そのにじゅういち
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「あの……」
『うん』
「名前……あの……違う……」
『うん、国ちゃん。ゆっくり言っていいよ』
「名前辞めてやれ、オットはお前に弱いんだぞ知ってるだろ」
『国ちゃんが関わってるって事ァ村越の潤くんでしょ?うちのやったの』
「う゛」
『あのねえ国ちゃん。私鳳仙とは争いたくないの、解るよね。だって鳳仙は身内なんだよ、昔から。月本家も、他の奴等も。でもね、東陽台はもう私が治めてるとこなんだよ。このままなら私は黙って潤くんを殴りに行かなきゃならないの。嫌だよね。私も嫌だしそっちも嫌だよね。解るよね。なら何があったか知りたいのが筋だよね。だってうちのは鼓膜破られてんだよ。東陽台任してる深山って男は割と激情型でね、タケが抑えるのに必死なんだよ』
「う゛、う゛、で、でも。わ、悪い、名前。と、友達との約束は、……ま、守る、べきだろ」
『うん、そうだよね。光政にでさえ言えないものを私には余計に言えないよね。……あ、今通信入った。えっとねえ、国ちゃん。一つだけ答えて。“弟くんは寂しがってるとは思わない”?』
名前が鳳仙連中にドナドナされて光政とオット……大戸国雄が話してるところに突っ込まれた時光政は今忙しいンだけどよ、と真面目な顔で言ったのだけど、名前が常磐の頭として来た、うちのが世話になったねと言うと頭を抱えた。村越の馬鹿!寄りによって名前のとこ、馬鹿!と。オットは顔を蒼褪めさせた。なにせオットは一年の頃から名前に頭が上がらない。義理堅い性格であるオットは絡まれ、大怪我を負った時名前に助けられてから密か~に名前の助けになってきたのだから。
さて、名前の耳に入った通信は佐伯からであった。「俺んとこの病院に村越弟、居るんですよね」なんて。「末期の癌で、もう長くねえ」とも。
その通信は全体的に流れたもんだから東陽台に赴いていたタケは「あぁ、なるほどねえ。ごめん深山ちゃ、俺ちん潤ちゃの気持ち解っちゃった。一概に責めらんねえや」と吐いた。深山は今の今まで怒り狂っていたけれど、少ししてから「詫び、入れてくれりゃそれでいい。そもそも頭の身内だ、身内同士の諍いは……そういうもんだろ」と鉾を収めた。
「……かも、しれねえな」
『うん、それだけ聞けたならいい。光政、めんご!お前には私から言えねえからさ!自分で調べてね!』
「は?なに?なんでオットとは通じあって俺とは通じあえねー訳?なに?俺というものがありながら?」
『誤解生むようなこと言わんでくれる?』
「冬休みの原田十希夫とのワクワク動物園デートは楽しかったですか?(笑)」
『スーーーーーッころちゅ……』
「名前」
『ぁに』
「悪いとは思ってる、詫びは必ず入れさせる。もう少しだけ待ってくれねーか」
『ごめん、時間が無いの。だから、お前にタケを貸してやる』
「タケを?」
『マ、潤くんを止めるにはタケが一番って話しよ』
そうして名前は光政にタケを貸し出す事に決めた。軽いヒントを与えて、明日にでも探しに行くかと。
その晩、オット……大戸国雄が襲撃された。犯人は焚八商業、やらかした村越潤への復讐であった。
『うん、うん。おけぴ!』
「タケちゃん、なんて?」
『今日の夜七時別当運動場だって。大勢で行くのはちょっとあれだから、山田だけ着いてきてくれる?』
「あいよ。……弟くんは?」
『……』
「……そっか」
「なぁタケ」
「ん~?」
「名前、村越を止めるにはタケが一番っつってたんだ。……どういう意味なのか、俺が聞いても良いか」
「光政ちゃ優し~!良いよォ、俺ちん光政ちゃだいしゅきだし。俺ちんのねえ母ちゃん、中一ん時死んだの。癌でね」
「……」
「俺ちんの家複雑でさぁ、母ちゃんには怖がられてたし?見舞いもなんか行きたくなくてさぁ、母ちゃんがもうすぐ死ぬって現実受け止めたくなかったの」
「……中一っつったら、お前が暴れ回ってた頃だったな」
「うん。毎日怪我して、毎日その分怪我させてた。母ちゃんの症状に気付かなかった親父にも八つ当たりして、名前っちまで遠ざけた。……ね、ここだけの話!俺ちん名前っちに負けたの」
「負けた?」
「ガチ喧嘩で」
「殴り合いで?」
「そ。へへ、情けねえよねえ、その頃にゃ俺ちんのが力も、ガタイも上。なんもかんも上だったんだよ?……それでも、最後に立ってたのは名前っちだった。んへへ、お互いボロボロでさぁ、母ちゃんの病院行って……久しぶりに母ちゃんと目を見て話したんだ。名前っちが言ってた、お前がそんなんなら母ちゃんが安心出来ねーって。……ねえ光政ちゃ」
「あぁ」
「俺ちんみてーな馬鹿は増やしたらいかんちや。光政ちゃ、名前っちになれとは言わないよ。でも、そんな馬鹿を引き摺ってってやって欲しい。ワガママ?」
「いや。……そんな事ァねえさ」
「あの……」
『うん』
「名前……あの……違う……」
『うん、国ちゃん。ゆっくり言っていいよ』
「名前辞めてやれ、オットはお前に弱いんだぞ知ってるだろ」
『国ちゃんが関わってるって事ァ村越の潤くんでしょ?うちのやったの』
「う゛」
『あのねえ国ちゃん。私鳳仙とは争いたくないの、解るよね。だって鳳仙は身内なんだよ、昔から。月本家も、他の奴等も。でもね、東陽台はもう私が治めてるとこなんだよ。このままなら私は黙って潤くんを殴りに行かなきゃならないの。嫌だよね。私も嫌だしそっちも嫌だよね。解るよね。なら何があったか知りたいのが筋だよね。だってうちのは鼓膜破られてんだよ。東陽台任してる深山って男は割と激情型でね、タケが抑えるのに必死なんだよ』
「う゛、う゛、で、でも。わ、悪い、名前。と、友達との約束は、……ま、守る、べきだろ」
『うん、そうだよね。光政にでさえ言えないものを私には余計に言えないよね。……あ、今通信入った。えっとねえ、国ちゃん。一つだけ答えて。“弟くんは寂しがってるとは思わない”?』
名前が鳳仙連中にドナドナされて光政とオット……大戸国雄が話してるところに突っ込まれた時光政は今忙しいンだけどよ、と真面目な顔で言ったのだけど、名前が常磐の頭として来た、うちのが世話になったねと言うと頭を抱えた。村越の馬鹿!寄りによって名前のとこ、馬鹿!と。オットは顔を蒼褪めさせた。なにせオットは一年の頃から名前に頭が上がらない。義理堅い性格であるオットは絡まれ、大怪我を負った時名前に助けられてから密か~に名前の助けになってきたのだから。
さて、名前の耳に入った通信は佐伯からであった。「俺んとこの病院に村越弟、居るんですよね」なんて。「末期の癌で、もう長くねえ」とも。
その通信は全体的に流れたもんだから東陽台に赴いていたタケは「あぁ、なるほどねえ。ごめん深山ちゃ、俺ちん潤ちゃの気持ち解っちゃった。一概に責めらんねえや」と吐いた。深山は今の今まで怒り狂っていたけれど、少ししてから「詫び、入れてくれりゃそれでいい。そもそも頭の身内だ、身内同士の諍いは……そういうもんだろ」と鉾を収めた。
「……かも、しれねえな」
『うん、それだけ聞けたならいい。光政、めんご!お前には私から言えねえからさ!自分で調べてね!』
「は?なに?なんでオットとは通じあって俺とは通じあえねー訳?なに?俺というものがありながら?」
『誤解生むようなこと言わんでくれる?』
「冬休みの原田十希夫とのワクワク動物園デートは楽しかったですか?(笑)」
『スーーーーーッころちゅ……』
「名前」
『ぁに』
「悪いとは思ってる、詫びは必ず入れさせる。もう少しだけ待ってくれねーか」
『ごめん、時間が無いの。だから、お前にタケを貸してやる』
「タケを?」
『マ、潤くんを止めるにはタケが一番って話しよ』
そうして名前は光政にタケを貸し出す事に決めた。軽いヒントを与えて、明日にでも探しに行くかと。
その晩、オット……大戸国雄が襲撃された。犯人は焚八商業、やらかした村越潤への復讐であった。
『うん、うん。おけぴ!』
「タケちゃん、なんて?」
『今日の夜七時別当運動場だって。大勢で行くのはちょっとあれだから、山田だけ着いてきてくれる?』
「あいよ。……弟くんは?」
『……』
「……そっか」
「なぁタケ」
「ん~?」
「名前、村越を止めるにはタケが一番っつってたんだ。……どういう意味なのか、俺が聞いても良いか」
「光政ちゃ優し~!良いよォ、俺ちん光政ちゃだいしゅきだし。俺ちんのねえ母ちゃん、中一ん時死んだの。癌でね」
「……」
「俺ちんの家複雑でさぁ、母ちゃんには怖がられてたし?見舞いもなんか行きたくなくてさぁ、母ちゃんがもうすぐ死ぬって現実受け止めたくなかったの」
「……中一っつったら、お前が暴れ回ってた頃だったな」
「うん。毎日怪我して、毎日その分怪我させてた。母ちゃんの症状に気付かなかった親父にも八つ当たりして、名前っちまで遠ざけた。……ね、ここだけの話!俺ちん名前っちに負けたの」
「負けた?」
「ガチ喧嘩で」
「殴り合いで?」
「そ。へへ、情けねえよねえ、その頃にゃ俺ちんのが力も、ガタイも上。なんもかんも上だったんだよ?……それでも、最後に立ってたのは名前っちだった。んへへ、お互いボロボロでさぁ、母ちゃんの病院行って……久しぶりに母ちゃんと目を見て話したんだ。名前っちが言ってた、お前がそんなんなら母ちゃんが安心出来ねーって。……ねえ光政ちゃ」
「あぁ」
「俺ちんみてーな馬鹿は増やしたらいかんちや。光政ちゃ、名前っちになれとは言わないよ。でも、そんな馬鹿を引き摺ってってやって欲しい。ワガママ?」
「いや。……そんな事ァねえさ」