そのじゅうよん
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『兄ちゃん』
名前は鉄生の墓の前に立っていた。前回来た時よりは、表情が戻っている。煙草を置いて、お菓子を置いて、……あの日やる筈だった花火を置いた。
『私がそっち行ったら、今度こそやろうね。二人じゃ寂しいから、皆がそっち行ったら行く事にしたよ』
あの家出~自殺の旅~の後、家には色んな人が来た。山田とタケは下の階でずっと寝てて、起きてから抱きついてきてめちゃくちゃ泣かれた。隣で泣いてた将五はタケに絞め落とされた。
好誠さんや柳ママ、鮫パパにゲン兄、清ピーに将太さん。兄ちゃん達来れなかったの……と光希と光穂、本当に色んな人が来た。
龍信さんには電話でめちゃくちゃ泣かれたし、竜也ママンは言葉数がすげー少なくて、今まで電話を一切取らなかった事をテルちゃんにどちゃクソ冷静に私が泣くまで怒られた。後ろでパルコのおっさんとキーちゃんが宥めていたけれど、皆涙声だった。
あんなに周りに生きてて良かったと、死なないでくれてありがとうと頼むから長生きしてくれと怒鳴られて、容易にはそっちに行けなくなってしまいました。
『ま、多分行ったら行ったで鉄生さんも怒ってただろうけど』
鈴蘭の人は、やっぱりちょっと怖くて電話越しになったけど、一人。花ちゃんが家に尋ねて来てくれた。タケは初対面だったし鈴蘭かぁ……となっていたけど、山田が「花なら大丈夫かも」と言って、家に上がらせた。不思議と花ちゃんなら本当に怖くなくて、でも何を話したらいいか解らないで居たら、ニカ!と笑って、「良い奴等だな」、と。「一緒に乗り越えていこう、悲しみは深いけど、死んだ人の分まで背負って生きるんだ」、と。
花ちゃんは小さい頃に父ちゃんと母ちゃんと可愛がってた犬が土砂崩れで死んだのだという。花ちゃんは奇跡的に助かったのだと。
『アイツ、兄ちゃんの話したら泣いてたよ。本当に、花ちゃんは良い奴だよね』
名前が鉄生の思い出を話すと、花はめちゃくちゃ泣いてしまった。そうだな、花はこういう奴だよな、と思っていたら見守ってたタケまでえ゛ん゛って泣き出して花と抱き合って泣いちまった。思わず笑ってしまって、今度は山田が泣いた。名前の笑顔は久しぶりだったから。遠くで見守ってた十三と将五は崩れ落ちていた。
『兄ちゃん、私頑張るよ。まだ敵は多いし、まだ背中に負うものがある。だけど、自由にやってみる。春道兄ちゃんみたいに、自由に。だから……待っててね』
そう言って立ち上がった名前の顔はどこか晴れやかだった。
さて、名前はやる事がクソ程残っている。今の今まで正気ではなく、楠木のクソアマを殺す事に全力を注いでいたけれど、あの場には三生高も、白堂も居たのだ。あと林田の瑞希をやった東陽台にもちょっと落とし前を付けて貰わねばならない。
一回の戦争ではい終わりなんてことは無い、紛いなりにもそっちの世界に足を踏み込んでんだから、そんな軽い行動は出来ない。ま、知らんけど。
『山田、タケちゃん、居るのは解ってるよ』
一人で来るつもりだったけれど、コイツ等いつもハイスペックの癖に今日はめちゃくちゃ解りやすかった。てかお前等いつの間にそんな仲良くなったの?名前びっくりだよ。
『三生高と東陽台、白堂に通達して欲しいから下に回して欲しいんだけど』
「へいへいほ。落とし前?どこ折る?」
「腕折ればいい?」
『物騒2連星辞めてくれる?相手の出方次第かな。ちなみに、私が寝てる間のうちの生徒の被害は?』
「三生高に三回絡まれて、怪我人は一人だけど……」
『けど?』
「俺ちん開発の戦略的撤退バズーカで撃退したらしい~!」
『最高。やっぱり一般生徒に持たすべきだな防犯で』
「東陽台はここぞとばかりに攻めてきてる、白堂はあまり」
『うん、じゃあ立場解らせてやろっか。あれだよね、私達ば襲った奴の落とし前も付けてないし』
「そうね、タケちゃんなんか聞いてなかった?」
「あ~!白堂がね、停戦要請出したって聞いたちゃ!あのあれ、佐伯ちゃが呼び止められて言われたって~!!」
『許してください、じゃなくて?』
「“もう白堂と常磐の戦いは辞めないか”的な感じ~!!佐伯ちゃ、“頭に聞いてみんね!”って言いながら発明班特性アンモニア臭付ペイント弾撃ち込んだって言ってた~」
「神か?」
『んふ、佐伯最高。……友哉、タケ』
「あい」
「おー」
名前は好戦的な目で笑う二人を見てうん、と頷いて、口端を吊り上げた。
『落とし所は、落とし前を付けた上での休戦条約。私等の後にも、一般生徒が入るだろうから、手を出させないようにしよう。全校だよ』
「んへ~、名前ー、難しい事言うよね」
「血の気が多いこの町で本当に出来るんか~?絶対破られそうちゃ」
それはそう。一般生徒には手を出すな、なら解るけど、底辺な不良の争い等絶えないのだから。鈴蘭統一レベルで夢物語である。名前の言う事は聞きたいけれど、思った事は口に出さざるを得ない。
名前は、そんな二人の反応を見てうーん、とちょっと上を向いてから、とんでもなく綺麗なお手本のような笑顔を見せた。
『やるよね?』
「アッハイ全力でやらせて頂きます」
「わ~~~~!!!!名前っちのお願い楽しそ~~~~~!!!!」
一気に背筋に冷や汗が伝った男共は掌クルックルさせて万歳してやりますと言った。名前はそれに満足して歩き出す。未だに冷や汗ダラダラしている二人は顔を見合わせた。
「ねえタケ~~~~俺の相棒急に怖いんですけど~~~~」
「友っち~~~俺ちんの相棒めちゃんこ圧がヤバいちゃ~こわ~~~~~」
「は?俺の相棒やが」
「じゃあ俺ちんの相棒でもあるね!友っちも俺ちんの相棒だもね!!!」
「ンっグゥ」
相棒マウントを取ったらめちゃくちゃ笑顔で俺ちんもだよね!!と言われて山田は撃沈した。もしかして名前ってタケに影響された?なんでたまに似てるの?無闇に怒れなくて可愛くなってしまって泣きそうである。
名前は鉄生の墓の前に立っていた。前回来た時よりは、表情が戻っている。煙草を置いて、お菓子を置いて、……あの日やる筈だった花火を置いた。
『私がそっち行ったら、今度こそやろうね。二人じゃ寂しいから、皆がそっち行ったら行く事にしたよ』
あの家出~自殺の旅~の後、家には色んな人が来た。山田とタケは下の階でずっと寝てて、起きてから抱きついてきてめちゃくちゃ泣かれた。隣で泣いてた将五はタケに絞め落とされた。
好誠さんや柳ママ、鮫パパにゲン兄、清ピーに将太さん。兄ちゃん達来れなかったの……と光希と光穂、本当に色んな人が来た。
龍信さんには電話でめちゃくちゃ泣かれたし、竜也ママンは言葉数がすげー少なくて、今まで電話を一切取らなかった事をテルちゃんにどちゃクソ冷静に私が泣くまで怒られた。後ろでパルコのおっさんとキーちゃんが宥めていたけれど、皆涙声だった。
あんなに周りに生きてて良かったと、死なないでくれてありがとうと頼むから長生きしてくれと怒鳴られて、容易にはそっちに行けなくなってしまいました。
『ま、多分行ったら行ったで鉄生さんも怒ってただろうけど』
鈴蘭の人は、やっぱりちょっと怖くて電話越しになったけど、一人。花ちゃんが家に尋ねて来てくれた。タケは初対面だったし鈴蘭かぁ……となっていたけど、山田が「花なら大丈夫かも」と言って、家に上がらせた。不思議と花ちゃんなら本当に怖くなくて、でも何を話したらいいか解らないで居たら、ニカ!と笑って、「良い奴等だな」、と。「一緒に乗り越えていこう、悲しみは深いけど、死んだ人の分まで背負って生きるんだ」、と。
花ちゃんは小さい頃に父ちゃんと母ちゃんと可愛がってた犬が土砂崩れで死んだのだという。花ちゃんは奇跡的に助かったのだと。
『アイツ、兄ちゃんの話したら泣いてたよ。本当に、花ちゃんは良い奴だよね』
名前が鉄生の思い出を話すと、花はめちゃくちゃ泣いてしまった。そうだな、花はこういう奴だよな、と思っていたら見守ってたタケまでえ゛ん゛って泣き出して花と抱き合って泣いちまった。思わず笑ってしまって、今度は山田が泣いた。名前の笑顔は久しぶりだったから。遠くで見守ってた十三と将五は崩れ落ちていた。
『兄ちゃん、私頑張るよ。まだ敵は多いし、まだ背中に負うものがある。だけど、自由にやってみる。春道兄ちゃんみたいに、自由に。だから……待っててね』
そう言って立ち上がった名前の顔はどこか晴れやかだった。
さて、名前はやる事がクソ程残っている。今の今まで正気ではなく、楠木のクソアマを殺す事に全力を注いでいたけれど、あの場には三生高も、白堂も居たのだ。あと林田の瑞希をやった東陽台にもちょっと落とし前を付けて貰わねばならない。
一回の戦争ではい終わりなんてことは無い、紛いなりにもそっちの世界に足を踏み込んでんだから、そんな軽い行動は出来ない。ま、知らんけど。
『山田、タケちゃん、居るのは解ってるよ』
一人で来るつもりだったけれど、コイツ等いつもハイスペックの癖に今日はめちゃくちゃ解りやすかった。てかお前等いつの間にそんな仲良くなったの?名前びっくりだよ。
『三生高と東陽台、白堂に通達して欲しいから下に回して欲しいんだけど』
「へいへいほ。落とし前?どこ折る?」
「腕折ればいい?」
『物騒2連星辞めてくれる?相手の出方次第かな。ちなみに、私が寝てる間のうちの生徒の被害は?』
「三生高に三回絡まれて、怪我人は一人だけど……」
『けど?』
「俺ちん開発の戦略的撤退バズーカで撃退したらしい~!」
『最高。やっぱり一般生徒に持たすべきだな防犯で』
「東陽台はここぞとばかりに攻めてきてる、白堂はあまり」
『うん、じゃあ立場解らせてやろっか。あれだよね、私達ば襲った奴の落とし前も付けてないし』
「そうね、タケちゃんなんか聞いてなかった?」
「あ~!白堂がね、停戦要請出したって聞いたちゃ!あのあれ、佐伯ちゃが呼び止められて言われたって~!!」
『許してください、じゃなくて?』
「“もう白堂と常磐の戦いは辞めないか”的な感じ~!!佐伯ちゃ、“頭に聞いてみんね!”って言いながら発明班特性アンモニア臭付ペイント弾撃ち込んだって言ってた~」
「神か?」
『んふ、佐伯最高。……友哉、タケ』
「あい」
「おー」
名前は好戦的な目で笑う二人を見てうん、と頷いて、口端を吊り上げた。
『落とし所は、落とし前を付けた上での休戦条約。私等の後にも、一般生徒が入るだろうから、手を出させないようにしよう。全校だよ』
「んへ~、名前ー、難しい事言うよね」
「血の気が多いこの町で本当に出来るんか~?絶対破られそうちゃ」
それはそう。一般生徒には手を出すな、なら解るけど、底辺な不良の争い等絶えないのだから。鈴蘭統一レベルで夢物語である。名前の言う事は聞きたいけれど、思った事は口に出さざるを得ない。
名前は、そんな二人の反応を見てうーん、とちょっと上を向いてから、とんでもなく綺麗なお手本のような笑顔を見せた。
『やるよね?』
「アッハイ全力でやらせて頂きます」
「わ~~~~!!!!名前っちのお願い楽しそ~~~~~!!!!」
一気に背筋に冷や汗が伝った男共は掌クルックルさせて万歳してやりますと言った。名前はそれに満足して歩き出す。未だに冷や汗ダラダラしている二人は顔を見合わせた。
「ねえタケ~~~~俺の相棒急に怖いんですけど~~~~」
「友っち~~~俺ちんの相棒めちゃんこ圧がヤバいちゃ~こわ~~~~~」
「は?俺の相棒やが」
「じゃあ俺ちんの相棒でもあるね!友っちも俺ちんの相棒だもね!!!」
「ンっグゥ」
相棒マウントを取ったらめちゃくちゃ笑顔で俺ちんもだよね!!と言われて山田は撃沈した。もしかして名前ってタケに影響された?なんでたまに似てるの?無闇に怒れなくて可愛くなってしまって泣きそうである。