そのじゅうはち
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この事件の全貌を知るのは名前と、今幹部の一人の顔をぐちゃぐちゃに蹴りまくって羽交い締めにされている十希夫と、羽交い締めにしている黒澤、後ろで真顔になって煙草を吸ってる九里虎のみである。九里虎はふう、と紫煙を撒き散らして、くだらんなァ、ととてつもなく低い声で唸った。
九里虎は女が自分に手を上げて来たとしても自分は絶対に上げないし、そもそも女は絶対大事にするものという考えが染み付いている。可愛い後輩である名前があんな馬鹿みたいな大怪我になったのも業腹だけれど、そんな……そんな馬鹿馬鹿しい事であそこまでするのか、と。そりゃ十希夫も殺したくなるわ。
「離せ!!!このタコ殺してやる!!!!」
「十希夫!!いい加減止まれ!!!ンな事してる場合じゃねーだろ!!!!」
最初の調べである、常磐に飲み込まれるのが嫌だった、という内容であれば……腹は立つけれど納得は出来た。だが十希夫が今ぐちゃぐちゃにしている幹部の口から出て来た言葉は想像以上に馬鹿馬鹿しくて、そんな事の為に、
「フーッ、フーッ、殺す、殺してやる、」
「十希夫、」
「見ただろ!!!!?アイツ、手踏み潰されてよ!!!何回も頭殴られたんだろうよ、何回も腹ァ殴る蹴るされたんだろうよ!!!目の上の傷、聞いたか!!!?あれ、刃物の切り口だったんだとよ!!!!!!」
それは二人も初耳である。というか、十三と十希夫しか知らない。発見した山田とタケは大怪我の女に発狂して怪我をよく見る事が出来ず、十三は最初殴られた時に切れたのかと思っていたが、医者にそれを聞いた瞬間口を噤んだ。酷い怒りもあるけれど……もし、将五や幼馴染連中だけでなく、名前を思う野郎共全員がそれを知れば、間違いなくこの街は戦場になるからである。血の気が多い野郎共はピリピリして何をするか解ったもんじゃない。……もし、それで余計な血を流せば、妹が悲しい思いをすると思ったから。
それを十希夫に話してしまったのは、何故だったのだろうか。女の手をぐっ、と怒りと悔しさを堪えた顔で掴む男を見てしまったからなのか……あの十三が、どうなるか解っているにも関わらず教えてしまったのだ。
「名前は未だに刃物を見るだけでも辛いんだぞ!!!それを、それを……ッッ!!!」
「……十希夫」
「いい加減にせんか」
九里虎が十希夫の肩を掴む。息を荒らげた十希夫は酷い怒りを目に浮かべながら、それでもなんとか冷静になろうとはしていた。解っている、今自分がすべき事はこうじゃない事は解っている。九里虎もそれを察したのか、バカタレ、と軽く十希夫の頬をベチンと叩いて掴んだ手を離した。
「……名前は、どうせあの女のことだ……頭ン所に行くだろうよ」
「あぁ」
「……黒澤、九里虎。……手伝ってくれ」
「解ってる」
「ま~可愛い名前チャンの為やけんね」
「九里虎」
「ん」
「絶対手出すなよ」
「ハハ……クロサー、これ随分、アレやね~」
「付き合ってから言え馬鹿」
さて、常磐連合は着々と会ノ川商業の連中を追い詰め、やっとこさ頭の居場所が判明した。山田とタケ、数人の戦闘員で向かうと……少し、おかしな事になっていたのである。
会ノ川商業の頭が溜まり場にしている廃ビルに踏み込むと何人もの男達が既に倒れている。山田とタケはハハン、これは名前。と肩をいからせながら皆で上の階へ。後ろからは鈴蘭の花、迫田、武藤が、そして鳳仙の月光三兄弟が、武装の将五、拓海、春が着いてきていた。全員が全員あの女絶対無茶してるからとりあえず止めて後で怒ろ……と思っている連中である。
「えっ」
「は?」
「どゆこと?」
確かに女はそこに居た。金属バットを片手に堂々と立っていた。数人の男がいて……皆、恐怖に引きつった顔で部屋の隅に逃げるように張り付いている。
女が一人の男に金属バットを振り上げ、ひぃ、と声を上げるのを無視して振り下ろした。コキンッとこ気味の良い音がして、酷い悲鳴が上がる。
「、名前」
山田が声を上げると……女の動きが止まる。動きが止まったと野郎共が逃げようとするが入り口は恐ろしい男達が塞いでいるので逃げられない。全員が中に入って……扉を閉めた。
ゆっくりと振り返り、月明かりに照らされた女の口元には笑みが浮かんでいる。片目がガーゼで塞がった状態で、それでも見えている目にはギラギラと、並々ならぬ殺意が滲んでいた。
カツ、カツ、と女は優雅に金属バットを引きずって歩く。おっと……?と山田とタケ、そして将五と拓海の背に冷や汗が伝う。これ、この女もしかして。
『ガルル……』
「え゛っ!!!!」
「やっば」
「待って」
「逃げろ!!!!!!!」
将五の言葉に山田とタケ以外の全員がは?と首を傾げる。なにが?と。すると山田がとんでもねー顔で叫んだ。
「アイツ、暴走してやがる!!!!!」
「あ、凄いグリやんと同じ目してる……」
「名前ーーッ馬鹿とまれ、」
カコンッ!と良い音がして迫田が崩れ落ちた。顎を蹴られたのである。やべ、効いたと思った時には名前の足が迫田の顔面を蹴り抜いていた。部屋の隅に吹っ飛ばされた迫田を見て全員マジ?と逆に冷静になっちまった。尚も女はガルルと唸りながら残っていた会ノ川の奴を蹴り飛ばし、マジでヤバいと思った花がストップ!と名前をガッシリホールドした。花以外なら幼馴染組に殺されているところだがあの男は一ミリもいやらしさが無いので。しかもこの中で間違いなく最強級の男。適任である。
適任である、筈だった。ぐるりと視界が回ってから花はありゃ……?と声を出して、己を踏み潰す足が迫るのをスローモーションかのように見ていた。
「う、そだろ」
「花!!!おい花気失ってやがる!!!」
「おいおいおいタケちゃんマンあのあんな名前初なんですけど」
「いやいやいや友っち言うけど長年居るけど俺だって初めて見るちや、おい藤代村田、生まれた時から一緒だろなんだアレ」
「俺達だってあんなの初見だわ!!!」
「マジで何あれ?え?ちょっと春お前ならワンチャンいけない?」
「いや無理でしょあの人月島花の事気に入ってる癖にあの威力で」
ガンッ!!!!!!と会話していた奴等、山田と春の間の壁に名前の振り下ろした金属バットが当たる。恐る恐る皆が壁を見るとパラパラとコンクリが砕けていた。これには全員菩薩顔。
「「「コイツガチで殺しに来てやがる!!!」」」
『ガァ……グルル……』
普段なら名前の顎を殴るなりして意識を刈り取るタケや、武力行使で止められる光政だけれど今のあの女は馬鹿みたいな大怪我。しかも正気じゃない。止めようとする前に殺される。
「お、おい、名前」
「馬鹿義兄やめろ!!!」
なんとかそれでも止めようと光義が手を伸ばすと、名前は飛び上がり伸ばした手を踏み台にして光義の顔を蹴り上げた。大魔王直伝キックである。しかも着地した後、ガチなハイキックをお見舞いする所まで大魔王。
「……」
「……どしよ」
「総員退却ー!!!!!」
「「「おーー!!!」」」
これは仕方ない。逃げるしかない。アイツは足が遅いのでここに居る面子なら逃げられる。
「逃げるならガチで逃げろ!!!アイツ追い足は恐ろしく早いぞ!!!」
「マ!!!?」
「鬼ごっこで毎回天地が泣いてた!!!!」
「寿の黒歴史をここぞとばかりに出すんじゃねー!!!!」
そんな事言いながら皆全速力で逃げてる。今光政の顔の真横を金属バットが通り過ぎてった。光政もこれには真っ青。
『ガーーーッ!!!』
「ばっ!!!?」
「光法ーーーーッ!!!!」
『ガルル!!!』
「まっ名前さ、まっ、だーーーーッ!!!」
「春までやられた!!!」
「駄目だやはり正気じゃない」
「うっわ待て名前ちょ、わ゛ーーーーッ!!!!!?」
「蓮次ーーーーー!!!!」
「名前相手に初めて死を覚悟してる今」
「俺ちんは二度目……四年ぶり……」
「ヘイ名前!!一旦大人しくしろ、よ!」
光政が仕方ねえとガチで蹴りに行った。山田や将五はお前!!と叫ぶけどタケと拓海はやめろ!!と叫んだ。なんと名前はあの光政の蹴りをヒョイ、とかわしたのだ。あら、と光政の額に冷や汗が滲む。すると名前はそのまま前に出て光政の顔面を掴んだ。今の今まで蹴りの体勢だった光政はバランスが保てず……為す術なく床に叩きつけられた。
「マジ!!!?」
「言わんこっちゃねー!」
「光政生きてるか!?」
「むり」
「無理だってよ!!!」
「あっ」
「ガッ!!!!?」
まだ光政に意識があると解った名前は倒れ伏した光政の腹を思い切り踏み付けた。今度こそご臨終である。残りは四人。もー勘弁してくれ、と外に出ると九里虎、黒澤、十希夫が居た。名前は?と聞かれるので四人してとんでもねえ形相で逃げろと叫んだ。
「は?」
「アイツ暴走してやがる!!!!!」
「花も光政もやられた!!!!」
「は?嘘だろ」
『ガル』
「やべ」
「将五!!!」
名前が将五の左足に左足を絡める。あ、これヤバいな、と将五が諦めの顔。
「いででででで!!!!!!」
「コブラツイストなんだが?」
「どこで覚えたそんなん」
「ぐ~り~こ~??」
「いや……しょーんなかろ……?教えたらじぇーんぶ覚えるっちゃけん……」
「お前かーーーーッ!!!!」
「大魔王キックまでお前直伝だろがーーーーッ!!!!!」
「タップ!!!タップ!!!名前タップ!!!!」
「やば、将五マジで死ぬ」
名前はそのままクラッチしたのを外して将五の顎を殴り倒した。将五死亡。残るは増えて六人となった。
この事件の全貌を知るのは名前と、今幹部の一人の顔をぐちゃぐちゃに蹴りまくって羽交い締めにされている十希夫と、羽交い締めにしている黒澤、後ろで真顔になって煙草を吸ってる九里虎のみである。九里虎はふう、と紫煙を撒き散らして、くだらんなァ、ととてつもなく低い声で唸った。
九里虎は女が自分に手を上げて来たとしても自分は絶対に上げないし、そもそも女は絶対大事にするものという考えが染み付いている。可愛い後輩である名前があんな馬鹿みたいな大怪我になったのも業腹だけれど、そんな……そんな馬鹿馬鹿しい事であそこまでするのか、と。そりゃ十希夫も殺したくなるわ。
「離せ!!!このタコ殺してやる!!!!」
「十希夫!!いい加減止まれ!!!ンな事してる場合じゃねーだろ!!!!」
最初の調べである、常磐に飲み込まれるのが嫌だった、という内容であれば……腹は立つけれど納得は出来た。だが十希夫が今ぐちゃぐちゃにしている幹部の口から出て来た言葉は想像以上に馬鹿馬鹿しくて、そんな事の為に、
「フーッ、フーッ、殺す、殺してやる、」
「十希夫、」
「見ただろ!!!!?アイツ、手踏み潰されてよ!!!何回も頭殴られたんだろうよ、何回も腹ァ殴る蹴るされたんだろうよ!!!目の上の傷、聞いたか!!!?あれ、刃物の切り口だったんだとよ!!!!!!」
それは二人も初耳である。というか、十三と十希夫しか知らない。発見した山田とタケは大怪我の女に発狂して怪我をよく見る事が出来ず、十三は最初殴られた時に切れたのかと思っていたが、医者にそれを聞いた瞬間口を噤んだ。酷い怒りもあるけれど……もし、将五や幼馴染連中だけでなく、名前を思う野郎共全員がそれを知れば、間違いなくこの街は戦場になるからである。血の気が多い野郎共はピリピリして何をするか解ったもんじゃない。……もし、それで余計な血を流せば、妹が悲しい思いをすると思ったから。
それを十希夫に話してしまったのは、何故だったのだろうか。女の手をぐっ、と怒りと悔しさを堪えた顔で掴む男を見てしまったからなのか……あの十三が、どうなるか解っているにも関わらず教えてしまったのだ。
「名前は未だに刃物を見るだけでも辛いんだぞ!!!それを、それを……ッッ!!!」
「……十希夫」
「いい加減にせんか」
九里虎が十希夫の肩を掴む。息を荒らげた十希夫は酷い怒りを目に浮かべながら、それでもなんとか冷静になろうとはしていた。解っている、今自分がすべき事はこうじゃない事は解っている。九里虎もそれを察したのか、バカタレ、と軽く十希夫の頬をベチンと叩いて掴んだ手を離した。
「……名前は、どうせあの女のことだ……頭ン所に行くだろうよ」
「あぁ」
「……黒澤、九里虎。……手伝ってくれ」
「解ってる」
「ま~可愛い名前チャンの為やけんね」
「九里虎」
「ん」
「絶対手出すなよ」
「ハハ……クロサー、これ随分、アレやね~」
「付き合ってから言え馬鹿」
さて、常磐連合は着々と会ノ川商業の連中を追い詰め、やっとこさ頭の居場所が判明した。山田とタケ、数人の戦闘員で向かうと……少し、おかしな事になっていたのである。
会ノ川商業の頭が溜まり場にしている廃ビルに踏み込むと何人もの男達が既に倒れている。山田とタケはハハン、これは名前。と肩をいからせながら皆で上の階へ。後ろからは鈴蘭の花、迫田、武藤が、そして鳳仙の月光三兄弟が、武装の将五、拓海、春が着いてきていた。全員が全員あの女絶対無茶してるからとりあえず止めて後で怒ろ……と思っている連中である。
「えっ」
「は?」
「どゆこと?」
確かに女はそこに居た。金属バットを片手に堂々と立っていた。数人の男がいて……皆、恐怖に引きつった顔で部屋の隅に逃げるように張り付いている。
女が一人の男に金属バットを振り上げ、ひぃ、と声を上げるのを無視して振り下ろした。コキンッとこ気味の良い音がして、酷い悲鳴が上がる。
「、名前」
山田が声を上げると……女の動きが止まる。動きが止まったと野郎共が逃げようとするが入り口は恐ろしい男達が塞いでいるので逃げられない。全員が中に入って……扉を閉めた。
ゆっくりと振り返り、月明かりに照らされた女の口元には笑みが浮かんでいる。片目がガーゼで塞がった状態で、それでも見えている目にはギラギラと、並々ならぬ殺意が滲んでいた。
カツ、カツ、と女は優雅に金属バットを引きずって歩く。おっと……?と山田とタケ、そして将五と拓海の背に冷や汗が伝う。これ、この女もしかして。
『ガルル……』
「え゛っ!!!!」
「やっば」
「待って」
「逃げろ!!!!!!!」
将五の言葉に山田とタケ以外の全員がは?と首を傾げる。なにが?と。すると山田がとんでもねー顔で叫んだ。
「アイツ、暴走してやがる!!!!!」
「あ、凄いグリやんと同じ目してる……」
「名前ーーッ馬鹿とまれ、」
カコンッ!と良い音がして迫田が崩れ落ちた。顎を蹴られたのである。やべ、効いたと思った時には名前の足が迫田の顔面を蹴り抜いていた。部屋の隅に吹っ飛ばされた迫田を見て全員マジ?と逆に冷静になっちまった。尚も女はガルルと唸りながら残っていた会ノ川の奴を蹴り飛ばし、マジでヤバいと思った花がストップ!と名前をガッシリホールドした。花以外なら幼馴染組に殺されているところだがあの男は一ミリもいやらしさが無いので。しかもこの中で間違いなく最強級の男。適任である。
適任である、筈だった。ぐるりと視界が回ってから花はありゃ……?と声を出して、己を踏み潰す足が迫るのをスローモーションかのように見ていた。
「う、そだろ」
「花!!!おい花気失ってやがる!!!」
「おいおいおいタケちゃんマンあのあんな名前初なんですけど」
「いやいやいや友っち言うけど長年居るけど俺だって初めて見るちや、おい藤代村田、生まれた時から一緒だろなんだアレ」
「俺達だってあんなの初見だわ!!!」
「マジで何あれ?え?ちょっと春お前ならワンチャンいけない?」
「いや無理でしょあの人月島花の事気に入ってる癖にあの威力で」
ガンッ!!!!!!と会話していた奴等、山田と春の間の壁に名前の振り下ろした金属バットが当たる。恐る恐る皆が壁を見るとパラパラとコンクリが砕けていた。これには全員菩薩顔。
「「「コイツガチで殺しに来てやがる!!!」」」
『ガァ……グルル……』
普段なら名前の顎を殴るなりして意識を刈り取るタケや、武力行使で止められる光政だけれど今のあの女は馬鹿みたいな大怪我。しかも正気じゃない。止めようとする前に殺される。
「お、おい、名前」
「馬鹿義兄やめろ!!!」
なんとかそれでも止めようと光義が手を伸ばすと、名前は飛び上がり伸ばした手を踏み台にして光義の顔を蹴り上げた。大魔王直伝キックである。しかも着地した後、ガチなハイキックをお見舞いする所まで大魔王。
「……」
「……どしよ」
「総員退却ー!!!!!」
「「「おーー!!!」」」
これは仕方ない。逃げるしかない。アイツは足が遅いのでここに居る面子なら逃げられる。
「逃げるならガチで逃げろ!!!アイツ追い足は恐ろしく早いぞ!!!」
「マ!!!?」
「鬼ごっこで毎回天地が泣いてた!!!!」
「寿の黒歴史をここぞとばかりに出すんじゃねー!!!!」
そんな事言いながら皆全速力で逃げてる。今光政の顔の真横を金属バットが通り過ぎてった。光政もこれには真っ青。
『ガーーーッ!!!』
「ばっ!!!?」
「光法ーーーーッ!!!!」
『ガルル!!!』
「まっ名前さ、まっ、だーーーーッ!!!」
「春までやられた!!!」
「駄目だやはり正気じゃない」
「うっわ待て名前ちょ、わ゛ーーーーッ!!!!!?」
「蓮次ーーーーー!!!!」
「名前相手に初めて死を覚悟してる今」
「俺ちんは二度目……四年ぶり……」
「ヘイ名前!!一旦大人しくしろ、よ!」
光政が仕方ねえとガチで蹴りに行った。山田や将五はお前!!と叫ぶけどタケと拓海はやめろ!!と叫んだ。なんと名前はあの光政の蹴りをヒョイ、とかわしたのだ。あら、と光政の額に冷や汗が滲む。すると名前はそのまま前に出て光政の顔面を掴んだ。今の今まで蹴りの体勢だった光政はバランスが保てず……為す術なく床に叩きつけられた。
「マジ!!!?」
「言わんこっちゃねー!」
「光政生きてるか!?」
「むり」
「無理だってよ!!!」
「あっ」
「ガッ!!!!?」
まだ光政に意識があると解った名前は倒れ伏した光政の腹を思い切り踏み付けた。今度こそご臨終である。残りは四人。もー勘弁してくれ、と外に出ると九里虎、黒澤、十希夫が居た。名前は?と聞かれるので四人してとんでもねえ形相で逃げろと叫んだ。
「は?」
「アイツ暴走してやがる!!!!!」
「花も光政もやられた!!!!」
「は?嘘だろ」
『ガル』
「やべ」
「将五!!!」
名前が将五の左足に左足を絡める。あ、これヤバいな、と将五が諦めの顔。
「いででででで!!!!!!」
「コブラツイストなんだが?」
「どこで覚えたそんなん」
「ぐ~り~こ~??」
「いや……しょーんなかろ……?教えたらじぇーんぶ覚えるっちゃけん……」
「お前かーーーーッ!!!!」
「大魔王キックまでお前直伝だろがーーーーッ!!!!!」
「タップ!!!タップ!!!名前タップ!!!!」
「やば、将五マジで死ぬ」
名前はそのままクラッチしたのを外して将五の顎を殴り倒した。将五死亡。残るは増えて六人となった。