そのさん
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「……」
「お、目覚めたか」
山田とタケは同じ病室に居た。因みに隣の病室にゃ康明、ガガ、世良。違う病室には東陽台頭の深山が、白堂頭の桃屋が、常磐の戦闘員も数人居た。
「や、やば」
「ん?」
「名前は」
「頭なら今辻本とかと居る筈」
「止めろ」
「え?」
「名前を止めろ!!!」
アイツに武装をやらせるな!!!山田とタケがそう叫んだ瞬間医療班チーフである佐伯は急いで無事だった常磐全体に連絡を回した。
勢いよく蹴られたドアが酷い音を立てて壁にぶち当たる。慚愧の虎のアジトであるこの場所が気付かれたかとそちらを見遣ると、居たのは名前だった。
「、名前」
『こんにちはァ。武装は慚愧の虎と兄弟分だものね、まァ拓海の思考を読みゃ此処だろうなとは思ったさ。当たって良かったァ~!あ!ドアごめんね藤くん久しぶり。元気だった?十津川も。へへ。へへへ。あ!お前国吉だろ。久しぶり。この間ぶりじゃん?金~、最近男前になったんじゃない?はは。ハハ、』
はァ。目の据わった名前にやば、と拓海は名前の前に立った。産まれてからの付き合いだ、目の前の女が本気で怒っているという事は一目で解る。それは長い付き合いの金も同じ。
『拓海』
「……あぁ」
『私の両腕がもがれたよ』
「……」
『これから私の憶測でものを喋るから、聞いてくれる?』
「……あぁ」
『萬侍が屍と安生のチームを組み込んだ。萬侍の虎の威を借って二つのチームがお前等を潰そうとして、武装はEMODと同盟を組んで迎え撃った。ここまで合ってる?』
「合ってる」
『この間萬侍とぶつかったってー話を聞いた。二つを潰されたもんだから本隊の一部が送られ……違うか。やったのは安生の近くだったよね。そっかぁ、呼び出したんだろ!朝早かったらしいじゃん?考えさせる暇もなく、自分の土俵で。拓海と国吉の計画かな?めちゃくちゃイイじゃん、私でもそうする』
拓海の背に冷や汗が流れる。何から何まで合ってやがる。でもきっとこれは知ってる情報から出た憶測という事が解ってるから、余計に嫌な感じがする。慚愧の虎の頭、藤は名前のその様子に悪寒を感じていた。前々からの知り合いではあるので名前が常磐という一大勢力のトップになった事は知っているけれど、こんなに威圧感があったろうかと。
『今、萬侍攻めてきてるね』
「……」
『武装を狙ってきてるね』
「……」
『拓海は考えたんでしょう。この間の戦いは勝ったけど負傷者が出た。髑髏も大分傷付いたよね、萬侍はそんなヤワじゃない。このままじゃー足りないよね、いくらその髑髏が誇り高くどれだけ強くとも物量にゃ勝てねえ。考えたんでしょう。考えた結果、お前、戸亜留市を巻き込みやがったな。力を借りたいと思ってっかもだけど、それは巻き込んだと同意だ』
「……」
『ん?もしかして外れてる?憶測だからね。流石の私もお前の思考全部は読めないよ。教えて?この街にゃーステキな奴等が沢山居るもんな。そっちに矛先が向けば、戸亜留市に、自分達に喧嘩を売ったとして一緒に戦ってくれる。違うかな。ねえ。拓海』
「……あっ、てる」
『だよね~!!びっくりしちゃった。だからお前、昨日私に気を付けろって言ってくれたンだよね。ありがとね忠告』
「……名前」
『ぁに』
「もう、少ししたら。各勢力を集めて、話そうと思ってる」
頼む、それまでは。拓海が頭を下げている。必要な事には頭を下げるけれど、昔からプライドの塊のようだったこの男が膝に手を付いてまで!国吉が目を剥いて、
『うん。良いよ、お前の顔に免じて。将五とお前と、宗春と国吉の命は預かっといてやる』
「……」
『聞き分けのねーガキみてーな事言ってごめんね。お前なら解ってくれるだろうけど、私は身内が大事なんだよ。なるべく護りたいし、尊重したい。武装の事もそう、尊重したいの。大好きな髑髏をね』
「……あぁ」
『だから今はこれだけで許してやるからよ』
や、やっぱり~!!!!拓海の脳内じゃ一瞬ガキのように泣き喚いちまった。だって目の前の名前は怒り狂ってやがるんだもの。ホントなら良いよなんて言われないと思ってたから心構えはしてた!!!!
でも名前はそれを頑張って抑えている。武装と戦いたくないという気持ちと、武装のせいで身内が潰されたという気持ちがせめぎ合って、拳ではなく平手を喰らわせた。ちなみに平手ってのは拳よりも皮膚に攻撃を加えるものなのでハチャメチャ痛いので拓海は吹っ飛んだけど、追撃は来なかった。
『邪魔したね!』
名前はそう言ってドン!とチロルチョコを数個置いて出て行った。なんでチロルチョコなんだよと十津川が突っ込みたいけどそんな空気じゃない。国吉が転がったまんまの拓海に大丈夫か?と声をかける。
「……」
「お、おい」
「……金」
「待ってくれ俺泣いてるから」
「なんで泣いて、藤代お前まで」
「あ、待ってくれ。ごめん俺マジで泣きそ、」
「いや泣いてるって」
「あ゛待ってくれ。明……明……聞いてくれ……あき、う゛ッ」
「金ガチ泣きしてやがる」
「十津川、国吉。覚えとけ、武装は昔からあの女に弱ぇんだ。あとその二人昔馴染みだから刷り込みであの女にゃ逆らえねーんだよ」
「しょうご……将、しょうごぉ……名前怒らせちゃった……うん゛……ワンチャン実家帰るかも……うん゛……」
その後名前は一度村田家へ向かった。常磐連中からの連絡に『もう少ししたら全部話す、各自気を付けろ』と言って。
『……ん?オイオイおにっちゃん達ィ、他人の家の前で何してる訳ェ?』
「えっ」
「いや。ねーちゃん、あの。ここ村田、」
『あぁ、村田だけど』
「村田将五、居ねーかな」
『ハハ。ハハ、はァ?馬鹿がよ。寄りによって今私の前でその名前出すぅ???ふは!!!』
萬侍帝国何たるものぞ。名前の怒りは一気に村田家を見張る二人の萬侍の人間に向けられた。笑って、息を吐いた瞬間一人が吹っ飛ぶ。何が起こったのかともう一人が目を剥いたと同時に目の前の女がくるりと回っていた。勢いが乗せられた裏拳は顔面にめり込み、男の鼻から嫌な音がする。
追撃。腹に衝撃。とんでもない威力の蹴りは男の骨を砕き、次に顔面に降り注ぐ。先程飛ばされた男がテメー!!とがなり襲いかかるが殴り掛かる男にカウンターを合わせ拳を振り抜いた。
『戸亜留市へようこそォ!!!!!』
今は、この怒りは武装へのものじゃなく萬侍へと向けよう。私だって同じ状況なら同じ事をするだろうし。拓海にはちょっぴり八つ当たりしちゃっただけ。それはそれとして、将五も後ではっ倒すけど。
「……、名前!もう辞めろ、殺す気か!」
馬乗りになって拳を振り下ろそうとして止めたのは仕事帰りの十三だった。ゆるりと振り向いて止めたのが兄貴分であると認識すると、名前は血だらけの手を下の男の服で拭き取って立ち上がる。
『十三、ごめん。今日実家で寝るね』
「えっ」
『ごめん!十三は悪くないよ。将五も悪くない!私がちょっとイライラしちゃってさ。ご飯も大丈夫だから!』
そう言って名前は実家に入って行った。十三はビシッ……と固まって、将五に電話をかけて怒鳴り散らした。テメー何しやがった!!!!と。
「お、目覚めたか」
山田とタケは同じ病室に居た。因みに隣の病室にゃ康明、ガガ、世良。違う病室には東陽台頭の深山が、白堂頭の桃屋が、常磐の戦闘員も数人居た。
「や、やば」
「ん?」
「名前は」
「頭なら今辻本とかと居る筈」
「止めろ」
「え?」
「名前を止めろ!!!」
アイツに武装をやらせるな!!!山田とタケがそう叫んだ瞬間医療班チーフである佐伯は急いで無事だった常磐全体に連絡を回した。
勢いよく蹴られたドアが酷い音を立てて壁にぶち当たる。慚愧の虎のアジトであるこの場所が気付かれたかとそちらを見遣ると、居たのは名前だった。
「、名前」
『こんにちはァ。武装は慚愧の虎と兄弟分だものね、まァ拓海の思考を読みゃ此処だろうなとは思ったさ。当たって良かったァ~!あ!ドアごめんね藤くん久しぶり。元気だった?十津川も。へへ。へへへ。あ!お前国吉だろ。久しぶり。この間ぶりじゃん?金~、最近男前になったんじゃない?はは。ハハ、』
はァ。目の据わった名前にやば、と拓海は名前の前に立った。産まれてからの付き合いだ、目の前の女が本気で怒っているという事は一目で解る。それは長い付き合いの金も同じ。
『拓海』
「……あぁ」
『私の両腕がもがれたよ』
「……」
『これから私の憶測でものを喋るから、聞いてくれる?』
「……あぁ」
『萬侍が屍と安生のチームを組み込んだ。萬侍の虎の威を借って二つのチームがお前等を潰そうとして、武装はEMODと同盟を組んで迎え撃った。ここまで合ってる?』
「合ってる」
『この間萬侍とぶつかったってー話を聞いた。二つを潰されたもんだから本隊の一部が送られ……違うか。やったのは安生の近くだったよね。そっかぁ、呼び出したんだろ!朝早かったらしいじゃん?考えさせる暇もなく、自分の土俵で。拓海と国吉の計画かな?めちゃくちゃイイじゃん、私でもそうする』
拓海の背に冷や汗が流れる。何から何まで合ってやがる。でもきっとこれは知ってる情報から出た憶測という事が解ってるから、余計に嫌な感じがする。慚愧の虎の頭、藤は名前のその様子に悪寒を感じていた。前々からの知り合いではあるので名前が常磐という一大勢力のトップになった事は知っているけれど、こんなに威圧感があったろうかと。
『今、萬侍攻めてきてるね』
「……」
『武装を狙ってきてるね』
「……」
『拓海は考えたんでしょう。この間の戦いは勝ったけど負傷者が出た。髑髏も大分傷付いたよね、萬侍はそんなヤワじゃない。このままじゃー足りないよね、いくらその髑髏が誇り高くどれだけ強くとも物量にゃ勝てねえ。考えたんでしょう。考えた結果、お前、戸亜留市を巻き込みやがったな。力を借りたいと思ってっかもだけど、それは巻き込んだと同意だ』
「……」
『ん?もしかして外れてる?憶測だからね。流石の私もお前の思考全部は読めないよ。教えて?この街にゃーステキな奴等が沢山居るもんな。そっちに矛先が向けば、戸亜留市に、自分達に喧嘩を売ったとして一緒に戦ってくれる。違うかな。ねえ。拓海』
「……あっ、てる」
『だよね~!!びっくりしちゃった。だからお前、昨日私に気を付けろって言ってくれたンだよね。ありがとね忠告』
「……名前」
『ぁに』
「もう、少ししたら。各勢力を集めて、話そうと思ってる」
頼む、それまでは。拓海が頭を下げている。必要な事には頭を下げるけれど、昔からプライドの塊のようだったこの男が膝に手を付いてまで!国吉が目を剥いて、
『うん。良いよ、お前の顔に免じて。将五とお前と、宗春と国吉の命は預かっといてやる』
「……」
『聞き分けのねーガキみてーな事言ってごめんね。お前なら解ってくれるだろうけど、私は身内が大事なんだよ。なるべく護りたいし、尊重したい。武装の事もそう、尊重したいの。大好きな髑髏をね』
「……あぁ」
『だから今はこれだけで許してやるからよ』
や、やっぱり~!!!!拓海の脳内じゃ一瞬ガキのように泣き喚いちまった。だって目の前の名前は怒り狂ってやがるんだもの。ホントなら良いよなんて言われないと思ってたから心構えはしてた!!!!
でも名前はそれを頑張って抑えている。武装と戦いたくないという気持ちと、武装のせいで身内が潰されたという気持ちがせめぎ合って、拳ではなく平手を喰らわせた。ちなみに平手ってのは拳よりも皮膚に攻撃を加えるものなのでハチャメチャ痛いので拓海は吹っ飛んだけど、追撃は来なかった。
『邪魔したね!』
名前はそう言ってドン!とチロルチョコを数個置いて出て行った。なんでチロルチョコなんだよと十津川が突っ込みたいけどそんな空気じゃない。国吉が転がったまんまの拓海に大丈夫か?と声をかける。
「……」
「お、おい」
「……金」
「待ってくれ俺泣いてるから」
「なんで泣いて、藤代お前まで」
「あ、待ってくれ。ごめん俺マジで泣きそ、」
「いや泣いてるって」
「あ゛待ってくれ。明……明……聞いてくれ……あき、う゛ッ」
「金ガチ泣きしてやがる」
「十津川、国吉。覚えとけ、武装は昔からあの女に弱ぇんだ。あとその二人昔馴染みだから刷り込みであの女にゃ逆らえねーんだよ」
「しょうご……将、しょうごぉ……名前怒らせちゃった……うん゛……ワンチャン実家帰るかも……うん゛……」
その後名前は一度村田家へ向かった。常磐連中からの連絡に『もう少ししたら全部話す、各自気を付けろ』と言って。
『……ん?オイオイおにっちゃん達ィ、他人の家の前で何してる訳ェ?』
「えっ」
「いや。ねーちゃん、あの。ここ村田、」
『あぁ、村田だけど』
「村田将五、居ねーかな」
『ハハ。ハハ、はァ?馬鹿がよ。寄りによって今私の前でその名前出すぅ???ふは!!!』
萬侍帝国何たるものぞ。名前の怒りは一気に村田家を見張る二人の萬侍の人間に向けられた。笑って、息を吐いた瞬間一人が吹っ飛ぶ。何が起こったのかともう一人が目を剥いたと同時に目の前の女がくるりと回っていた。勢いが乗せられた裏拳は顔面にめり込み、男の鼻から嫌な音がする。
追撃。腹に衝撃。とんでもない威力の蹴りは男の骨を砕き、次に顔面に降り注ぐ。先程飛ばされた男がテメー!!とがなり襲いかかるが殴り掛かる男にカウンターを合わせ拳を振り抜いた。
『戸亜留市へようこそォ!!!!!』
今は、この怒りは武装へのものじゃなく萬侍へと向けよう。私だって同じ状況なら同じ事をするだろうし。拓海にはちょっぴり八つ当たりしちゃっただけ。それはそれとして、将五も後ではっ倒すけど。
「……、名前!もう辞めろ、殺す気か!」
馬乗りになって拳を振り下ろそうとして止めたのは仕事帰りの十三だった。ゆるりと振り向いて止めたのが兄貴分であると認識すると、名前は血だらけの手を下の男の服で拭き取って立ち上がる。
『十三、ごめん。今日実家で寝るね』
「えっ」
『ごめん!十三は悪くないよ。将五も悪くない!私がちょっとイライラしちゃってさ。ご飯も大丈夫だから!』
そう言って名前は実家に入って行った。十三はビシッ……と固まって、将五に電話をかけて怒鳴り散らした。テメー何しやがった!!!!と。