そのじゅうに
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将五が書き置きを残して消えた。十三はちょっと悲しげに仕方ないな、と六代目の連中にそっとしてやって欲しいと連絡をした。
名前はまだ、無気力のままだった。目まぐるしく状況が変化しても、十三や山田がどれだけ話しかけても、決して言葉は返ってこない。
一度、山田が気分転換にと名前を外に連れ出したが、十希夫とクロサー、九里虎に遭遇した。山田も、十希夫であれば話してくれるかと希望を持って名前を見遣ると、恐ろしいものを見たかのように歪んだ。
不味い、と山田が手を引くと名前が過呼吸でぶっ倒れてしまった。鈴蘭、という括りが再び駄目になってしまったのだ。駆け寄ろうとする十希夫を九里虎が止める。しばらく放っておいちゃれ、と。十希夫は悔しげな顔で、申し訳なさげな山田とぜぇぜぇ言ってる名前を見送った。
スクラップ置き場では、鉄生亡き後、七代目たる男が帰って来るまで武装を守り抜こうと六代目幹部が決意を固めた所であった。
「ドブネズミーーーーーーッ!!!居ねーのかーー?!」
「……あの声、」
清広等が外に出ると、昨日清広に言葉を投げ付けるだけ投げ付けて去っていった見るからにヤベェ男が居た。誰だテメェ、何の用だと言うとあ、お前昨日の奴じゃんとめちゃくちゃダルそうに言われる。
「ンね~ドブネズミは?アイツもしかして引退した?」
「誰だよドブネズミ」
「武田・ドブネズミ・好誠」
「好誠兄貴の事ドブネズミたぁど~言う事だテメーーーッ」
「いや俺ちんさ~昨日帰ってきてさ~まだ忙しンだけど~!友達の家忘れちって!ドブネズミなら解るべと思ってさ~!アイツ番号変わったしょ?!連絡取れねーの!」
この間の悪い時にこの野郎、と思ったが、昨日この男が名前の名を呼んでいた事をおもいだして、
「……お前、もしかして、」
「あれ?!お前昔居たハリネズミじゃん!ウケる!相棒のハゲどした?!」
「……昨日の、話で出てた、死んだ男だよ」
「は?って事は名前っち庇って……は?」
男は少し動揺して、ガシガシと頭を掻いて、「ン、とに武装ってのはろくな奴が居ねェ」と低い声で言った。
「墓の場所は?」
「は?」
「別に、嫌いじゃねし。アイツ。……名前っち庇ってんしょ。礼くらい言わなきゃ俺が嫌」
連れてってウニ野郎~と朗らかに笑うと将太はベシッッと頭を叩いた。清広も、佐橋も、何が何だか解らない顔だった。
次の日、村田家のインターホンが鳴る。十三が出ると、懐かしい顔がそこで笑っていた。
「おはよぉ十三ちゃ!名前っちに会いに来た!」
「おかえり頂いてもよろしいでしょうか?」
「なんでーーーーーーッウケる。事情は聞いたー。えへへ、名前っちは?」
生きてる?と口を開いた瞬間、茶の間から怒鳴り声。名前のものだった。かまわないで、でてってなんて聞こえて、十三の脇をぬるりと男が通り過ぎる。
山田もなんて声をかければいいか測りかねていた、お前のせいじゃないなんて届かない、甘ったれんななんて言えたもんじゃない。俺の言葉は名前に届いちゃくれないと、軽く鬱だった。
「ばぁ!」
急に見るからにイってる顔がドアップで映し出されてうおおと後退った。誰この人。困惑を隠せずにいると男はケラケラ笑って山田の頬っぺたを両手で包んだ。
「介護疲れCみたいな顔してるちや!十三ちゃもね!お疲れ様!一旦座りな!!」
「えっえっえっ誰っ」
「名前っち~!俺ちんが来たよ~!!」
男が名前に手を伸ばすとバシッと叩き落とされる。スーーーッと空気が冷えて、十三がやべ、と山田の腕を引いた。
「おうコラ名前」
『……』
「顔上げろ、俺を見ろ、聞こえてんだろ」
『……』
「聞こえてねェフリしてんじゃねえぞ」
バチンッ!と名前の頬に男の平手が入る。何しやがると山田が怒鳴る前に、静かに十三が口を開く。
「タケ」
「十三ちゃ!!あとそこの!誰!?」
「いやテメーが誰だよ」
「だいじょび!名前っち今トンでるから30分ちょーだい!俺ちん頑張るぞ~!!」
「……タケ、事情、聞いたんだよな?」
「聞いた!」
「誰に?」
「ドブネズミ!!!!」
「誰?」
「好誠…………」
「好誠さんなの!!?大丈夫なんすかコイツ!!?」
「いや~……頼むからあんま責めないでやってくれよ」
「責めないちや!俺ちんが怒ってるのは十三ちゃとそこの子に対する態度!だいじょび!」
「結局お前誰なの!!?」
「俺ちん?!俺ちん阿賀島尊!!」
よろちっち!と高らかに笑う声を聞いて、名前の目に光が戻った気がした
名前はまだ、無気力のままだった。目まぐるしく状況が変化しても、十三や山田がどれだけ話しかけても、決して言葉は返ってこない。
一度、山田が気分転換にと名前を外に連れ出したが、十希夫とクロサー、九里虎に遭遇した。山田も、十希夫であれば話してくれるかと希望を持って名前を見遣ると、恐ろしいものを見たかのように歪んだ。
不味い、と山田が手を引くと名前が過呼吸でぶっ倒れてしまった。鈴蘭、という括りが再び駄目になってしまったのだ。駆け寄ろうとする十希夫を九里虎が止める。しばらく放っておいちゃれ、と。十希夫は悔しげな顔で、申し訳なさげな山田とぜぇぜぇ言ってる名前を見送った。
スクラップ置き場では、鉄生亡き後、七代目たる男が帰って来るまで武装を守り抜こうと六代目幹部が決意を固めた所であった。
「ドブネズミーーーーーーッ!!!居ねーのかーー?!」
「……あの声、」
清広等が外に出ると、昨日清広に言葉を投げ付けるだけ投げ付けて去っていった見るからにヤベェ男が居た。誰だテメェ、何の用だと言うとあ、お前昨日の奴じゃんとめちゃくちゃダルそうに言われる。
「ンね~ドブネズミは?アイツもしかして引退した?」
「誰だよドブネズミ」
「武田・ドブネズミ・好誠」
「好誠兄貴の事ドブネズミたぁど~言う事だテメーーーッ」
「いや俺ちんさ~昨日帰ってきてさ~まだ忙しンだけど~!友達の家忘れちって!ドブネズミなら解るべと思ってさ~!アイツ番号変わったしょ?!連絡取れねーの!」
この間の悪い時にこの野郎、と思ったが、昨日この男が名前の名を呼んでいた事をおもいだして、
「……お前、もしかして、」
「あれ?!お前昔居たハリネズミじゃん!ウケる!相棒のハゲどした?!」
「……昨日の、話で出てた、死んだ男だよ」
「は?って事は名前っち庇って……は?」
男は少し動揺して、ガシガシと頭を掻いて、「ン、とに武装ってのはろくな奴が居ねェ」と低い声で言った。
「墓の場所は?」
「は?」
「別に、嫌いじゃねし。アイツ。……名前っち庇ってんしょ。礼くらい言わなきゃ俺が嫌」
連れてってウニ野郎~と朗らかに笑うと将太はベシッッと頭を叩いた。清広も、佐橋も、何が何だか解らない顔だった。
次の日、村田家のインターホンが鳴る。十三が出ると、懐かしい顔がそこで笑っていた。
「おはよぉ十三ちゃ!名前っちに会いに来た!」
「おかえり頂いてもよろしいでしょうか?」
「なんでーーーーーーッウケる。事情は聞いたー。えへへ、名前っちは?」
生きてる?と口を開いた瞬間、茶の間から怒鳴り声。名前のものだった。かまわないで、でてってなんて聞こえて、十三の脇をぬるりと男が通り過ぎる。
山田もなんて声をかければいいか測りかねていた、お前のせいじゃないなんて届かない、甘ったれんななんて言えたもんじゃない。俺の言葉は名前に届いちゃくれないと、軽く鬱だった。
「ばぁ!」
急に見るからにイってる顔がドアップで映し出されてうおおと後退った。誰この人。困惑を隠せずにいると男はケラケラ笑って山田の頬っぺたを両手で包んだ。
「介護疲れCみたいな顔してるちや!十三ちゃもね!お疲れ様!一旦座りな!!」
「えっえっえっ誰っ」
「名前っち~!俺ちんが来たよ~!!」
男が名前に手を伸ばすとバシッと叩き落とされる。スーーーッと空気が冷えて、十三がやべ、と山田の腕を引いた。
「おうコラ名前」
『……』
「顔上げろ、俺を見ろ、聞こえてんだろ」
『……』
「聞こえてねェフリしてんじゃねえぞ」
バチンッ!と名前の頬に男の平手が入る。何しやがると山田が怒鳴る前に、静かに十三が口を開く。
「タケ」
「十三ちゃ!!あとそこの!誰!?」
「いやテメーが誰だよ」
「だいじょび!名前っち今トンでるから30分ちょーだい!俺ちん頑張るぞ~!!」
「……タケ、事情、聞いたんだよな?」
「聞いた!」
「誰に?」
「ドブネズミ!!!!」
「誰?」
「好誠…………」
「好誠さんなの!!?大丈夫なんすかコイツ!!?」
「いや~……頼むからあんま責めないでやってくれよ」
「責めないちや!俺ちんが怒ってるのは十三ちゃとそこの子に対する態度!だいじょび!」
「結局お前誰なの!!?」
「俺ちん?!俺ちん阿賀島尊!!」
よろちっち!と高らかに笑う声を聞いて、名前の目に光が戻った気がした