そのにじゅうに
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早く来すぎて何本目か知らねえ煙草を揉み消して十希夫は項垂れていた。本日何度目か解らない名前とのお出かけ(デート)である。冬休みに動物園に二人で行った時に告ろうと思ったらなんやかんやあって告白どころじゃなかった十希夫は散々くそ黒澤和光とかいう男だのその弟達に詰られた。ばーか!いくじなし!あほ!はげ!喧しいわ。禿げてねえ。
十希夫はもう卒業間近である。卒業して、就職したらしばらく落ち着くまでは名前とも会えねえだろう。というか割と気にしいなあの女は会ってくれねえだろうから余計に焦っていた。だってこういう事は直接、目を見て言いてえタチなので。
ンなもんだから、今日こそは告白するぞと意気込んではいる。意気込んではいる、けども。
『とっきー!』
「おー、走んな」
『どっち行く?』
「あっち」
あてもなく歩き出す。今日は特に予定も決めずとりあえずゆっくり過ごそうかという話になった。因みにこれを聞いていた黒澤兄弟withタケは「は?恋人なんだよそれはよ」と唸っていた。
『あっとっきー』
「たこ焼きか」
『食べよ』
「おー」
十希夫はこの女が食い物に弱いのなんてもう解りきってるのでちょっと笑って頷いた。いつだって名前が美味そうに食ってる姿は可愛いので。
たこ焼きを食い終わってまた歩き出す。どっち行く?あっち。おー。ショッピングモール行こ。おー。
名前の気紛れに何度も付き合ってるからか急に言い出しても軽く対応出来るあたり重症である。
『とっきー髪伸びたねえ』
「そうな」
『切るの?』
「あー。これ以上伸ばす気はねーけどな」
『卒業してリーゼントかますのはやべーもんね』
「軍司さんみてーなのは似合わねーだろうしな」
『えっオッサンになんの?』
「軍司さんに言うなよ泣かれるぞ」
『三郎くんヘアーも辞めてね、笑っちゃうから』
「ならもうお前がまた切ってくれよ」
『良いの?』
「あぁ」
『へへ』
自然に二人の手は繋がれている。傍から見たら完全に恋人で、二人共既に違和感を覚えていない。そんなんだから周りがイライラしてんだよ。
『とっきーに似合いそう』
「ランドセルはとっくに卒業してんだな」
『小四でランドセル武器にして壊したんだっけ?』
「お前もう軍司さんから話聞くの辞めてくんねーかな?」
『教えてくれるんだもん聞くでしょ』
「畜生」
『まぁまぁカリカリしないの甘いものでも食べに行く?』
「お前が食いたいんだろが」
『ほら見てパンケーキのお店』
「解った解った引っ張るな」
早く来すぎて何本目か知らねえ煙草を揉み消して十希夫は項垂れていた。本日何度目か解らない名前とのお出かけ(デート)である。冬休みに動物園に二人で行った時に告ろうと思ったらなんやかんやあって告白どころじゃなかった十希夫は散々くそ黒澤和光とかいう男だのその弟達に詰られた。ばーか!いくじなし!あほ!はげ!喧しいわ。禿げてねえ。
十希夫はもう卒業間近である。卒業して、就職したらしばらく落ち着くまでは名前とも会えねえだろう。というか割と気にしいなあの女は会ってくれねえだろうから余計に焦っていた。だってこういう事は直接、目を見て言いてえタチなので。
ンなもんだから、今日こそは告白するぞと意気込んではいる。意気込んではいる、けども。
『とっきー!』
「おー、走んな」
『どっち行く?』
「あっち」
あてもなく歩き出す。今日は特に予定も決めずとりあえずゆっくり過ごそうかという話になった。因みにこれを聞いていた黒澤兄弟withタケは「は?恋人なんだよそれはよ」と唸っていた。
『あっとっきー』
「たこ焼きか」
『食べよ』
「おー」
十希夫はこの女が食い物に弱いのなんてもう解りきってるのでちょっと笑って頷いた。いつだって名前が美味そうに食ってる姿は可愛いので。
たこ焼きを食い終わってまた歩き出す。どっち行く?あっち。おー。ショッピングモール行こ。おー。
名前の気紛れに何度も付き合ってるからか急に言い出しても軽く対応出来るあたり重症である。
『とっきー髪伸びたねえ』
「そうな」
『切るの?』
「あー。これ以上伸ばす気はねーけどな」
『卒業してリーゼントかますのはやべーもんね』
「軍司さんみてーなのは似合わねーだろうしな」
『えっオッサンになんの?』
「軍司さんに言うなよ泣かれるぞ」
『三郎くんヘアーも辞めてね、笑っちゃうから』
「ならもうお前がまた切ってくれよ」
『良いの?』
「あぁ」
『へへ』
自然に二人の手は繋がれている。傍から見たら完全に恋人で、二人共既に違和感を覚えていない。そんなんだから周りがイライラしてんだよ。
『とっきーに似合いそう』
「ランドセルはとっくに卒業してんだな」
『小四でランドセル武器にして壊したんだっけ?』
「お前もう軍司さんから話聞くの辞めてくんねーかな?」
『教えてくれるんだもん聞くでしょ』
「畜生」
『まぁまぁカリカリしないの甘いものでも食べに行く?』
「お前が食いたいんだろが」
『ほら見てパンケーキのお店』
「解った解った引っ張るな」