そのじゅうろく
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『お願い』
「駄目だ」
『おねがぁい!!!』
「駄目だ」
『お願いってば~!』
「駄目だ駄目だ駄目だ!!!」
『なんで?別に単騎で行きたいって言ってないじゃん!!監視付きで良いから~!!』
「ぐ、う、……」
「将五さん、気を強く持ってください。いつまで名前さんのお願い聞くつもりスか」
『春ちゃん、だめ?』
「う゛ん゛ッ」
「春まで負けかけてんじゃねーかよ」
先日、三日以内に来いよ~と言ってた東陽台の連中から……一人の男から連絡があった。“一日伸ばす事になりますが、東陽台を纏めて実行犯に詫びを入れさせた上で常磐の傘下に下りたい”と。その一日伸びたのが今日なので……流石に頭の私が行かない訳にはいかないのだ。
『新しい頭の誕生よ?しかも傘下に下りたい、なんて。私行かない訳にいかねーじゃん~ね~喧嘩しに行くわけじゃないの~お願い』
「ぐぬぬ……」
「……本当に喧嘩はしないんスね?」
『今回はね。頭って立場上これから喧嘩しねーとは言えないけど、今日はしないよ』
「…………将五さん」
「はぁ……少しでも危なそうなら割って入るぞ、良いか?」
『まぁ必要は無いだろうけど、大丈夫だよ』
それじゃあ行きましょう。場所は天狗の森……定番ですね。駐車場に二人の単車を置いて、私は山田とタケと合流。流石にお前等は武装だから遠くから見てなさいねと言えばほんの少し騙したな……みたいな目で見られたけどそれはそれ。
「東陽台、学校纏めるって言ってたけどどうなのかな」
「名前っち電話したんしょ?イイ感じ?クズはクズ?」
『東陽台全てが全てクズな訳無いでしょうが。ま、これから会うだろうけど……話した感じ、イイと思うけどね』
ニッと笑う名前に二人はやれやれ、と苦笑する。お前がそう言うなら、そうなんだろとしか言えなくなっちまう。
三人が天狗の森に着くと、数人の男共が跪いていた。常磐襲撃に携わった連中……そして、あの日名前が吹っ飛ばした頭だった男。そして、その連中の後ろに傷だらけで二人、立つ男が居た。一人がこちらに気付くと、もう一人に任せてこちらに近付き、頭を下げる。
「東陽台の……新しく番張らせてもらいます、二年の深山と申します」
『知ってると思うけど、常磐の苗字だよ。番を張る、つって馬鹿共連れてきたのは良いけど。君、大丈夫?入れ替わるのに大変だったろ。何人でやった?』
「自分と、後ろのだけです」
『ほわ~、根性入ってること。……傘下に、とは言ったけど。うち、連合とか組む気はサラサラないよ?今回も、私等が求めてるのは詫び入れた上での停戦、及び不可侵』
「理解してるつもりです。東陽台は常磐に手を出しません。……それはそれとして、自分が傘下に入れて欲しいと思ったから、こうして頭を下げてます」
さて、どうしたものか。名前は眉間に皺を寄せちまった。傘下に下る……単純に手数が増える、のは良いのかも知れないけれど、それは平和を手に入れようと、自分達の平穏を取り戻そうとする名前からしたら邪魔なものだ。
だけど、名前はこの深山と言う男が本気なのが解る。何にかは知らないけど……龍信さんに惚れて武装に入った奴等だとか……春道くんに惹かれて自分から着いて行こうとした人間の目と、同じだから。
「名前」
『……』
「頭張るって、こーいう事なんだと思うぜ」
「仕方ないちや~、普通の男なら着いて行きたくなるもんよ~」
『は?お前等肯定派?キレそう。はぁ~……おい深山くんさ、解ってる?お前が言ってるの、女が番張る学校の、兵隊になるって事なんだよ』
「承知の上です」
『後ろの君は?』
「頭が決めた事に着いていきま~す!!ちなみに俺は阿賀島さんの大ファンで~す!!!」
「マ!!?」
「俺ちんかぁ~……」
ここまで来たら腹括るしかねーか、と深山に向き直る。こういうのは、二人に聞く事じゃない。決めたら、全力で助けてくれるだろうから。
『ソイツ等、どうする気?』
「少なくとも、自分の治める東陽台にゃ要らないと思ってます」
『そ。よー、お前等。まだ頭が高くない?』
「へーい地面に頭擦り付けろコラ」
「はい、じゃ君等……ちょっとやり過ぎたからね!落とし前も、多めに付けようねえ!」
嬉々として山田とタケが跪いている奴等に向かっていく。先程阿賀島ファン!と叫んでた奴もめちゃくちゃ蹴ってるけど、名前は深山と二人して並んで座っていた。
『良くまぁ、傘下に下るなんて思ったね』
「東陽台はどっちにしろこのままだとただのクズに成り下がって……どっかの高校に飲み込まれる。それなら、あんだけカッコよく戦ったアンタの下に付きたかっただけだ」
『へあ~、東陽台にもこんな奴居たのね』
「これは連合って事になるのか?」
『そうなるのかな。うわ~、大変だぞ?私、基本的に喧嘩とかしようと思ってねーしさ!東陽台、馬鹿も多いだろ。連合になるからにゃ、小競り合いは別として……そういうの、無しだけど?』
「構わねー、それは俺がどうにかする事だ。と、いうか」
『ん?』
「言ったろ、もう番張るのに……二人で全部のしたんだよ」
『なるほど!ハハ、そりゃ逆らえねーわな!』
名前がニッと笑って煙草を咥える。は?ライター無いやが。タケにかーして、と言おうとすると、深山がジュ、とジッポを付ける。マジ?本気?は~……これだから男って奴は。そう思いながら名前は同じ火で煙草に火を灯した。……常磐連合の、始まりだった。
ちなみに終わってかーえろ!とした時に見てた将五がめちゃくちゃしょげてて、春が微妙な顔して居た。タケが珍しく将五に突っかからないで笑ってたのだけが、印象的だった。
「駄目だ」
『おねがぁい!!!』
「駄目だ」
『お願いってば~!』
「駄目だ駄目だ駄目だ!!!」
『なんで?別に単騎で行きたいって言ってないじゃん!!監視付きで良いから~!!』
「ぐ、う、……」
「将五さん、気を強く持ってください。いつまで名前さんのお願い聞くつもりスか」
『春ちゃん、だめ?』
「う゛ん゛ッ」
「春まで負けかけてんじゃねーかよ」
先日、三日以内に来いよ~と言ってた東陽台の連中から……一人の男から連絡があった。“一日伸ばす事になりますが、東陽台を纏めて実行犯に詫びを入れさせた上で常磐の傘下に下りたい”と。その一日伸びたのが今日なので……流石に頭の私が行かない訳にはいかないのだ。
『新しい頭の誕生よ?しかも傘下に下りたい、なんて。私行かない訳にいかねーじゃん~ね~喧嘩しに行くわけじゃないの~お願い』
「ぐぬぬ……」
「……本当に喧嘩はしないんスね?」
『今回はね。頭って立場上これから喧嘩しねーとは言えないけど、今日はしないよ』
「…………将五さん」
「はぁ……少しでも危なそうなら割って入るぞ、良いか?」
『まぁ必要は無いだろうけど、大丈夫だよ』
それじゃあ行きましょう。場所は天狗の森……定番ですね。駐車場に二人の単車を置いて、私は山田とタケと合流。流石にお前等は武装だから遠くから見てなさいねと言えばほんの少し騙したな……みたいな目で見られたけどそれはそれ。
「東陽台、学校纏めるって言ってたけどどうなのかな」
「名前っち電話したんしょ?イイ感じ?クズはクズ?」
『東陽台全てが全てクズな訳無いでしょうが。ま、これから会うだろうけど……話した感じ、イイと思うけどね』
ニッと笑う名前に二人はやれやれ、と苦笑する。お前がそう言うなら、そうなんだろとしか言えなくなっちまう。
三人が天狗の森に着くと、数人の男共が跪いていた。常磐襲撃に携わった連中……そして、あの日名前が吹っ飛ばした頭だった男。そして、その連中の後ろに傷だらけで二人、立つ男が居た。一人がこちらに気付くと、もう一人に任せてこちらに近付き、頭を下げる。
「東陽台の……新しく番張らせてもらいます、二年の深山と申します」
『知ってると思うけど、常磐の苗字だよ。番を張る、つって馬鹿共連れてきたのは良いけど。君、大丈夫?入れ替わるのに大変だったろ。何人でやった?』
「自分と、後ろのだけです」
『ほわ~、根性入ってること。……傘下に、とは言ったけど。うち、連合とか組む気はサラサラないよ?今回も、私等が求めてるのは詫び入れた上での停戦、及び不可侵』
「理解してるつもりです。東陽台は常磐に手を出しません。……それはそれとして、自分が傘下に入れて欲しいと思ったから、こうして頭を下げてます」
さて、どうしたものか。名前は眉間に皺を寄せちまった。傘下に下る……単純に手数が増える、のは良いのかも知れないけれど、それは平和を手に入れようと、自分達の平穏を取り戻そうとする名前からしたら邪魔なものだ。
だけど、名前はこの深山と言う男が本気なのが解る。何にかは知らないけど……龍信さんに惚れて武装に入った奴等だとか……春道くんに惹かれて自分から着いて行こうとした人間の目と、同じだから。
「名前」
『……』
「頭張るって、こーいう事なんだと思うぜ」
「仕方ないちや~、普通の男なら着いて行きたくなるもんよ~」
『は?お前等肯定派?キレそう。はぁ~……おい深山くんさ、解ってる?お前が言ってるの、女が番張る学校の、兵隊になるって事なんだよ』
「承知の上です」
『後ろの君は?』
「頭が決めた事に着いていきま~す!!ちなみに俺は阿賀島さんの大ファンで~す!!!」
「マ!!?」
「俺ちんかぁ~……」
ここまで来たら腹括るしかねーか、と深山に向き直る。こういうのは、二人に聞く事じゃない。決めたら、全力で助けてくれるだろうから。
『ソイツ等、どうする気?』
「少なくとも、自分の治める東陽台にゃ要らないと思ってます」
『そ。よー、お前等。まだ頭が高くない?』
「へーい地面に頭擦り付けろコラ」
「はい、じゃ君等……ちょっとやり過ぎたからね!落とし前も、多めに付けようねえ!」
嬉々として山田とタケが跪いている奴等に向かっていく。先程阿賀島ファン!と叫んでた奴もめちゃくちゃ蹴ってるけど、名前は深山と二人して並んで座っていた。
『良くまぁ、傘下に下るなんて思ったね』
「東陽台はどっちにしろこのままだとただのクズに成り下がって……どっかの高校に飲み込まれる。それなら、あんだけカッコよく戦ったアンタの下に付きたかっただけだ」
『へあ~、東陽台にもこんな奴居たのね』
「これは連合って事になるのか?」
『そうなるのかな。うわ~、大変だぞ?私、基本的に喧嘩とかしようと思ってねーしさ!東陽台、馬鹿も多いだろ。連合になるからにゃ、小競り合いは別として……そういうの、無しだけど?』
「構わねー、それは俺がどうにかする事だ。と、いうか」
『ん?』
「言ったろ、もう番張るのに……二人で全部のしたんだよ」
『なるほど!ハハ、そりゃ逆らえねーわな!』
名前がニッと笑って煙草を咥える。は?ライター無いやが。タケにかーして、と言おうとすると、深山がジュ、とジッポを付ける。マジ?本気?は~……これだから男って奴は。そう思いながら名前は同じ火で煙草に火を灯した。……常磐連合の、始まりだった。
ちなみに終わってかーえろ!とした時に見てた将五がめちゃくちゃしょげてて、春が微妙な顔して居た。タケが珍しく将五に突っかからないで笑ってたのだけが、印象的だった。