そのじゅうはち
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原田十希夫はベッドに横たわる女を見下ろして……首元に光るフラミンゴをチラリと見てから病室から出た。
あの後、少しだけ落ち着いた山田とタケがボソボソと、名前が昨日重傷を負った、誰にやられたかまだ解らないと言って、十希夫は名前が入院してる病院を聞き出し、とんでもねえ顔で名前が居ねえ時にお前等がそれでどうする、と吐き捨てて走ってきたのだ。取り残された山田とタケは事情を黒澤と九里虎に話さざるを得なくなった。
山田とタケはぐっ、と唇を噛み締めて、佐伯と代わり指示する側に回った。名前が居ない今、自分達が……この両腕が脳の代わりを務めるしかないことを、悔しくもあの原田十希夫17歳童貞野郎なんぞに気付かされちまったので。
そして完全に頭に血が上っていた二人にとって、嬉しい誤算があった。三生高と白堂の二校である。常磐と東陽台が街を駆けずり回るのを見て、両校の頭が常磐にやって来たのだ。
“「名前になにかあったのか?」”
なんとあの名前とかいう女、いつの間にやら三生高と白堂の二校と仲良くなって居やがった!名前は二校に落とし前を付けた後……東陽台が傘下に下り、連合を組むとなった瞬間三生高と白堂の頭と会合し、連合を組むことになったと報告しに言ったのだ。
そこからなんやかんやあって、二校は傘下に下るか下らないか迷っている最中だったのだと。
“「俺達三生高、白堂の両校は頭に惚れ込んじまったんだ。頭になにかあったってんなら、筋を通さなきゃただのクズ野郎に成り下がっちまう」”
そうして二校の頭は自分達の学校の奴等を納得させ、この場に来たと。これには山田もタケも脱力しちまった。だってあの女、聞いた話じゃ知らねーうちに両校の奴等全員顔と名前を覚えて……全員と顔を合わせたらしいのだから。
二人はハハ、と笑って……目を合わせて頷いた。
「常磐連合、頭代理、黒澤友哉が総員に通達!!!!頭を叩いた奴を、草の根分けても探し出せ!!!!」
そんな事がある間に、十希夫は黒澤との電話を切った。黒澤と九里虎はそれぞれ探しているらしい。黒澤は黒澤で名前を可愛がっているし、九里虎なんて女にクソ甘い癖に名前には喧嘩の仕方を教える程の可愛がりようだ。相当な怒りようである。
「……確かな情報か?」
「あぁ。その公園の近くで俺の仲間が見てたらしい」
「ソイツの居場所は?」
「解ったら送るよ」
「助かった。じゃあな」
「原田、その襲われたの、最近出て来た高校の女だろ」
「そうだな」
「……なんかお前が女一人の為に躍起になるのも珍しいな」
十希夫はギャングチームの知り合いである男の言葉に目を見開いて、フ、と笑った。そりゃそう、今まで原田はそんな事したことないので。
でも、今回は。
「惚れた女の面子が潰されてんだぜ、躍起にもなるだろうがよ」
「くっっさ」
「喧しい」