そのじゅうはち
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捜索が始まって二日経った。名前の意識は未だ戻らず、この頃にはもう隠せなくなっていて、鈴蘭や鳳仙、武装……こっそり天地もブチギレていた。花はガッッッチガチに怒っていて、名前の見舞いに行って笑顔を見せたと思えば病院から出てすぐあの優しい顔を酷く歪め、光政なんかは手が付けられない。ストレス発散の為のバッティングではバットを叩き折り、サンドバッグは破れ、ベンチは三個壊れた。
武装は悲惨である。何せ頭も副頭も、主だったメンバーは全員名前ガチ勢であるし、七代目から入ってる一善も名前にゃ恩があるし、円城等も名前とは仲が良いので。
天地は言わずもがな。一人で誰も居ない時に見舞いに行って、無表情で見下ろした後どこかに電話してどっかに行っちまった。後から大東が一人やって来て何寝てんだよ、とボヤいていた。
そうして三日目の昼、ようやっと常磐連合は名前を襲った人物が見えてきた。……会ノ川商業高校の幹部達である。河二、白堂と同じくご近所さんである会ノ川商は常磐が東陽台や白堂、三生高と協定を結んだ事を知り、“常磐に組み込まれる”と勘違いしたのだ。そもそも鈴蘭にも鳳仙にも行けねーような馬鹿が集まる高校だけれど、なにかあれば鈴蘭等に食ってかかろうとするような高校で……常磐に、それも女が番を張ってるような所に組み込まれるのなぞ、絶対に受け入れる事は出来なかったのだ。
相手が解った瞬間実働部隊と称して山田、タケ、近接戦が得意な者が数人会ノ川に向かったが、少し“お話”した所幹部達はしばらく学校に来ていないという。名前がまだ起きておらず、名前という楔が弱っているのでその鎖に繋がれた狂犬二匹はもう血管がはち切れんばかりにキレ散らかし、幹部達を探しにかかった。頭に血が上って、また大事な事を見逃して。
その日の夕方、ヒュウと秋風が病室に抜ける。十三はニッ………………コリと笑って……
「将五」
《なに》
「……だ」
《え?》
「もぬけの殻だっつってんだよッ!!!!!!!!!!!!!」
《え゛ッ!!!!!???!!?》
「だから二階じゃ駄目だって言ったんだ!!この病院は腕は良いが学習しねえ!!!」
その電話を受けた将五はもう鬼のような顔をして、名前を叩いた連中でなく……名前の捜索を命じた。その情報は拓海経由で蓮次に、光政に、そして山田に伝わり……
「おいコラ原田十希夫17歳童貞ヤロー!!!!テメーの惚れた女あの怪我で病室抜け出しやがったってよ!!!!!こうなったらめいっぱい巻き込んでやる、本気で惚れてんならさっさと探せ!!!!」
《黒澤弟》
「あ゛?!!!」
《キレるのはあの馬鹿見付けてからだ、違うか》
「…………………………」
《あと解りきった事言ってんじゃねー》
「そっちが本音だろがこのむっつりスケベ!!!!!!!」
ガコッ、と鈍い音がして男が崩れ落ちる。なんでお前が、という声に対して立っている者は何も答えずにただ笑って金属バットを振り下ろした。
カラン、カランと金属バットが地面に当たる。歩く度に何故か身体が痛い気もするけれど、金属バットの重みだけを感じていられればそれで良かった。
あと倒すべき人間は何人だったっけ。もう覚えていない。面は覚えているけど、頭がぽっ、として上手く物が考えられない。
面倒臭い、面倒臭い。あの人そんなに自分の事……たのかぁ。なら、もう。良いかぁ、なんて笑いながら……カランカラン音をたててそれは歩いていった。
捜索が始まって二日経った。名前の意識は未だ戻らず、この頃にはもう隠せなくなっていて、鈴蘭や鳳仙、武装……こっそり天地もブチギレていた。花はガッッッチガチに怒っていて、名前の見舞いに行って笑顔を見せたと思えば病院から出てすぐあの優しい顔を酷く歪め、光政なんかは手が付けられない。ストレス発散の為のバッティングではバットを叩き折り、サンドバッグは破れ、ベンチは三個壊れた。
武装は悲惨である。何せ頭も副頭も、主だったメンバーは全員名前ガチ勢であるし、七代目から入ってる一善も名前にゃ恩があるし、円城等も名前とは仲が良いので。
天地は言わずもがな。一人で誰も居ない時に見舞いに行って、無表情で見下ろした後どこかに電話してどっかに行っちまった。後から大東が一人やって来て何寝てんだよ、とボヤいていた。
そうして三日目の昼、ようやっと常磐連合は名前を襲った人物が見えてきた。……会ノ川商業高校の幹部達である。河二、白堂と同じくご近所さんである会ノ川商は常磐が東陽台や白堂、三生高と協定を結んだ事を知り、“常磐に組み込まれる”と勘違いしたのだ。そもそも鈴蘭にも鳳仙にも行けねーような馬鹿が集まる高校だけれど、なにかあれば鈴蘭等に食ってかかろうとするような高校で……常磐に、それも女が番を張ってるような所に組み込まれるのなぞ、絶対に受け入れる事は出来なかったのだ。
相手が解った瞬間実働部隊と称して山田、タケ、近接戦が得意な者が数人会ノ川に向かったが、少し“お話”した所幹部達はしばらく学校に来ていないという。名前がまだ起きておらず、名前という楔が弱っているのでその鎖に繋がれた狂犬二匹はもう血管がはち切れんばかりにキレ散らかし、幹部達を探しにかかった。頭に血が上って、また大事な事を見逃して。
その日の夕方、ヒュウと秋風が病室に抜ける。十三はニッ………………コリと笑って……
「将五」
《なに》
「……だ」
《え?》
「もぬけの殻だっつってんだよッ!!!!!!!!!!!!!」
《え゛ッ!!!!!???!!?》
「だから二階じゃ駄目だって言ったんだ!!この病院は腕は良いが学習しねえ!!!」
その電話を受けた将五はもう鬼のような顔をして、名前を叩いた連中でなく……名前の捜索を命じた。その情報は拓海経由で蓮次に、光政に、そして山田に伝わり……
「おいコラ原田十希夫17歳童貞ヤロー!!!!テメーの惚れた女あの怪我で病室抜け出しやがったってよ!!!!!こうなったらめいっぱい巻き込んでやる、本気で惚れてんならさっさと探せ!!!!」
《黒澤弟》
「あ゛?!!!」
《キレるのはあの馬鹿見付けてからだ、違うか》
「…………………………」
《あと解りきった事言ってんじゃねー》
「そっちが本音だろがこのむっつりスケベ!!!!!!!」
ガコッ、と鈍い音がして男が崩れ落ちる。なんでお前が、という声に対して立っている者は何も答えずにただ笑って金属バットを振り下ろした。
カラン、カランと金属バットが地面に当たる。歩く度に何故か身体が痛い気もするけれど、金属バットの重みだけを感じていられればそれで良かった。
あと倒すべき人間は何人だったっけ。もう覚えていない。面は覚えているけど、頭がぽっ、として上手く物が考えられない。
面倒臭い、面倒臭い。あの人そんなに自分の事……たのかぁ。なら、もう。良いかぁ、なんて笑いながら……カランカラン音をたててそれは歩いていった。