そのじゅう
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はい、前回に引き続き山田相手にピンチバリバリの苗字名前です。悪いのは?私だろうね。路地裏で私にのしかかり珍しく私を睨みながら胸ぐらを引っ掴む山田をどこか遠い目で見上げた。
あぁ、悪いのは間違いなく私だろうとも。だって私は、山田に情報の開示をわざと怠った。それを、鉄生さんにうっかり話してしまったのだから。あーうっかりうっかり。どこぞの優雅さんを言えないよなぁ。
「テメェ、今から、俺の言う言葉に嘘偽りなく答えると、誓え」
『……おうとも』
「名前、お前は、俺に、“自分を襲った連中に心当たりはない”、そう言ったな、間違いないな」
『ないよ』
「お前、俺に“制服の連中に襲われた”とだけ言ったな、さっきお前鉄生さんになんて言った、言え!!!」
『……“制服と、どっかの特攻服に似てるなと思ったら、ねえ。”だったかな』
「あぁ、で、更にお前はこう言ったな。“いずれこうなるのは解っていた、自分が巻き込まれるのも、”」
『“自分を襲った首謀者が誰かと繋がっているのもね”』
ぎちっ、と山田から借りているTシャツが嫌な音をたてた。もう一つの嫌な音は山田の歯軋り。……まぁ、悪いとは思ったけどね。でも、しゃーないじゃん。
私を襲った連中の制服の奴等は見覚えがなかった。本当に。
特攻服は見覚えがあっただけ。これも本当。
ただ何故山田に特攻服の連中が居たということを伝えなかったかと言えばそこまで言えば山田は一つの連合さえ作り対抗し兼ねないと思ったからである。
誰かと繋がっているのは、まぁ、ほら。楠木は馬鹿だから。口封じだとか、そんなのが思い付いたりしないし
「……って事はよぉ、名前。テメェ、どこから察しがついてた?」
『お前がいくら探し回っても見付からない辺りだ。山田が私の事でそこまで苦労するなんざとんでも頭の良い野郎が絡んでるに違いない、んで、私の知ってる人間でそんなのは1人しかいない』
「知って、」
『それを言ったら、お前、火種になるつもりだったろ』
ひゅ、と山田が息を呑む。既に山田は鳳仙でも鈴蘭でもやらかしている。十希夫を巻き込み、武装をも巻き込み、将五を(八つ当たりに近いが)責めた。名前は知らないが天地を3割殺しくらいにはしている。
抗争の原因としては充分。名前を巡ったものとは言え、喧嘩を売ってると潰されても文句は言えない。だが山田はただでは負けないだろう、名前が絡むなら人さえ殺しそうな程の男なのだから。
名前はそれを危惧した。唯一の親友である山田を幼馴染み達や馴染みのある連中が囲んで潰し潰され。どんな地獄だ。
『特攻服のことを伝えなかったのはお前が百鬼と慚鬼の虎との抗争に割って入る可能性があったから。……まあ、こうなっちまったから関わっちまったけどよ。んで、恐らく楠木と繋がっているであろう人物の名を出したら、お前はきっとソイツを見逃してた将五や寿、拓海を殴り飛ばす。絶対だ』
「、でも、それじゃ、だって、」
本当なら、ここまで手間をかけさせてる相手に言うことではない、解っている。人脈を総動員させて、あらゆるルートを計算して、振り出しに戻ってやっと見付けた手がかりを、既に私が知っていたなんて。馬鹿にしたような話だ、殴られたって仕方ない。それでも、山田は、友哉は、
「それじゃあ、おまえ、つらいじゃねえかよぉ、」
ぼたりと、胸ぐらを掴んだままの彼の目から大粒の涙が頬に落ちた。────あぁ、やっぱり、優しいな。コイツ。ちょっと待って首、力強くなってますよ理性保て山田。
「ずっと、おまえ、あいつらきにして、すきにできなくて、こんなめにあって、どうすんだよぉ、たよりたいのに、たよれねえの、つらいだろぉ、」
『ぐ、え』
「おとこだから、かかわりすぎた、そんな、きにしなくていいこと、あいつらがわるいのに、おまえ、さみしそうなのに、ころされかけて、おまえがなにしたってんだよぉ、おまえ、わるくねえのに、なんでだよ、」
『ねえ待って山田ちょっとお願い1回起きてお願い落ちそう落ちそう落ちそうマジで家でゆっくり膝詰めてお話しよう謝るしちゃんと話すからお願い落ちるのはマジ勘弁』
泣きながら尚私の胸ぐらを掴みあげ、いや締め上げている山田に抱き着いて背中を一定のリズムで叩く。泣きじゃくりながらも山田は深呼吸を数回。
「…………かえるぞ」
『鼻チーンする?』
「落とすぞ」
『ひえっ』
あぁ、悪いのは間違いなく私だろうとも。だって私は、山田に情報の開示をわざと怠った。それを、鉄生さんにうっかり話してしまったのだから。あーうっかりうっかり。どこぞの優雅さんを言えないよなぁ。
「テメェ、今から、俺の言う言葉に嘘偽りなく答えると、誓え」
『……おうとも』
「名前、お前は、俺に、“自分を襲った連中に心当たりはない”、そう言ったな、間違いないな」
『ないよ』
「お前、俺に“制服の連中に襲われた”とだけ言ったな、さっきお前鉄生さんになんて言った、言え!!!」
『……“制服と、どっかの特攻服に似てるなと思ったら、ねえ。”だったかな』
「あぁ、で、更にお前はこう言ったな。“いずれこうなるのは解っていた、自分が巻き込まれるのも、”」
『“自分を襲った首謀者が誰かと繋がっているのもね”』
ぎちっ、と山田から借りているTシャツが嫌な音をたてた。もう一つの嫌な音は山田の歯軋り。……まぁ、悪いとは思ったけどね。でも、しゃーないじゃん。
私を襲った連中の制服の奴等は見覚えがなかった。本当に。
特攻服は見覚えがあっただけ。これも本当。
ただ何故山田に特攻服の連中が居たということを伝えなかったかと言えばそこまで言えば山田は一つの連合さえ作り対抗し兼ねないと思ったからである。
誰かと繋がっているのは、まぁ、ほら。楠木は馬鹿だから。口封じだとか、そんなのが思い付いたりしないし
「……って事はよぉ、名前。テメェ、どこから察しがついてた?」
『お前がいくら探し回っても見付からない辺りだ。山田が私の事でそこまで苦労するなんざとんでも頭の良い野郎が絡んでるに違いない、んで、私の知ってる人間でそんなのは1人しかいない』
「知って、」
『それを言ったら、お前、火種になるつもりだったろ』
ひゅ、と山田が息を呑む。既に山田は鳳仙でも鈴蘭でもやらかしている。十希夫を巻き込み、武装をも巻き込み、将五を(八つ当たりに近いが)責めた。名前は知らないが天地を3割殺しくらいにはしている。
抗争の原因としては充分。名前を巡ったものとは言え、喧嘩を売ってると潰されても文句は言えない。だが山田はただでは負けないだろう、名前が絡むなら人さえ殺しそうな程の男なのだから。
名前はそれを危惧した。唯一の親友である山田を幼馴染み達や馴染みのある連中が囲んで潰し潰され。どんな地獄だ。
『特攻服のことを伝えなかったのはお前が百鬼と慚鬼の虎との抗争に割って入る可能性があったから。……まあ、こうなっちまったから関わっちまったけどよ。んで、恐らく楠木と繋がっているであろう人物の名を出したら、お前はきっとソイツを見逃してた将五や寿、拓海を殴り飛ばす。絶対だ』
「、でも、それじゃ、だって、」
本当なら、ここまで手間をかけさせてる相手に言うことではない、解っている。人脈を総動員させて、あらゆるルートを計算して、振り出しに戻ってやっと見付けた手がかりを、既に私が知っていたなんて。馬鹿にしたような話だ、殴られたって仕方ない。それでも、山田は、友哉は、
「それじゃあ、おまえ、つらいじゃねえかよぉ、」
ぼたりと、胸ぐらを掴んだままの彼の目から大粒の涙が頬に落ちた。────あぁ、やっぱり、優しいな。コイツ。ちょっと待って首、力強くなってますよ理性保て山田。
「ずっと、おまえ、あいつらきにして、すきにできなくて、こんなめにあって、どうすんだよぉ、たよりたいのに、たよれねえの、つらいだろぉ、」
『ぐ、え』
「おとこだから、かかわりすぎた、そんな、きにしなくていいこと、あいつらがわるいのに、おまえ、さみしそうなのに、ころされかけて、おまえがなにしたってんだよぉ、おまえ、わるくねえのに、なんでだよ、」
『ねえ待って山田ちょっとお願い1回起きてお願い落ちそう落ちそう落ちそうマジで家でゆっくり膝詰めてお話しよう謝るしちゃんと話すからお願い落ちるのはマジ勘弁』
泣きながら尚私の胸ぐらを掴みあげ、いや締め上げている山田に抱き着いて背中を一定のリズムで叩く。泣きじゃくりながらも山田は深呼吸を数回。
「…………かえるぞ」
『鼻チーンする?』
「落とすぞ」
『ひえっ』