よりも付き合いは長い。そこから先の会話なんてこれっぽっちも入ってこなくて、名前に春ちゃん行こ、と手を引かれるまで放心していた。
戸土原は、弟分なんスか。いやに乾いた喉から吐いたのはそんな馬鹿みてーな台詞だった。普通の奴ならヤキモチ?嫉妬?拗ねてんの?と秒で気付いちまうような声色だった。やべ、と思ったけれど、隣の女はこういう所はニブチンであった。
“『あぁ、喧しいし生意気だけど、可愛いでしょ。あれは』”
「ずるい」
「は?キレそう」
「俺も弟って言われたい」
「意味わからんなに?なんで俺はぽっと出の武装ルーキーに名前さん取られ、は?キレそう」
「俺に可愛いって言ってくれてたのに」
三人の気分はどん底であった。ファミレスの一席でしょんぼりしてる大男三人はめちゃくちゃ目立つけれどこのファミレスは鳳仙御用達なので別に可愛いもんである。弟歴(?)が長い光法は大いに拗ねたけれどまだダメージは少ない、ぶきっちょな兄貴達に可愛がられて来たので。でも一人っ子な春と辻本は拗ねるどころか落ち込みまくっている。大事な先輩であれど、姉貴のように思っている名前が付き合いの長い自分達じゃなくて新入りに弟分なんて……。これが昼ドラなら泥棒猫と叫んでるところである。
「待ってくれ名前さんからLINE来た」
「なんて?」
「頭なんて言ってる?」
[春ちゃん何かあったの?]
[元気無いって聞いたよ。将五達に言い難いなら私いつでも聞くからね]
[いつだって私は春ちゃんの味方なんだから、頼ってくれて良いんだよ]
「そういうとこだぞ!!!!!!」と三人は叫んで店員のお姉さんにお静かにお願いしますと注意されすんません……と頭を下げた。