そのじゅうきゅう
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名前は鳳仙や他所の学校の、天地狩りを黙って見ているしか無かった。仕方ないよなぁ、とは思いつつ……すぐ掌返しやがって、という思いもあった。
どんだけ首は突っ込まないと口で言ったって、天地寿は大事な幼馴染である。アイツが勝手にやらかした事だから仕方ない、鳳仙は解るのだ。この間光政達ボッコボコにされたらしいしね。でも七森とかは解らない。……せめて、康明達はアイツから離れないでやって欲しいけど。
「……それ、俺に言うかぁ……」
『ンはは、お前に言わないでどーすんのさたーくん』
久しぶりだね、と公園のベンチで煙草に火をつける。ホントにな、と返す大東の声はほんの少しだけ沈んでいた。
大東隆、天地軍団の参謀的な立ち位置の男である。色々ごちゃごちゃしてたのでゆっくり話せなかったが、二人は中坊時代の友人であった。
『あ、この間見舞い来てくれたんだっけ。ありがとね』
「誰にも言ってねえ筈だけど」
『あそこの病院クラスメイトん所の病院でね。たまたま見てた奴がいたのさ』
「お前、俺と会う度酷ぇ怪我負ってやがんなぁ」
『ンはは、突然年少入ったと思って久々に会ったら顔面にデカい傷こさえてる奴がよく言うじゃん』
「誰に付けられたか聞くか?康明達」
『ウケる!やっぱり一回殺さなきゃ駄目だな』
「名前」
『ん?』
「……いや。馬鹿な事、言いそうになった」
自分と関わらねえ方がいい、なんて。中坊時代、反抗期の名前が大東に叫んだ言葉だった。何馬鹿な事言ってんだお前と呆れながら笑ったのは自分だってのに、同じことを言おうとするなんて。
「……にしても、天地が例の幼馴染の一人とは思ってなかったが」
『隆が寿に付くとも思ってなかったよ。大変でしょ、あの馬鹿は』
「……」
『全くね。……昔っから馬鹿だから、アイツ。それでも、大事な幼馴染なんだよ、寿は。寿がお前等とどんだけ馬鹿な事しても、寿とお前が大事なのに変わりはない』
「ふ、康明達は?」
『室戸兄弟の話辞めてもろて。善明はまだしも康明は昔めちゃくちゃ殴ったのよ私』
「あぁ、蛙突っ込んだんだっけ?」
『泣いてたな~アイツ。……ね、たーくん』
「ん?」
『お前、ホント人見る目無いよな』
「……」
『反抗期ん時の荒れた私に手差しのべたりさ。……今回はどうせ寿の危ねー目に惹かれたんだろ。ホント、見る目無いよ』
「うるせえよ」
『どうもうちの幼馴染連中は無駄にカリスマがあって嫌だね。……はーあ、ごめんねたーくん。ホントは私と今会うのもあんまり宜しくないよね』
「いや……宜しくないのはそっちじゃねーのか?」
『私が会いたい奴に会って何が悪いの?誰も文句言わないよ、私が頭なんだからさ』
「フ、吹っ切ってやがるな。あの頃とは大違いだ」
『隆』
「ん?」
『私ね、寿の事本当に大事な幼馴染だと思ってる。けど、今回の件はアイツが乗り越えるべきだから私は一切触れないよ。腹は立つけどね』
「……」
『でもね、隆。ホントに何か困った事があるなら、助けるよ』
「!」
『お前にゃ恩がある。だから、まぁなんだ。ど~しても囲まれてやべーってなった時とかなら助けてやるからさ。ほれ』
名前は大東に笛を差し出した。常磐連合がネックレスみたいに首にかけてる物とは色合いが違うものだけど、性能は同じである。
『マジでやべーってなった時、携帯も触れねえって時に鳴らしな。常磐連合一体になって“お前を”助けるから』
「……一緒に居る奴の安全は補償しねーって聞こえるぜ」
『ふはは、やっぱ頭良いよねえ。うん、それはお前次第かな。ちなみに吹いた瞬間GPSが起動してうちのネット班に送られるから遊び半分はやめなね』
「なんて恐ろしいモン作ってんだお前??」
『常磐連合は弱者の集まりなのでぇ~!!これくらい許せよな。別にうちら不良の集まりでもねンだからよ』
「嘘つけや」
『は?善良な一般市民やが??』
「フ、善良な一般市民は単身敵の陣地に来て殲滅なんて抜かさねえんだよ馬鹿。お前だって解ってんだろ、そこらの奴等とは俺達は、」
『ふは、たーくん』
「な、なんだよ」
『“私はグレても居ないしひねくれても居ないよ。不良なんかじゃないし、悪党なんかでもない”』
「名前、」
『ンはは、これね、すっごい尊敬する人の受け売り。頭張るには参考にゃしないけど、人としてすっごい尊敬してる人のね。いくら人を束ねたからって、私は私の行きたい道を行くよ。楽しい時は笑って、悲しい時は泣いて……腹が立ったら怒ってね。ねえ、たーくん』
「……解った、解ったよ。悪かった、な」
とんでもねえ笑顔で、それでも笑わぬ目で大東を突き刺した名前はハハ、と笑って紫煙を撒き散らした。大東はクソッタレ……なんて吐きながら未だに癖になってる名前の後ろ髪をさわさわと触る。
「……天地には、付いて行くつもりだよ。俺は」
『知ってる。大東、馬鹿でクズでクソ野郎だけど芯があるし優しいからね』
「おい唐突にディスるな泣くぞ」
名前は鳳仙や他所の学校の、天地狩りを黙って見ているしか無かった。仕方ないよなぁ、とは思いつつ……すぐ掌返しやがって、という思いもあった。
どんだけ首は突っ込まないと口で言ったって、天地寿は大事な幼馴染である。アイツが勝手にやらかした事だから仕方ない、鳳仙は解るのだ。この間光政達ボッコボコにされたらしいしね。でも七森とかは解らない。……せめて、康明達はアイツから離れないでやって欲しいけど。
「……それ、俺に言うかぁ……」
『ンはは、お前に言わないでどーすんのさたーくん』
久しぶりだね、と公園のベンチで煙草に火をつける。ホントにな、と返す大東の声はほんの少しだけ沈んでいた。
大東隆、天地軍団の参謀的な立ち位置の男である。色々ごちゃごちゃしてたのでゆっくり話せなかったが、二人は中坊時代の友人であった。
『あ、この間見舞い来てくれたんだっけ。ありがとね』
「誰にも言ってねえ筈だけど」
『あそこの病院クラスメイトん所の病院でね。たまたま見てた奴がいたのさ』
「お前、俺と会う度酷ぇ怪我負ってやがんなぁ」
『ンはは、突然年少入ったと思って久々に会ったら顔面にデカい傷こさえてる奴がよく言うじゃん』
「誰に付けられたか聞くか?康明達」
『ウケる!やっぱり一回殺さなきゃ駄目だな』
「名前」
『ん?』
「……いや。馬鹿な事、言いそうになった」
自分と関わらねえ方がいい、なんて。中坊時代、反抗期の名前が大東に叫んだ言葉だった。何馬鹿な事言ってんだお前と呆れながら笑ったのは自分だってのに、同じことを言おうとするなんて。
「……にしても、天地が例の幼馴染の一人とは思ってなかったが」
『隆が寿に付くとも思ってなかったよ。大変でしょ、あの馬鹿は』
「……」
『全くね。……昔っから馬鹿だから、アイツ。それでも、大事な幼馴染なんだよ、寿は。寿がお前等とどんだけ馬鹿な事しても、寿とお前が大事なのに変わりはない』
「ふ、康明達は?」
『室戸兄弟の話辞めてもろて。善明はまだしも康明は昔めちゃくちゃ殴ったのよ私』
「あぁ、蛙突っ込んだんだっけ?」
『泣いてたな~アイツ。……ね、たーくん』
「ん?」
『お前、ホント人見る目無いよな』
「……」
『反抗期ん時の荒れた私に手差しのべたりさ。……今回はどうせ寿の危ねー目に惹かれたんだろ。ホント、見る目無いよ』
「うるせえよ」
『どうもうちの幼馴染連中は無駄にカリスマがあって嫌だね。……はーあ、ごめんねたーくん。ホントは私と今会うのもあんまり宜しくないよね』
「いや……宜しくないのはそっちじゃねーのか?」
『私が会いたい奴に会って何が悪いの?誰も文句言わないよ、私が頭なんだからさ』
「フ、吹っ切ってやがるな。あの頃とは大違いだ」
『隆』
「ん?」
『私ね、寿の事本当に大事な幼馴染だと思ってる。けど、今回の件はアイツが乗り越えるべきだから私は一切触れないよ。腹は立つけどね』
「……」
『でもね、隆。ホントに何か困った事があるなら、助けるよ』
「!」
『お前にゃ恩がある。だから、まぁなんだ。ど~しても囲まれてやべーってなった時とかなら助けてやるからさ。ほれ』
名前は大東に笛を差し出した。常磐連合がネックレスみたいに首にかけてる物とは色合いが違うものだけど、性能は同じである。
『マジでやべーってなった時、携帯も触れねえって時に鳴らしな。常磐連合一体になって“お前を”助けるから』
「……一緒に居る奴の安全は補償しねーって聞こえるぜ」
『ふはは、やっぱ頭良いよねえ。うん、それはお前次第かな。ちなみに吹いた瞬間GPSが起動してうちのネット班に送られるから遊び半分はやめなね』
「なんて恐ろしいモン作ってんだお前??」
『常磐連合は弱者の集まりなのでぇ~!!これくらい許せよな。別にうちら不良の集まりでもねンだからよ』
「嘘つけや」
『は?善良な一般市民やが??』
「フ、善良な一般市民は単身敵の陣地に来て殲滅なんて抜かさねえんだよ馬鹿。お前だって解ってんだろ、そこらの奴等とは俺達は、」
『ふは、たーくん』
「な、なんだよ」
『“私はグレても居ないしひねくれても居ないよ。不良なんかじゃないし、悪党なんかでもない”』
「名前、」
『ンはは、これね、すっごい尊敬する人の受け売り。頭張るには参考にゃしないけど、人としてすっごい尊敬してる人のね。いくら人を束ねたからって、私は私の行きたい道を行くよ。楽しい時は笑って、悲しい時は泣いて……腹が立ったら怒ってね。ねえ、たーくん』
「……解った、解ったよ。悪かった、な」
とんでもねえ笑顔で、それでも笑わぬ目で大東を突き刺した名前はハハ、と笑って紫煙を撒き散らした。大東はクソッタレ……なんて吐きながら未だに癖になってる名前の後ろ髪をさわさわと触る。
「……天地には、付いて行くつもりだよ。俺は」
『知ってる。大東、馬鹿でクズでクソ野郎だけど芯があるし優しいからね』
「おい唐突にディスるな泣くぞ」