そのじゅうご
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『いやはや、まぁ。三生高の皆さんはいつもお元気そうでなによりですな』
紫煙を撒き散らす名前の後ろには何人もの男が倒れ伏している。立っているのは山田とタケのみで、どちらも返り血を浴びていた。殺人現場みたくするのやめて貰えます?タケ、もう蹴るの辞めなさい。
目の前には尻もちをつき、カチカチ歯を打ちながら震える男。……三生高の頭である。例の事件でこの学校の奴も加害者側だから、私だって地味に殺してえと思っていたけれど、辞めた人間だから関係ないとか抜かされて乗り込んできたのである。あの鈴蘭でさえも……というか、花ちゃんだけど、辞めた人間とはいえ俺の下の奴だったから、って自発的に頭下げてきたってのに。
「な、お、俺が何したって、」
『しらばっくれる気?うちの生徒、怪我人は一人くらいとは言え怖がっててさ。ま、それも例の事件と一緒に落とし前付けてもらおうと思ってたけど……』
後ろの人達が山田とタケに血塗れにされたのは完全に自業自得。話し合いに来た私達を出迎え、目の前のトップが余裕綽々な顔でやれ!!とか言ってきたから。山田はガチギレだしタケはめっちゃ笑うし散々である。
『今のは身の程知らずにも襲いかかってきた罰だとも。どうする?お前が落とし前付けるなら、常磐は一切そっちに手を出さないよ。そっちが手出してくるまで、ね』
「う~ん三生高もオールオッケーかぁ。問題は東陽台じゃない?」
『そうね、まぁ考えはあるよ。てか、東陽台に落とし前入れてもらうのは、ちょっともう遅いんでない?』
「何人やられたっけ~?瑞希ちゃだけじゃなく、名前っち寝てる間に結構やられてっし」
『まぁ、新しい頭が私って事も関係してる』
名前はふふ~と笑って煙草に火を点けた。最近増えたなと思いながら、自分を嗤うように。
『私も男に生まれてりゃやりやすかったかもだけど……言っても仕方ないからね。もう遣いは出してるから、明日東陽台行こね』
「おっけ~」
「らじゃ~!!」
そんな事言いながら三人は別れた。名前を送った後、二人も今日は帰んべ~せやな~なんて平和に言いながら。
んでも悲しい事に、東陽台に遣いに出した数人は病院へ。夕方連絡が来て急いで向かうと、すんません、と病床で悔しげに言われた。それを聞いて名前は無表情を貫く。
明日話し合いにこちらから出向く、と頭に接触すると、その帰りに大勢に囲まれたのだと。
考えが……やり方が甘すぎたかなぁと名前が独り言ちる。もう既に私の番犬と呼ばれる山田と、加地屋の気狂いであるタケが有名だからここまで馬鹿な事はしないと踏んでいたし、周りが停戦協定結んだからあそこだけ結ばないなら何されてもおかしくない、とちゃんと考えると思ったのだけど。残念ながらそこまでの頭はなかったらしい。
『皆、動かないで。常磐はこれ以上誰の血も流すな』
「でも苗字」
『三生高にも白堂にも東陽台は反抗したって伝えたから、勝手に潰してくれる。ま、ご機嫌取りだね。だから、動くな』
「……黒澤と阿賀島は?」
『家に帰ってるから、私から言っとく』
だが残念な事に、電話した時には山田が潰されていた。タケと別れてすぐだったらしい、意識がなく病院の人が電話に出てくれた。お前同じ病院やんけ。一気にやべーなとなると、同じ病室にタケも運ばれている事が解った。
キレ気味に病室へ行くと、山田だけ微妙に意識が戻っていた。でも相当キツいのか、「とうよう、かこまれた、ひとりは、だめだ、」と呟いて寝ちまった。
山田もタケも、対大勢に慣れているのでここまでなのはヤバいな、と名前は怒りを押し込めながら思う。タケなんてタイマンより大勢と戦う方が得意まである。……武器?そうだろうな。いや、考えろ。考えろ、この二人が倒れて、次は確実に私。私が潰れたら、停戦したものが無駄になる。
『瑞希ヘンパイ、全員、一人になるなって伝えてくれる』
「あぁ。お前は?」
『いや今日ちょっと用事あってさ、帰って来いって言われてんの。大丈夫秒で家だから。じゃね』
「苗字!」
病室から出ようとする名前を林田が止める。なに?と振り返ると、「無茶、すんじゃねーぞ」と神妙な顔で言われた。
『あたりまえ体操~!いのちだいじに。大事だよね』
天地軍団狩りに勤しむ鳳仙軍団がその公園を通りがかったのは偶然であった。光義と真島を中心とした団体は公園から怒鳴り声が聞こえて思わずそちらを見遣る。
「いい加減死ねや!!!!」
ガンッ!と音が鳴って、殴られた方の人間が地に伏せた。暗がりで誰か解らない。どうやら、大勢に囲まれてやられたようだった。だが、立ち上がる。ジ、ジと音がしてスポットライトかのように電灯がその姿を照らす。
「まだやるのかよ」
「それ以上顔に傷付けたら男が逃げるぜ?黒澤も阿賀島も、あぁ、武装とかよ。沢山居るもんな」
頭から血を流す名前だった。目が腫れ上がった名前だった。それでも、目が死んでいない、あの女だった。
「な、に、やってんだテメー等!!!」
光義が思わず走り出す。そちらに気を取られた男を、名前が殴り倒した。鬼気迫るその雰囲気に光義は一瞬足を止め、男共は鳳仙だ!と脱兎のごとく逃げちまった。待ちやがれなんて声を荒らげる名前を光義は止める。暴れ出す名前をものともせずに抑えつけて座らせる。妹でもこんな暴れたこと無かった。
『止めんじゃねー!!!離しやがれ!!!!』
「名前!!いい加減にしろ、死んじまうぞ」
『うちのモンが何人やられたと思ってやがる!!!何度侮辱されたと思ってる!!!!』
皆殺しだ!!!と声を張り上げた所で、ツカツカ歩いてきた真島が名前の顔を鷲掴んだ。は?と思わず怒りを引っ込めて名前が、なにて?みたいな顔で光義が真島を見る。瞬間二人から……というか光義から「ひえっ」という情けない声が出た。顔掴まれてなきゃ名前も出してた。逆光も相まって真島の顔がめちゃくちゃ怖い。
実は真島、名前に奇襲を救われた時以来会ってない。なんとか立ち直った事は聞いていたけれど、あんな別れ方しただけにいつ会いに来てくれるか待っていたのだ。どうせ来るだろと思って。
そしたらなに?鈴蘭の原田とデート?は?鳳仙は?あんな別れ方しといて鳳仙来ないんか?鳳仙はお前の出迎えはいつでもOKなんだが。
実際名前は鳳仙まだ忙しいやろな……と思って行ってないだけなのだけど、真島はそんなもん知ったこっちゃない。本気で忙しいならまず学校に居ない。
「よくも連絡もなしにお前」
『んぐぐぐ』
「真島、真島、名前が死ぬ、窒息する」
「しちまえコノヤロー」
「真島さん!!!」
「マーシー落ち着け落ち着け」
『んごがが』
「久しぶりに見たら随分元気じゃねーかこんな傷まで作りやがって。お?なんか言い分あるんか」
『もがごが』
「真島、言えんから手離さんと」
「離したら逃げるだろ」
「目がガチ」
『いやはや、まぁ。三生高の皆さんはいつもお元気そうでなによりですな』
紫煙を撒き散らす名前の後ろには何人もの男が倒れ伏している。立っているのは山田とタケのみで、どちらも返り血を浴びていた。殺人現場みたくするのやめて貰えます?タケ、もう蹴るの辞めなさい。
目の前には尻もちをつき、カチカチ歯を打ちながら震える男。……三生高の頭である。例の事件でこの学校の奴も加害者側だから、私だって地味に殺してえと思っていたけれど、辞めた人間だから関係ないとか抜かされて乗り込んできたのである。あの鈴蘭でさえも……というか、花ちゃんだけど、辞めた人間とはいえ俺の下の奴だったから、って自発的に頭下げてきたってのに。
「な、お、俺が何したって、」
『しらばっくれる気?うちの生徒、怪我人は一人くらいとは言え怖がっててさ。ま、それも例の事件と一緒に落とし前付けてもらおうと思ってたけど……』
後ろの人達が山田とタケに血塗れにされたのは完全に自業自得。話し合いに来た私達を出迎え、目の前のトップが余裕綽々な顔でやれ!!とか言ってきたから。山田はガチギレだしタケはめっちゃ笑うし散々である。
『今のは身の程知らずにも襲いかかってきた罰だとも。どうする?お前が落とし前付けるなら、常磐は一切そっちに手を出さないよ。そっちが手出してくるまで、ね』
「う~ん三生高もオールオッケーかぁ。問題は東陽台じゃない?」
『そうね、まぁ考えはあるよ。てか、東陽台に落とし前入れてもらうのは、ちょっともう遅いんでない?』
「何人やられたっけ~?瑞希ちゃだけじゃなく、名前っち寝てる間に結構やられてっし」
『まぁ、新しい頭が私って事も関係してる』
名前はふふ~と笑って煙草に火を点けた。最近増えたなと思いながら、自分を嗤うように。
『私も男に生まれてりゃやりやすかったかもだけど……言っても仕方ないからね。もう遣いは出してるから、明日東陽台行こね』
「おっけ~」
「らじゃ~!!」
そんな事言いながら三人は別れた。名前を送った後、二人も今日は帰んべ~せやな~なんて平和に言いながら。
んでも悲しい事に、東陽台に遣いに出した数人は病院へ。夕方連絡が来て急いで向かうと、すんません、と病床で悔しげに言われた。それを聞いて名前は無表情を貫く。
明日話し合いにこちらから出向く、と頭に接触すると、その帰りに大勢に囲まれたのだと。
考えが……やり方が甘すぎたかなぁと名前が独り言ちる。もう既に私の番犬と呼ばれる山田と、加地屋の気狂いであるタケが有名だからここまで馬鹿な事はしないと踏んでいたし、周りが停戦協定結んだからあそこだけ結ばないなら何されてもおかしくない、とちゃんと考えると思ったのだけど。残念ながらそこまでの頭はなかったらしい。
『皆、動かないで。常磐はこれ以上誰の血も流すな』
「でも苗字」
『三生高にも白堂にも東陽台は反抗したって伝えたから、勝手に潰してくれる。ま、ご機嫌取りだね。だから、動くな』
「……黒澤と阿賀島は?」
『家に帰ってるから、私から言っとく』
だが残念な事に、電話した時には山田が潰されていた。タケと別れてすぐだったらしい、意識がなく病院の人が電話に出てくれた。お前同じ病院やんけ。一気にやべーなとなると、同じ病室にタケも運ばれている事が解った。
キレ気味に病室へ行くと、山田だけ微妙に意識が戻っていた。でも相当キツいのか、「とうよう、かこまれた、ひとりは、だめだ、」と呟いて寝ちまった。
山田もタケも、対大勢に慣れているのでここまでなのはヤバいな、と名前は怒りを押し込めながら思う。タケなんてタイマンより大勢と戦う方が得意まである。……武器?そうだろうな。いや、考えろ。考えろ、この二人が倒れて、次は確実に私。私が潰れたら、停戦したものが無駄になる。
『瑞希ヘンパイ、全員、一人になるなって伝えてくれる』
「あぁ。お前は?」
『いや今日ちょっと用事あってさ、帰って来いって言われてんの。大丈夫秒で家だから。じゃね』
「苗字!」
病室から出ようとする名前を林田が止める。なに?と振り返ると、「無茶、すんじゃねーぞ」と神妙な顔で言われた。
『あたりまえ体操~!いのちだいじに。大事だよね』
天地軍団狩りに勤しむ鳳仙軍団がその公園を通りがかったのは偶然であった。光義と真島を中心とした団体は公園から怒鳴り声が聞こえて思わずそちらを見遣る。
「いい加減死ねや!!!!」
ガンッ!と音が鳴って、殴られた方の人間が地に伏せた。暗がりで誰か解らない。どうやら、大勢に囲まれてやられたようだった。だが、立ち上がる。ジ、ジと音がしてスポットライトかのように電灯がその姿を照らす。
「まだやるのかよ」
「それ以上顔に傷付けたら男が逃げるぜ?黒澤も阿賀島も、あぁ、武装とかよ。沢山居るもんな」
頭から血を流す名前だった。目が腫れ上がった名前だった。それでも、目が死んでいない、あの女だった。
「な、に、やってんだテメー等!!!」
光義が思わず走り出す。そちらに気を取られた男を、名前が殴り倒した。鬼気迫るその雰囲気に光義は一瞬足を止め、男共は鳳仙だ!と脱兎のごとく逃げちまった。待ちやがれなんて声を荒らげる名前を光義は止める。暴れ出す名前をものともせずに抑えつけて座らせる。妹でもこんな暴れたこと無かった。
『止めんじゃねー!!!離しやがれ!!!!』
「名前!!いい加減にしろ、死んじまうぞ」
『うちのモンが何人やられたと思ってやがる!!!何度侮辱されたと思ってる!!!!』
皆殺しだ!!!と声を張り上げた所で、ツカツカ歩いてきた真島が名前の顔を鷲掴んだ。は?と思わず怒りを引っ込めて名前が、なにて?みたいな顔で光義が真島を見る。瞬間二人から……というか光義から「ひえっ」という情けない声が出た。顔掴まれてなきゃ名前も出してた。逆光も相まって真島の顔がめちゃくちゃ怖い。
実は真島、名前に奇襲を救われた時以来会ってない。なんとか立ち直った事は聞いていたけれど、あんな別れ方しただけにいつ会いに来てくれるか待っていたのだ。どうせ来るだろと思って。
そしたらなに?鈴蘭の原田とデート?は?鳳仙は?あんな別れ方しといて鳳仙来ないんか?鳳仙はお前の出迎えはいつでもOKなんだが。
実際名前は鳳仙まだ忙しいやろな……と思って行ってないだけなのだけど、真島はそんなもん知ったこっちゃない。本気で忙しいならまず学校に居ない。
「よくも連絡もなしにお前」
『んぐぐぐ』
「真島、真島、名前が死ぬ、窒息する」
「しちまえコノヤロー」
「真島さん!!!」
「マーシー落ち着け落ち着け」
『んごがが』
「久しぶりに見たら随分元気じゃねーかこんな傷まで作りやがって。お?なんか言い分あるんか」
『もがごが』
「真島、言えんから手離さんと」
「離したら逃げるだろ」
「目がガチ」