そのじゅうきゅう
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『黙らせろ』
名前のいつもより低い声を遮る者は平伏した数人の男。それを囲む連中は皆、あーあ、アイツキレてるねなんて思いながらも指示を待つ。
『お前等、私が天地寿の馴染みって知っておいて傘下になんて吐かしてるのか?……今、アイツと関わらねえようにしてるからってよ。アイツから離反したクソ野郎を迎え入れる理由がねえだろうが』
ブッチブチにキレてる名前の後ろには山田が控えているけれど、ちょっと苦笑いである。今ここには居ないタケに助けを求めながら。
タケは今日風邪でお休みである。奴は病弱だった母を癌で亡くして居て、多少病気にゃ弱い所があるのでどちゃクソ心配した父親に病院に引き摺られて行った。名前も心配なのでそれは全然行って???と後押ししていた。タケはホントにただの風邪なのに……とぶすくれていたけれど。
さて、天地の元に下っていた奴等は鳳仙等に狙われるようになりどんどん離れていった。それどころか鳳仙等に差し出そうとする始末。名前は一等そういう奴等が嫌いであった。控えめにこ、殺すう~!!!って感じ。そんな奴等が常磐連合に入りたいです!なんて、そんな馬鹿な話は無いだろうに。
『丁重に送り返しな、常磐はお前等が来る場所じゃねえんだよ』
「イエスマーム」
「サーイエッサー」
『やる気無くない????』
「文句はないけど暴れられると思ってた」
「右に同じ」
『いつからそんな戦闘狂になったの????』
何事もなく馬鹿共を送り返す。最近有事の際に溜まり場にしてるクラスメイトB所有の倉庫で名前ははぁ~~~~~~~~~、とクソデカ溜め息を吐いた。
「名前~、このまま帰したら報復とかされん?」
『あ゛~、うん。大丈夫だよ。Aにねお願いしててね』
「Aに?」
『今頃メール行ってると思うよ。馬鹿な事考えたら家燃やすね!って』
「突然知らねえ奴からメール来てそれ書いてたら怖いわな」
さ、帰りましょ~と名前と山田、集まっていた戦闘員の数名が解散する。一応しばらくは纏まって歩くのよ~!は~いママー!!誰がママか。
「にしても、まぁクソッタレだよな。俺は天地好きじゃねーけどこれは無理」
『寿ね~……仲間じゃなくて兵隊集めちゃったもんね。そりゃこうもなるかァって感じよ。許さんけど』
「あッ名前!」
『はい』
「タケちゃんが寂しいって言ってる!」
『マジ?あホントだLINE来てんじゃん』
「可愛くね?」
『めちゃくちゃ可愛い。阿賀島家行くか』
「行こ。親父さん確かメシマズだったよね」
『代表メシマズよ。努力はしてる。ただ……あの……弱火10分を強火3分にしちゃうタイプ』
「よしお見舞いになんか作っちゃるか」
『父ちゃんの分もね』
そうやって歩いていると、バイクの音ならめちゃくちゃ遠くでも拾う名前の耳に信じられねえ音が響いた。え?と名前が目を見開く。どしたん、と山田が言う前に走り出した。
「名前!どうした!」
『ま、待って、待って!?ま、ま?!!』
「なになになに」
名前はもう何も喋らなかった。そんな余裕も無かった。あのバイクの音が向かうのは間違いなくあそこ、もう名前の目には苦しさから、喜びから、色んな感情から涙さえ浮かんでいた。
ぜ、ぜ、と息を切らして辿り着いたのは鈴蘭だった。門前では人の塊が出来ている。名前はそれを無視してそれを掻き分けた。
「あ?名前、」
『ぜ、ぜ、退け』
「名前?」
固まってた奴等……迫田だとか八板、血気盛んな一年共だとかは汗だくの名前を見てなに?と声をかける。そんな事は気にしてられないのだ。山田は走って走って疲れてるけど、名前が道を開けと言うのならとハイハイハイお馬鹿さん達退きなさいねと前を歩いた。
そこにあるのは一台のバイク、乗ってるのは派手なスカジャンの……金髪の男であった。不良共に囲まれてるってのにいや~懐かしいな変わらねえな~なんて言いながら居るので鈴蘭の奴等も何事?となっている。
「ん?」
『ぜ、ぜ、ごほ、』
「あれ!お前名前じゃねーか!大丈夫か?すげー息きれてんじゃねーかよ」
あれ?あの男名前の知り合い?なんて雰囲気が出た瞬間、名前は息を整え……その男に向き合った。
『とりあえず一発殴らせてね』
「へ?ぐあ!!!!!」
「なんて?」
名前のビンタはその男の頬を勢いよく振り抜いた。痛てーよ!なんて騒ぐけれど頬にはバッチリ紅葉が残っている。この騒ぎに三年までなになに、と見に来る。もちろん、原田十希夫も。
『ば、ば、ばか』
「ま、待て待て落ち着け名前……」
『嘘吐き!!馬鹿!!!変態!!!!ロクデナシ!!!!!甲斐性なし!!!!!!』
「落ち着いてくれ~……」
『突然消えて何してたんだこの馬鹿!!!!』
「うお、」
勢いよく名前が男に飛び付いた。男は勢いが良すぎたからか少しよろめいたけれど、仕方ねえななんて笑って背をぽん、と叩く。ちなみに原田十希夫は気が気じゃないのだが。
『春道兄ちゃんのばか~~~!!!!!』
「ごめんな、名前、泣くなよ」
「ん゛????」
この男こそ戸亜留市の伝説である坊屋春道その人である。山田はマジ?という顔をして、戸亜留の不良少年達も大抵その名を知ってるのでホンマに?という顔をした。原田十希夫は人を殺す目をしている。
『黙らせろ』
名前のいつもより低い声を遮る者は平伏した数人の男。それを囲む連中は皆、あーあ、アイツキレてるねなんて思いながらも指示を待つ。
『お前等、私が天地寿の馴染みって知っておいて傘下になんて吐かしてるのか?……今、アイツと関わらねえようにしてるからってよ。アイツから離反したクソ野郎を迎え入れる理由がねえだろうが』
ブッチブチにキレてる名前の後ろには山田が控えているけれど、ちょっと苦笑いである。今ここには居ないタケに助けを求めながら。
タケは今日風邪でお休みである。奴は病弱だった母を癌で亡くして居て、多少病気にゃ弱い所があるのでどちゃクソ心配した父親に病院に引き摺られて行った。名前も心配なのでそれは全然行って???と後押ししていた。タケはホントにただの風邪なのに……とぶすくれていたけれど。
さて、天地の元に下っていた奴等は鳳仙等に狙われるようになりどんどん離れていった。それどころか鳳仙等に差し出そうとする始末。名前は一等そういう奴等が嫌いであった。控えめにこ、殺すう~!!!って感じ。そんな奴等が常磐連合に入りたいです!なんて、そんな馬鹿な話は無いだろうに。
『丁重に送り返しな、常磐はお前等が来る場所じゃねえんだよ』
「イエスマーム」
「サーイエッサー」
『やる気無くない????』
「文句はないけど暴れられると思ってた」
「右に同じ」
『いつからそんな戦闘狂になったの????』
何事もなく馬鹿共を送り返す。最近有事の際に溜まり場にしてるクラスメイトB所有の倉庫で名前ははぁ~~~~~~~~~、とクソデカ溜め息を吐いた。
「名前~、このまま帰したら報復とかされん?」
『あ゛~、うん。大丈夫だよ。Aにねお願いしててね』
「Aに?」
『今頃メール行ってると思うよ。馬鹿な事考えたら家燃やすね!って』
「突然知らねえ奴からメール来てそれ書いてたら怖いわな」
さ、帰りましょ~と名前と山田、集まっていた戦闘員の数名が解散する。一応しばらくは纏まって歩くのよ~!は~いママー!!誰がママか。
「にしても、まぁクソッタレだよな。俺は天地好きじゃねーけどこれは無理」
『寿ね~……仲間じゃなくて兵隊集めちゃったもんね。そりゃこうもなるかァって感じよ。許さんけど』
「あッ名前!」
『はい』
「タケちゃんが寂しいって言ってる!」
『マジ?あホントだLINE来てんじゃん』
「可愛くね?」
『めちゃくちゃ可愛い。阿賀島家行くか』
「行こ。親父さん確かメシマズだったよね」
『代表メシマズよ。努力はしてる。ただ……あの……弱火10分を強火3分にしちゃうタイプ』
「よしお見舞いになんか作っちゃるか」
『父ちゃんの分もね』
そうやって歩いていると、バイクの音ならめちゃくちゃ遠くでも拾う名前の耳に信じられねえ音が響いた。え?と名前が目を見開く。どしたん、と山田が言う前に走り出した。
「名前!どうした!」
『ま、待って、待って!?ま、ま?!!』
「なになになに」
名前はもう何も喋らなかった。そんな余裕も無かった。あのバイクの音が向かうのは間違いなくあそこ、もう名前の目には苦しさから、喜びから、色んな感情から涙さえ浮かんでいた。
ぜ、ぜ、と息を切らして辿り着いたのは鈴蘭だった。門前では人の塊が出来ている。名前はそれを無視してそれを掻き分けた。
「あ?名前、」
『ぜ、ぜ、退け』
「名前?」
固まってた奴等……迫田だとか八板、血気盛んな一年共だとかは汗だくの名前を見てなに?と声をかける。そんな事は気にしてられないのだ。山田は走って走って疲れてるけど、名前が道を開けと言うのならとハイハイハイお馬鹿さん達退きなさいねと前を歩いた。
そこにあるのは一台のバイク、乗ってるのは派手なスカジャンの……金髪の男であった。不良共に囲まれてるってのにいや~懐かしいな変わらねえな~なんて言いながら居るので鈴蘭の奴等も何事?となっている。
「ん?」
『ぜ、ぜ、ごほ、』
「あれ!お前名前じゃねーか!大丈夫か?すげー息きれてんじゃねーかよ」
あれ?あの男名前の知り合い?なんて雰囲気が出た瞬間、名前は息を整え……その男に向き合った。
『とりあえず一発殴らせてね』
「へ?ぐあ!!!!!」
「なんて?」
名前のビンタはその男の頬を勢いよく振り抜いた。痛てーよ!なんて騒ぐけれど頬にはバッチリ紅葉が残っている。この騒ぎに三年までなになに、と見に来る。もちろん、原田十希夫も。
『ば、ば、ばか』
「ま、待て待て落ち着け名前……」
『嘘吐き!!馬鹿!!!変態!!!!ロクデナシ!!!!!甲斐性なし!!!!!!』
「落ち着いてくれ~……」
『突然消えて何してたんだこの馬鹿!!!!』
「うお、」
勢いよく名前が男に飛び付いた。男は勢いが良すぎたからか少しよろめいたけれど、仕方ねえななんて笑って背をぽん、と叩く。ちなみに原田十希夫は気が気じゃないのだが。
『春道兄ちゃんのばか~~~!!!!!』
「ごめんな、名前、泣くなよ」
「ん゛????」
この男こそ戸亜留市の伝説である坊屋春道その人である。山田はマジ?という顔をして、戸亜留の不良少年達も大抵その名を知ってるのでホンマに?という顔をした。原田十希夫は人を殺す目をしている。