そのにじゅうに
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「名前~。名前って。どうかしたのか?」
『なんでもない』
「なんでもねーって顔してねえな?」
『なんでもない』
「そっかぁ、俺にも言えないのか?」
『……』
「こりゃ酷いな」
座敷童子と化した名前は家に着くなり玄関で蹲り、どうしたと声をかける将五も無視。でも玄関に居座るのは邪魔だから茶の間行こうな。
ソファに座らせてなんか飲むかと聞けばそっぽを向いた。解りやすい幼馴染だ、キャパオーバーしてる時の反応である。
「今日原田とデートじゃなかったか?随分早いな」
『デッッッ』
「はいはい、ほらココアやるよ」
将五は今まで名前に恋人だとか好きな奴が出来るだとか、そんな事考えた事もなかった。だって出来ても離れられる気がしなかったので。幼馴染組は皆名前離れが出来てないで有名なのだが、最近は名前を優先する事を覚えてきた。考えを整理する時間が割とあったので。恋人出来ても関係は変わらないし。
だがそれはそれとして良い感じな原田が名前を悩ませるとしたら話は別だ、いつになったら付き合うんだよくっ付くならさっさとくっ付けって話だよなと武装で話しては拓海がソファにしがみついたり奈良が魂抜けたり金が男泣きしたりしながら七代目は名前の恋愛を応援していたけれど、泣かせるだとかしたらこ~ろそ!というのは全員一致してるので。
『…………将五』
「ん?」
『と。とき、』
「ん」
『常磐とさ』
「そっちかぁ」
『なに』
「いやどうぞ話してくれ」
『変なの。常磐の奴がさ。わ、私じゃなくて』
「おー」
『す、鈴蘭の奴と付き合うの。お、おかしい?』
ぐふ、と飲みかけの珈琲が気管に入って勢いよく噎せた。バカヤロ完全にお前の話じゃねえか。少し咳き込んで十三譲りのポーカーフェイスを取り戻した将五は名前に向き直る。
「いや、お前んとこ九里虎の彼女居なかったか」
『!そうだった』
「だろ。別に、お前んとこは武装とも、鈴蘭とも、鳳仙とも敵じゃあねえだろう。もし仮に鳳仙とか鈴蘭が共学だとしてよ、武装の奴がそこの女と付き合うってなっても怒らねえし、どうにもならねえよ」
『ホントに?』
「あぁ。いや誰かが月本家の妹と付き合うって言ったら流石に正気かとはなるがよ」
『それは私も思う』
「別に、お前が誰と付き合おうと常磐も鈴蘭も気にしねえよ」
『友達だってば』
「はいはい」
つーかさっさと付き合ってくれ。妹が男としかも鈴蘭と付き合うのが気に食わないけど祝福したいという気持ちがせめぎ合って死にそうな人達がブライアンで五月蝿いので。難波がまだ七代目に居るからと清広や戸川達もちょこちょこ遊びに来るもんだから怨念がヤバい。たまに五代目連中まで来て怨念が倍になるから早くしろ。
「あ゛~~……」
「うるせえなお前」
「急に押しかけてきてなんな訳?今日うちのとデートだったでしょ帰ってくんの早くない?」
「むり゛……」
「カズミちゃ~コーラ飲んでいい~?」
「良いけどタケお前家に馴染みすぎだぞ」
「親父出張で寂しんだもん」
「俺も飲みてえからグラス頼んだぞ」
「あ~い」
で、どうしたよ。今日デートと聞いてた黒澤兄弟とタケは項垂れて勝手にテーブルに突っ伏してる十希夫に声をかける。ンでもいつまで経っても「あ゛~~~~」とか「むり゛」しか言わねえから黒澤がキレた。気が短いので。テメェさっさと言わねえと名前ん家まで引き摺るぞ。勘弁して。
「なんだよ。振られた訳じゃあるまいし」
「……………………………………」
「は待て振られたんか?」
「嘘でしょ」
「なわけねーよね。そもそも告った?」
「あ無理殺してくれ」
「OK」
「兄貴兄貴兄貴」
「ステイカズミ。ステイ」
元々うじうじしてる奴が大嫌いな黒澤は即答で拳を振り上げた。慌てて山田とタケが止める。止めるな!一発殴らねえとコイツは起きねえから!起きてる!もう十希夫くん起きてっから!
あの後、十希夫はやっちまったと思った。こんな風に言うつもりはなかったってのにまた頭に血が上っちまったのだ。でも吐き出した言葉を戻す訳にゃいかねーので、どうしてもその集まりに行くなら俺を連れて行けと言ったのだ。
まぁパニックである。名前の顔は真っ赤、十希夫の顔も真っ赤。そんで、名前は『日にち決まったら言う』なんてポツリと吐いて立ち上がって、二人は無言のまんま村田家へ。去り際に、『もう少し時間が欲しい』と言って名前は中へ入っていったというわけ。
「はア゛?」
「なにて?」
「キャーーーッ可愛い~!!!」
「タケちゃん声高すぎ怖いから下げて」
「彼氏役じゃなくてお前の男としてなんて俺だったら恥ずかしくて言えねえわ」
「ぐ」
「タケちゃんごめん低すぎて怖いから普段通り喋って」
「も~我儘なんだから~」
「えでも日にち決まったらって事は了承じゃない?」
「時間が欲しいっつったんだろ。名前があの通り恋愛初心者だからな、待てるよな十希夫」
「しぬ゛……」
「だー!!!うじうじすんなウザってえ!」
「兄貴兄貴兄貴」
「カズミステイ」
「名前~。名前って。どうかしたのか?」
『なんでもない』
「なんでもねーって顔してねえな?」
『なんでもない』
「そっかぁ、俺にも言えないのか?」
『……』
「こりゃ酷いな」
座敷童子と化した名前は家に着くなり玄関で蹲り、どうしたと声をかける将五も無視。でも玄関に居座るのは邪魔だから茶の間行こうな。
ソファに座らせてなんか飲むかと聞けばそっぽを向いた。解りやすい幼馴染だ、キャパオーバーしてる時の反応である。
「今日原田とデートじゃなかったか?随分早いな」
『デッッッ』
「はいはい、ほらココアやるよ」
将五は今まで名前に恋人だとか好きな奴が出来るだとか、そんな事考えた事もなかった。だって出来ても離れられる気がしなかったので。幼馴染組は皆名前離れが出来てないで有名なのだが、最近は名前を優先する事を覚えてきた。考えを整理する時間が割とあったので。恋人出来ても関係は変わらないし。
だがそれはそれとして良い感じな原田が名前を悩ませるとしたら話は別だ、いつになったら付き合うんだよくっ付くならさっさとくっ付けって話だよなと武装で話しては拓海がソファにしがみついたり奈良が魂抜けたり金が男泣きしたりしながら七代目は名前の恋愛を応援していたけれど、泣かせるだとかしたらこ~ろそ!というのは全員一致してるので。
『…………将五』
「ん?」
『と。とき、』
「ん」
『常磐とさ』
「そっちかぁ」
『なに』
「いやどうぞ話してくれ」
『変なの。常磐の奴がさ。わ、私じゃなくて』
「おー」
『す、鈴蘭の奴と付き合うの。お、おかしい?』
ぐふ、と飲みかけの珈琲が気管に入って勢いよく噎せた。バカヤロ完全にお前の話じゃねえか。少し咳き込んで十三譲りのポーカーフェイスを取り戻した将五は名前に向き直る。
「いや、お前んとこ九里虎の彼女居なかったか」
『!そうだった』
「だろ。別に、お前んとこは武装とも、鈴蘭とも、鳳仙とも敵じゃあねえだろう。もし仮に鳳仙とか鈴蘭が共学だとしてよ、武装の奴がそこの女と付き合うってなっても怒らねえし、どうにもならねえよ」
『ホントに?』
「あぁ。いや誰かが月本家の妹と付き合うって言ったら流石に正気かとはなるがよ」
『それは私も思う』
「別に、お前が誰と付き合おうと常磐も鈴蘭も気にしねえよ」
『友達だってば』
「はいはい」
つーかさっさと付き合ってくれ。妹が男としかも鈴蘭と付き合うのが気に食わないけど祝福したいという気持ちがせめぎ合って死にそうな人達がブライアンで五月蝿いので。難波がまだ七代目に居るからと清広や戸川達もちょこちょこ遊びに来るもんだから怨念がヤバい。たまに五代目連中まで来て怨念が倍になるから早くしろ。
「あ゛~~……」
「うるせえなお前」
「急に押しかけてきてなんな訳?今日うちのとデートだったでしょ帰ってくんの早くない?」
「むり゛……」
「カズミちゃ~コーラ飲んでいい~?」
「良いけどタケお前家に馴染みすぎだぞ」
「親父出張で寂しんだもん」
「俺も飲みてえからグラス頼んだぞ」
「あ~い」
で、どうしたよ。今日デートと聞いてた黒澤兄弟とタケは項垂れて勝手にテーブルに突っ伏してる十希夫に声をかける。ンでもいつまで経っても「あ゛~~~~」とか「むり゛」しか言わねえから黒澤がキレた。気が短いので。テメェさっさと言わねえと名前ん家まで引き摺るぞ。勘弁して。
「なんだよ。振られた訳じゃあるまいし」
「……………………………………」
「は待て振られたんか?」
「嘘でしょ」
「なわけねーよね。そもそも告った?」
「あ無理殺してくれ」
「OK」
「兄貴兄貴兄貴」
「ステイカズミ。ステイ」
元々うじうじしてる奴が大嫌いな黒澤は即答で拳を振り上げた。慌てて山田とタケが止める。止めるな!一発殴らねえとコイツは起きねえから!起きてる!もう十希夫くん起きてっから!
あの後、十希夫はやっちまったと思った。こんな風に言うつもりはなかったってのにまた頭に血が上っちまったのだ。でも吐き出した言葉を戻す訳にゃいかねーので、どうしてもその集まりに行くなら俺を連れて行けと言ったのだ。
まぁパニックである。名前の顔は真っ赤、十希夫の顔も真っ赤。そんで、名前は『日にち決まったら言う』なんてポツリと吐いて立ち上がって、二人は無言のまんま村田家へ。去り際に、『もう少し時間が欲しい』と言って名前は中へ入っていったというわけ。
「はア゛?」
「なにて?」
「キャーーーッ可愛い~!!!」
「タケちゃん声高すぎ怖いから下げて」
「彼氏役じゃなくてお前の男としてなんて俺だったら恥ずかしくて言えねえわ」
「ぐ」
「タケちゃんごめん低すぎて怖いから普段通り喋って」
「も~我儘なんだから~」
「えでも日にち決まったらって事は了承じゃない?」
「時間が欲しいっつったんだろ。名前があの通り恋愛初心者だからな、待てるよな十希夫」
「しぬ゛……」
「だー!!!うじうじすんなウザってえ!」
「兄貴兄貴兄貴」
「カズミステイ」