そのにじゅうさん
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
?
『ヘンパイ卒業おめっと』
「おーありがと。お前進級出来たの?」
『めちゃくちゃ頑張ったわ。卒業旅行で大阪行くんだっけ?』
「うん、恵くんのとこちょっと押しかけ女房してくるわ」
『ウケる。恵ちゃんによろしくね』
「任せときな。……名前」
『なに名前で呼ぶなんて珍しい』
「ごめんな。嫌だって言ってたのに、結局巻き込んじまった。責任負わせちまった」
『やめてよ。……ホントにダメならさっさと沈んじまってた船だぜ!ヘンパイの協力あってこそだし、面倒は多いけどもう嫌じゃあないよ』
「そう言ってくれるなら気が楽だよ」
『瑞希くん、卒業おめでとうね。はい、花束。新三年生一同から』
「ズルいなぁお前」
今日は卒業式です。うちの三年共も無事卒業、世話になった林田のヘンパイにお祝いの花束を渡して自由行動。ちょっくら回ってくるわ!と元気に手を振りあげるとまたお前は!とがなられたけれど、この日だけは割とこの街は平和なので。
『みっちょしさ~ん゛卒業おめでとお゛~!!!』
「お~ありがとな」
「名前、俺は?」
『あ、おめでと真島さん』
「名前が冷たいんだが」
「まぁまぁマーシーくん、ほら名前はうちのだからよ」
「お?光政?お?」
「名前~~なんで鈴蘭のと付き合ったンだよ゛~」
「俺ァ、俺ァてっきり光政とよ~」
『光政と付き合ったら戸亜留市崩壊するけど』
「主に喧嘩と悪戯でな」
「頼むから付き合わないでくれ」
「平和の為に辞めてくれ」
『平和とはかけ離れた面の癖によくも』
「んだと」
「こんにゃろ」
『ごめんて。ところでみっちょしさんと真島さんどーしたのその面』
「「ほっとけ!!!!!」」
卒業祝いを兼ねてパイ投げしたら怒られた。それはそう。皆にバイバイと元気に手を振って鈴蘭に向かおうとすると川のとこの土手に傷だらけの奴等を発見した。
『やっほ清ピー、難波パパ』
「お、名前」
『どーしたのその怪我』
「ほっとけ!!!」
『難波パパは今日で引退だっけ。お疲れ様』
「あぁ、ありがとう」
『清広さんふてぶてしい顔しないの。なに』
「俺ァまだ認めてねーからな」
『好誠さんみたいな事言わないでくれる?駄々っ子じゃないんだから』
「名前」
『なにパパ』
「泣かされたら言うんだぞ」
『この頑固親父共が』
はいはいバイバイね!と鞄に入ってたジッポ二つを押し付けて名前は走り出した。二人は顔を見合わせて仕方ねえ奴だなと笑った。
『へいクソ鈴蘭の皆様ご機嫌麗しゅう。卒業おめっとね』
「堂々と鈴蘭でクソとか言うな」
「お前そのクソ鈴蘭のとこのと付き合ったんだからな」
『付き合ったからと言って鈴蘭嫌いが変わるわけじゃないし。でブッチャーさんめちゃくちゃボロボロだけどどしたの?』
「九里虎」
『ウケる』
ほれ、と黒澤と十希夫、金次と神戸に紙袋から花束を出して渡す。あんがとなと受け取ったところで名前があ!と声を上げる。
『カズミにパイ投げするから取り押さえて』
「任せろ」
「おいふざけんな離せむさ苦し、お前までカズミって呼ぶのやめろ!」
「カズミ大人しくしろ」
「そ~じゃカズミ大人しく受け入れろブッ!」
『あごめん豚さん外したわ、もういっぱ~つ』
「かッッッらなに、ガッゲホッ」
「待て名前何入れた?」
『私が山田を置いて東京に行くアンタに何もしないと思った!!?辛子』
「友哉はあっさりしてたろが!!!!!」
「名前も寂しいもんな?」
『そ~だよカズミ~黒澤家に行ってもカズミの怖い顔が無くなるの寂しいよ~』
「寂しいって面してねえ!!!!!!!!!」
結局十希夫含めて全員パイ投げされた。途中卒業おめでとって言いに来た花もやられた。名前は流石に花だけにはごめんねってしたのだけど言われてない連中はおいお前の女どうなってんだと十希夫を問い詰める事しか出来なかった。
さて、回り終えた名前は天地の家に飯を持っていっていた。コンコンコン、返事はない。ピンポン。返事はない。仕方ねえからと使い慣れた合鍵で入り込む。アイツなら鍵なんぞすぐ変えられるのに、まだ無気力なままなのか、どうなのか。まぁ無気力なだけだろうけど。
『寿ちゃん、エビグラタン食べよ。十三作ってくれてね、焼くだけなの』
ソファに座ってテレビも付けずにぼー、っとしている天地に相変わらずかぁと苦く笑って名前はオーブンに二人分のグラタンを入れる。
『ねえ無事進級出来たよ。寿ちゃんも出来たでしょどうせ。私よか頭良いもんね』
あーあ、また怪我たくさんだねとズダボロな天地にこちらを向くように言う。最近ずっとこうで、最初気付いた時に手当しようとしたら拒否られたけど容赦なく怪我してるとこ掴むと黙った。毎日毎日飽きもせず怪我をしに学校に行ってる天地に思うところあれど、口を出さない。だってそれは私の役目じゃない。
『マ、そろそろ目が覚めて良い頃だけどね』
「……うるせえよ」
『お、焼けたよ。持ってくるね』
ちーん、と間抜けな音がしたのでオーブンへ。あやべ、鍋つかみ無いやとそこらの手拭いを引っ掴んで取っ手を掴む。
『あっち』
薄過ぎて熱く思わず声を出すと名前の手首を掴む手があった。天地が自分の方が怪我だらけだってのに随分と顔を歪ませている。
『大丈夫だよ』
「……」
『冷やすから寿ちゃん持ってってくれる?』
そう言うと天地は大人しく、時折痛えのか唸りながらグラタンを運んで行った。全く、仕方ねえ幼馴染である。
『ヘンパイ卒業おめっと』
「おーありがと。お前進級出来たの?」
『めちゃくちゃ頑張ったわ。卒業旅行で大阪行くんだっけ?』
「うん、恵くんのとこちょっと押しかけ女房してくるわ」
『ウケる。恵ちゃんによろしくね』
「任せときな。……名前」
『なに名前で呼ぶなんて珍しい』
「ごめんな。嫌だって言ってたのに、結局巻き込んじまった。責任負わせちまった」
『やめてよ。……ホントにダメならさっさと沈んじまってた船だぜ!ヘンパイの協力あってこそだし、面倒は多いけどもう嫌じゃあないよ』
「そう言ってくれるなら気が楽だよ」
『瑞希くん、卒業おめでとうね。はい、花束。新三年生一同から』
「ズルいなぁお前」
今日は卒業式です。うちの三年共も無事卒業、世話になった林田のヘンパイにお祝いの花束を渡して自由行動。ちょっくら回ってくるわ!と元気に手を振りあげるとまたお前は!とがなられたけれど、この日だけは割とこの街は平和なので。
『みっちょしさ~ん゛卒業おめでとお゛~!!!』
「お~ありがとな」
「名前、俺は?」
『あ、おめでと真島さん』
「名前が冷たいんだが」
「まぁまぁマーシーくん、ほら名前はうちのだからよ」
「お?光政?お?」
「名前~~なんで鈴蘭のと付き合ったンだよ゛~」
「俺ァ、俺ァてっきり光政とよ~」
『光政と付き合ったら戸亜留市崩壊するけど』
「主に喧嘩と悪戯でな」
「頼むから付き合わないでくれ」
「平和の為に辞めてくれ」
『平和とはかけ離れた面の癖によくも』
「んだと」
「こんにゃろ」
『ごめんて。ところでみっちょしさんと真島さんどーしたのその面』
「「ほっとけ!!!!!」」
卒業祝いを兼ねてパイ投げしたら怒られた。それはそう。皆にバイバイと元気に手を振って鈴蘭に向かおうとすると川のとこの土手に傷だらけの奴等を発見した。
『やっほ清ピー、難波パパ』
「お、名前」
『どーしたのその怪我』
「ほっとけ!!!」
『難波パパは今日で引退だっけ。お疲れ様』
「あぁ、ありがとう」
『清広さんふてぶてしい顔しないの。なに』
「俺ァまだ認めてねーからな」
『好誠さんみたいな事言わないでくれる?駄々っ子じゃないんだから』
「名前」
『なにパパ』
「泣かされたら言うんだぞ」
『この頑固親父共が』
はいはいバイバイね!と鞄に入ってたジッポ二つを押し付けて名前は走り出した。二人は顔を見合わせて仕方ねえ奴だなと笑った。
『へいクソ鈴蘭の皆様ご機嫌麗しゅう。卒業おめっとね』
「堂々と鈴蘭でクソとか言うな」
「お前そのクソ鈴蘭のとこのと付き合ったんだからな」
『付き合ったからと言って鈴蘭嫌いが変わるわけじゃないし。でブッチャーさんめちゃくちゃボロボロだけどどしたの?』
「九里虎」
『ウケる』
ほれ、と黒澤と十希夫、金次と神戸に紙袋から花束を出して渡す。あんがとなと受け取ったところで名前があ!と声を上げる。
『カズミにパイ投げするから取り押さえて』
「任せろ」
「おいふざけんな離せむさ苦し、お前までカズミって呼ぶのやめろ!」
「カズミ大人しくしろ」
「そ~じゃカズミ大人しく受け入れろブッ!」
『あごめん豚さん外したわ、もういっぱ~つ』
「かッッッらなに、ガッゲホッ」
「待て名前何入れた?」
『私が山田を置いて東京に行くアンタに何もしないと思った!!?辛子』
「友哉はあっさりしてたろが!!!!!」
「名前も寂しいもんな?」
『そ~だよカズミ~黒澤家に行ってもカズミの怖い顔が無くなるの寂しいよ~』
「寂しいって面してねえ!!!!!!!!!」
結局十希夫含めて全員パイ投げされた。途中卒業おめでとって言いに来た花もやられた。名前は流石に花だけにはごめんねってしたのだけど言われてない連中はおいお前の女どうなってんだと十希夫を問い詰める事しか出来なかった。
さて、回り終えた名前は天地の家に飯を持っていっていた。コンコンコン、返事はない。ピンポン。返事はない。仕方ねえからと使い慣れた合鍵で入り込む。アイツなら鍵なんぞすぐ変えられるのに、まだ無気力なままなのか、どうなのか。まぁ無気力なだけだろうけど。
『寿ちゃん、エビグラタン食べよ。十三作ってくれてね、焼くだけなの』
ソファに座ってテレビも付けずにぼー、っとしている天地に相変わらずかぁと苦く笑って名前はオーブンに二人分のグラタンを入れる。
『ねえ無事進級出来たよ。寿ちゃんも出来たでしょどうせ。私よか頭良いもんね』
あーあ、また怪我たくさんだねとズダボロな天地にこちらを向くように言う。最近ずっとこうで、最初気付いた時に手当しようとしたら拒否られたけど容赦なく怪我してるとこ掴むと黙った。毎日毎日飽きもせず怪我をしに学校に行ってる天地に思うところあれど、口を出さない。だってそれは私の役目じゃない。
『マ、そろそろ目が覚めて良い頃だけどね』
「……うるせえよ」
『お、焼けたよ。持ってくるね』
ちーん、と間抜けな音がしたのでオーブンへ。あやべ、鍋つかみ無いやとそこらの手拭いを引っ掴んで取っ手を掴む。
『あっち』
薄過ぎて熱く思わず声を出すと名前の手首を掴む手があった。天地が自分の方が怪我だらけだってのに随分と顔を歪ませている。
『大丈夫だよ』
「……」
『冷やすから寿ちゃん持ってってくれる?』
そう言うと天地は大人しく、時折痛えのか唸りながらグラタンを運んで行った。全く、仕方ねえ幼馴染である。