そのじゅうご
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『痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!痛いってば!!!!』
「痛くしてんだよ」
『怪我した女にも優しく出来ないんか!?アンタ優しさどこに置いてきたの!!?母ちゃんの腹ん中!?小学校の時に白雪姫の劇で小人役やってたとは思えませんねえ!!!!』
「なんで知ってやがんだテメー誰だ言った奴」
『光政マッマがアルバム見してくれた』
「光義、ちょっと話がある」
「名前、うちの一家と仲良いから……」
「クソが!!!」
月本家なう。あの後まだ頭に血が上っていた名前は暴れたが、結構な割合でガチギレしていた真島に怪我のとこを叩かれながら比較的近かった月本家に運ばれた。あらあらおかえり、真島くんも。あら名前!アンタそんな傷だらけで!光義アンタ何したの!俺じゃねーわ。光希と光穂にヒラヒラ手を振ってそのまま光義さんの部屋に連行され、治療されている。
『てかお茶目な光義くん部屋きっっったねえね、花ん所の迫田レベルに汚いよ』
「まだ引きずるんかそれ、放っとけや」
「んで?なんであんな大人数と喧嘩を?」
『それはうちの学校の問題なんでね、言えません』
「……どういう意味だ?」
『いや~私もね!鳳仙は好きだしこ~いう言い方したくねえんだけど。曲がりなりにも助けて貰ったし?……部外者が首突っ込んでんじゃねーよ』
部屋の温度がぐんと下がった気がする。いや仕方なくない?恩はある。だからと言って、他の学校に言うことでもない。
『もしあれが私個人を狙ってんなら痛かったよおなんてビャンビャン泣いてやるけどな、これは学校間の戦争なんでね。や、一応言うけどうちの学校は鳳仙と敵対とかしないよ?勘違いしないでね』
「待て、お前。うちの学校うちの学校って、何の話なんだ」
前に真島が名前と会った時、大勢の男共を引き連れていたのは知っている。指示しているようにも、見えた。嫌な考えが頭に浮かぶ。
『……はは、ご想像に任せます。ま、言えるのは……私の相棒二人が潰されたって事と、私が狙われてるって事かな』
「他に動ける奴は」
『居るさ、残念ながらね。あ、ごめん電話だわ』
ぴ、と通話ボタンを押すとAだった。先にLINEして調べさせたのが出来上がったらしい。
『あんがとA、じゃ、頭の所には私が行くから、グループ五つで別れさせといてくれる?……うん、そうね。いやごめんね!本来お前頼っちゃいけないんだけど……解ってるごめんごめん、頼りになるよ』
お前また頼らん気か?!目の前でパフェ作って目の前で皆で食うぞ!と平和な脅しを頂いた。すまんて。
さ~てと、と立ち上がる。ちっとフラフラ来たけどセーフ。眼帯してるからちょっと視界が狭いけどいけるいける。
『や!治療あんがとね二人共!私行くわ』
「行かせるとでも?」
『は?押し通るけど』
「……そんな怪我で、俺等が心配しないとでも思ったんか」
『ごめんねみっちょしさん。本当に、鳳仙は大好きだよ、昔から、美藤兄弟の頃からね。でも譲れない。私はな、私と仲の良い奴を馬鹿にされて黙ってられる程お上品じゃねーんだよ』
「名前……」
『終わったら遊びに行くね!月本家にも来る。心配してくれてありがと!』
引き留める手を振り払って、母ちゃんにごめん!また遊びに来るわ!と言って外に出た。ぶわ!と顔に煙を吹きかけられる。げほ、と噎せるとクッと押し殺すような笑いが聞こえた。
「よー」
『……光政』
「ひでー怪我。なに、お前。そんな顔になるまで殴られたのかよ」
『うるさ。これから殴り返しに行くとこですけど?』
「はは、だろうな。終わったら飯でも行こうか」
『いいね~また久しぶりにラーメンでも食いに行く?』
「しばらく行ってなかったからな。な、名前」
なに、と言うと光政の顔が耳元に寄る。ボソッと光政が何かを呟いて、名前の顔がストン、と落としたように表情を無くした。
「じゃあな名前、待ってるよ」
『……あぁ、はい。行ってきますわ』
とてつもなく凶悪な顔で舌を打って名前はその場を後にした。光政は煙草を吸いながら、フッと笑っただけだった。
男達は、東陽台の頭は追い詰められていた。今まで攻めていた方にも関わらず、雑魚しかいない……女なんかが頭を張る高校に、追い詰められている。
『よぉ、こんばんは』
「苗字!」
『逃げんじゃねー!!』
トンネルで前も後ろも常磐生に塞がれてどうしようもねーってのにまだ逃げようとするので名前が叫ぶ。その眼は未だにギラギラと輝いていた。
『いいか!お前等がやった阿賀島って男はな!一度やられようが二度やられようが、最後には笑ってる男だ!むしろやられた分やり返す時のダメージは馬鹿みてえに増えるぞ!』
「ぐ、」
『あとな!黒澤って男はその気狂いヤローよりも数倍やべーぞ!あんな大人しい顔してプライドがハチャメチャに高ぇからな!!!私が止めなきゃテメーはミンチだよ!大体なに!!?お前!不良なら不良だけに喧嘩売れ!一般生徒にまで手出しやがって!物の分別も付かねえガキじゃねーだろうが!!』
徐々に前から後ろから常磐生が迫る。その圧に怯え、でも白堂も三生高も、落とし前さえ付ければ許されると言っていた。自分達を真剣な顔で追いかけてきた奴等がさっさと落とし前付けちまえと、鼻で笑っては居たがもうどうしようもない。そう、苗字に向き合った時だった。
『もう落とし前は要らねえよ』
「は」
『テメェの軽い頭なんざ要らねえっつってんだよ』
「……うちの頭は、東陽台を敵とみなした。これから俺達常磐、協定中の白堂、三生高はずっとお前等東陽台を付け狙う」
覚悟しておくんだな。林田がそう言うと、う、だのあ、だのと意味の無い言葉を吐いて、一拍置いてから叫んで名前に飛びかかった。林田が前に出ようとするのを名前が手で制し、前に出る。そうして飛び上がり、振りかぶる拳を足場にして男の顔面を蹴り飛ばした。林田が「あれが大魔王直伝キックかぁ……」と呆れたように言う。
倒れた男に馬乗りになって一発。
『いいか、三日以内に今回動いた奴全員で天狗の森に来い。学校には来るな邪魔くせぇから。来なきゃ解ってるな』
「……」
『解ったな!!!』
「わ、解った……勘弁……してくれ」
『まだ立場が解ってねえの?仕方ねえな』
「ゴッ、あが、か、べん、してくださ、」
『おーよ、じゃあな』
カンッと頭を一回蹴って、踵を返す。林田はお疲れ様、と言いながら飲み物を渡した。
「随分優しすぎるんじゃないか?謝罪はいらねーって言ってたのに」
『いやあそこまで追い詰めたら、逃げ道も無きゃ暴走して誰か刺されても嫌だし。てかマジで敵対したら山田とタケちゃんアイツ等ガチで殺しかねねーし?』
「そうかい、ま、お前が言うなら良いよ。あ、あとか」
『なん?』
「俺達は、皆お前を認めてるよ。だからお前を指名したんだしね。……でも、一人で突っ走るな。意味は解るな?」
バチン!と先程殴られた頭を指で弾いた。名前も痛みに呻いて思わず『おわわ……』としゃがんじまった。
「あ、それと」
『うごごご……まだあんの?』
「さっき病院に残ってる奴等から連絡来てな、山田とタケが起きてお前が突っ走ったの聞いてめちゃくちゃキレてるらしいから、覚悟しときな」
「ひえ……」
この後めちゃくちゃ怒られた。「なんで俺達を叩き起さなかったアイツ等絶対殺してやる」って。なんか違くありません?
『痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!痛いってば!!!!』
「痛くしてんだよ」
『怪我した女にも優しく出来ないんか!?アンタ優しさどこに置いてきたの!!?母ちゃんの腹ん中!?小学校の時に白雪姫の劇で小人役やってたとは思えませんねえ!!!!』
「なんで知ってやがんだテメー誰だ言った奴」
『光政マッマがアルバム見してくれた』
「光義、ちょっと話がある」
「名前、うちの一家と仲良いから……」
「クソが!!!」
月本家なう。あの後まだ頭に血が上っていた名前は暴れたが、結構な割合でガチギレしていた真島に怪我のとこを叩かれながら比較的近かった月本家に運ばれた。あらあらおかえり、真島くんも。あら名前!アンタそんな傷だらけで!光義アンタ何したの!俺じゃねーわ。光希と光穂にヒラヒラ手を振ってそのまま光義さんの部屋に連行され、治療されている。
『てかお茶目な光義くん部屋きっっったねえね、花ん所の迫田レベルに汚いよ』
「まだ引きずるんかそれ、放っとけや」
「んで?なんであんな大人数と喧嘩を?」
『それはうちの学校の問題なんでね、言えません』
「……どういう意味だ?」
『いや~私もね!鳳仙は好きだしこ~いう言い方したくねえんだけど。曲がりなりにも助けて貰ったし?……部外者が首突っ込んでんじゃねーよ』
部屋の温度がぐんと下がった気がする。いや仕方なくない?恩はある。だからと言って、他の学校に言うことでもない。
『もしあれが私個人を狙ってんなら痛かったよおなんてビャンビャン泣いてやるけどな、これは学校間の戦争なんでね。や、一応言うけどうちの学校は鳳仙と敵対とかしないよ?勘違いしないでね』
「待て、お前。うちの学校うちの学校って、何の話なんだ」
前に真島が名前と会った時、大勢の男共を引き連れていたのは知っている。指示しているようにも、見えた。嫌な考えが頭に浮かぶ。
『……はは、ご想像に任せます。ま、言えるのは……私の相棒二人が潰されたって事と、私が狙われてるって事かな』
「他に動ける奴は」
『居るさ、残念ながらね。あ、ごめん電話だわ』
ぴ、と通話ボタンを押すとAだった。先にLINEして調べさせたのが出来上がったらしい。
『あんがとA、じゃ、頭の所には私が行くから、グループ五つで別れさせといてくれる?……うん、そうね。いやごめんね!本来お前頼っちゃいけないんだけど……解ってるごめんごめん、頼りになるよ』
お前また頼らん気か?!目の前でパフェ作って目の前で皆で食うぞ!と平和な脅しを頂いた。すまんて。
さ~てと、と立ち上がる。ちっとフラフラ来たけどセーフ。眼帯してるからちょっと視界が狭いけどいけるいける。
『や!治療あんがとね二人共!私行くわ』
「行かせるとでも?」
『は?押し通るけど』
「……そんな怪我で、俺等が心配しないとでも思ったんか」
『ごめんねみっちょしさん。本当に、鳳仙は大好きだよ、昔から、美藤兄弟の頃からね。でも譲れない。私はな、私と仲の良い奴を馬鹿にされて黙ってられる程お上品じゃねーんだよ』
「名前……」
『終わったら遊びに行くね!月本家にも来る。心配してくれてありがと!』
引き留める手を振り払って、母ちゃんにごめん!また遊びに来るわ!と言って外に出た。ぶわ!と顔に煙を吹きかけられる。げほ、と噎せるとクッと押し殺すような笑いが聞こえた。
「よー」
『……光政』
「ひでー怪我。なに、お前。そんな顔になるまで殴られたのかよ」
『うるさ。これから殴り返しに行くとこですけど?』
「はは、だろうな。終わったら飯でも行こうか」
『いいね~また久しぶりにラーメンでも食いに行く?』
「しばらく行ってなかったからな。な、名前」
なに、と言うと光政の顔が耳元に寄る。ボソッと光政が何かを呟いて、名前の顔がストン、と落としたように表情を無くした。
「じゃあな名前、待ってるよ」
『……あぁ、はい。行ってきますわ』
とてつもなく凶悪な顔で舌を打って名前はその場を後にした。光政は煙草を吸いながら、フッと笑っただけだった。
男達は、東陽台の頭は追い詰められていた。今まで攻めていた方にも関わらず、雑魚しかいない……女なんかが頭を張る高校に、追い詰められている。
『よぉ、こんばんは』
「苗字!」
『逃げんじゃねー!!』
トンネルで前も後ろも常磐生に塞がれてどうしようもねーってのにまだ逃げようとするので名前が叫ぶ。その眼は未だにギラギラと輝いていた。
『いいか!お前等がやった阿賀島って男はな!一度やられようが二度やられようが、最後には笑ってる男だ!むしろやられた分やり返す時のダメージは馬鹿みてえに増えるぞ!』
「ぐ、」
『あとな!黒澤って男はその気狂いヤローよりも数倍やべーぞ!あんな大人しい顔してプライドがハチャメチャに高ぇからな!!!私が止めなきゃテメーはミンチだよ!大体なに!!?お前!不良なら不良だけに喧嘩売れ!一般生徒にまで手出しやがって!物の分別も付かねえガキじゃねーだろうが!!』
徐々に前から後ろから常磐生が迫る。その圧に怯え、でも白堂も三生高も、落とし前さえ付ければ許されると言っていた。自分達を真剣な顔で追いかけてきた奴等がさっさと落とし前付けちまえと、鼻で笑っては居たがもうどうしようもない。そう、苗字に向き合った時だった。
『もう落とし前は要らねえよ』
「は」
『テメェの軽い頭なんざ要らねえっつってんだよ』
「……うちの頭は、東陽台を敵とみなした。これから俺達常磐、協定中の白堂、三生高はずっとお前等東陽台を付け狙う」
覚悟しておくんだな。林田がそう言うと、う、だのあ、だのと意味の無い言葉を吐いて、一拍置いてから叫んで名前に飛びかかった。林田が前に出ようとするのを名前が手で制し、前に出る。そうして飛び上がり、振りかぶる拳を足場にして男の顔面を蹴り飛ばした。林田が「あれが大魔王直伝キックかぁ……」と呆れたように言う。
倒れた男に馬乗りになって一発。
『いいか、三日以内に今回動いた奴全員で天狗の森に来い。学校には来るな邪魔くせぇから。来なきゃ解ってるな』
「……」
『解ったな!!!』
「わ、解った……勘弁……してくれ」
『まだ立場が解ってねえの?仕方ねえな』
「ゴッ、あが、か、べん、してくださ、」
『おーよ、じゃあな』
カンッと頭を一回蹴って、踵を返す。林田はお疲れ様、と言いながら飲み物を渡した。
「随分優しすぎるんじゃないか?謝罪はいらねーって言ってたのに」
『いやあそこまで追い詰めたら、逃げ道も無きゃ暴走して誰か刺されても嫌だし。てかマジで敵対したら山田とタケちゃんアイツ等ガチで殺しかねねーし?』
「そうかい、ま、お前が言うなら良いよ。あ、あとか」
『なん?』
「俺達は、皆お前を認めてるよ。だからお前を指名したんだしね。……でも、一人で突っ走るな。意味は解るな?」
バチン!と先程殴られた頭を指で弾いた。名前も痛みに呻いて思わず『おわわ……』としゃがんじまった。
「あ、それと」
『うごごご……まだあんの?』
「さっき病院に残ってる奴等から連絡来てな、山田とタケが起きてお前が突っ走ったの聞いてめちゃくちゃキレてるらしいから、覚悟しときな」
「ひえ……」
この後めちゃくちゃ怒られた。「なんで俺達を叩き起さなかったアイツ等絶対殺してやる」って。なんか違くありません?