そのにじゅう
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「吐けコラ」
「おうどうなったんだコラ」
「十希夫ちゃ、顔を隠しても真っ赤なの隠せてないからね。諦めてさっさと吐いて」
「勘弁してくれ……」
「名前何があったの」
「何したの」
「早めに吐いてくれ俺の心の潤いの為に」
『いつからクロサーさんそんなキャラになった訳?』
朝起きた十希夫は名前が腕の中に居る事に非常に満足しちまって、めちゃくちゃ上機嫌に抱き締めて寝ていたのだけど昼近くなっても家に来ねえのをまさか……?と心配した(面白がった)三人がわざわざ十希夫の家まで突撃したのである。そしたら二人して抱き合いながら爆睡こいてるからオイオイオイオイとニヤニヤしながら黒澤が十希夫を起こした。すると、十希夫は寝惚けて咄嗟に名前を更に強く抱き締めて黒澤を睨んだのである。山田とタケはきゃー!なんて小声で色めきだった。
睨むんじゃねーわ馬鹿、と黒澤が声をかけると十希夫も段々覚醒して黒澤と腕の中の名前を交互に数度見て、カッッッと顔を真っ赤にしちまった。そうしていると名前が五月蝿くて半分起きて十希夫の胸に顔を擦り付けたので黒澤兄弟も崩れ落ちたし、タケは真顔で写真を撮るし十希夫はングゥッ!!!と唸っちまった。なに……?と名前が言うから客だ、と言えばちらりと見て……十希夫と同じように十希夫と山田達を数度見て死んだ。
二人は完全に覚醒して離れてベッドに正座した。そうして冒頭に戻る。めちゃくちゃ強めに聞かれる十希夫は羞恥で死にかけているしニヤニヤしながら聞かれる名前は何もないよ……と言いながらいじけたように枕で遊んでいた。いずれも顔は赤い。
「個人面談していい?」
「は?」
『あ、じゃあ私シャワー借りてくるから』
「は?」
「いってら」
『母ちゃんシャワー借りていい!!?』
「入りなー!!」
『あんがとー!!!』
「十希夫~、名前お前の家に馴染んでるなァオイ」
「やめろやめろやめろ」
名前が部屋から出て行った瞬間三人は十希夫を囲んだ。横に黒澤兄弟、前にタケ。後ろは壁。逃げられない。
「一緒に寝たんだねぇ」
「はい……」
「抱いた?」
「抱いてねえよ殺すぞ」
「付き合った?」
「…………………………………………付き合ってないです……」
「ンの童貞ヤロー」
「お前惚れた女泊まって一緒に寝てなんもねえってか?ふざけんなよ」
「いやね、一緒に寝ただけでも進歩だよ十希夫ちゃ。でもさ、流石に泊まりだよ?一晩惚れた女といるわけじゃん。腕の中に居るんだよ?感触も匂いも目の前にあるんだよ?テメーのもんにしてえなって欲ないわけ?もしかして不能だったりする?誰かに取られてもいいわけ?」
「ぐぐ……」
「タケちゃんマンキレないで」
「名前っちがコイツに擦り寄ってた」
「はい」
「信頼の証ちや。ンでもされてる側のコイツがいつまでも腹決めねーと名前っちがいずれ辛くなるしょ」
「ング」
「まぁまぁ、でもなんで告んなかったの?もしかして玉ついてない?」
「友哉、十希夫が死にかけてるから優しい言葉にしてやれ。優しい顔でドギツイ事言うな」
「……な、」
「あ?」
「なんか可愛い事言われてパニックになって……」
「おう」
「しりとりしてたら寝てた……」
「は?」
「なに?」
「しりとりしてたら寝てた……」
「馬鹿じゃねえのかアンタ」
「流石に無理だわ十希夫」
「可愛いね……中学生かな?俺ちんもう可愛いから許したわこれは」
「嘘でしょ」
「アイツめちゃくちゃ“す”攻めしてくる……」
「どうでもいい情報落とすんじゃねえ馬鹿」
「ちなみに可愛い事って?」
「何言われたの?」
「いや無理それは言えねえ」
「なんで?」
「は?なんでアイツの可愛かった言葉を言わなきゃいけねーんだ燃やすぞ」
「ンだとこの童貞ヤロー」
「付き合えもしてねー癖にコノヤロー」
「原田十希夫17歳童貞ヤロー」
「畜生」
フルボッコにされた十希夫ははーあ、なんて言いながらガシガシ頭を掻いた。実際、十希夫は昨日告白しようとは思っていた。ただ、腕の中で無防備に寝る女を見て今もし告白して断られたらその寝顔が見られなくなる、という思いと、付き合ったらその瞬間から無事に帰す保証が出来なくなるという思いで言葉を飲み込んだのだ。女の安心出来る場所を減らすのは本意ではない。それなら多少苦痛だったとしても女を尊重したかった。
と、軽く省きながら言うと嘘だろコイツみたいな顔をされた。え?断られると思ってんの?素で言ってる?素面だよね。九里虎恋愛相談所に電話していいか?今名前帰ってくるからダメ。
「いや十希夫さんね?武装連中とかでさえ同じ菓子だったのにアンタだけ違った意味は考えた?」
「え゛、いや」
「アイツが兄貴分達以外である男に抱かれて寝られるような女だと思うか?」
「う゛」
「そもそもの話していい?」
「優しく言ってくれ……」
「無理。アイツ爆睡してたでしょ。名前ね、俺達気付いてても突っ込まなかったけどずっっと熟睡なんて出来てなかったんだよ今まで」
「は」
「あの事件から、アイツが吹っ切れた後も。ちょっとした刺激でアイツは酷く怯えながら起きるんだよ、無自覚にね。その意味、ちゃんと考えろよ」
「スーーーーーーーーッ……ブッチャーの家に火付けてきて良いか……?」
「ブッチャーに八つ当たりをするな」
「深町は……?」
「ブッチャー一派になにかされたの??」
「ズルいだろが……は……?なに……?」
「まぁ、ここまで言っといてなんだけど名前も恋愛初心者だからどうだかね」
「とりあえず十希夫ちゃ出てってくれる?」
「は?」
「ほらもう戻ってくるから。これから名前っちの個人面談すっからシャワー浴びてこい、行け」
「俺ん家だぞテメー……」
そうして名前と入れ替わりに十希夫はシャワーを浴びに行った。茶の間にはちょっとニヤニヤした親父と母親がいて、母親が「落とせた?泊まったものね。落としたわよね?」と言っているのにとんでもなく渋い顔で「しりとりしてたら寝ました……」と答えたら母親に鬼の形相で背中を叩かれた。痛えよと言えばそういう奥手過ぎる所ホントにお父さんそっくり!!!と小声で凄まれた。親父は縮こまっていた。
「あれ名前っちそのブレスレットなに?」
『ん?昨日ね、とっきーに貰った』
「あ、なにお返し?良いセンスしてんじゃん十希夫ちゃ」
『ね、綺麗だよね』
そう言って口角を微かに上げたのを見て三人はウワ……となっちまった。なんだこれは。何も言えねえ。
「……ところでなんで一緒に寝てたの?」
『いつの間にか一緒に寝てた』
「大丈夫?なんか助平な事されなかった?」
『ワクワクした顔で何言ってんの??』
「しりとりして寝たんだって?」
『うん。あとね、』
俺と居るのは嫌じゃないかという言葉が急に名前の頭に過ぎった。あれ?そう言えば私昨日ハグを強請らなかったか?
『……』
「急に菩薩みてーな顔してるけど」
「名前」
「名前っち。吐きな」
『いや……大したことでは……』
「なに」
「大したことじゃねーなら言えるよね」
『あの……いや恥ずかしいから無理』
「恥ずかしいってなに!!!?」
「恥ずかしい事したの!!?」
「吐けコラ」
『ひん……』
「吐けコラ」
「おうどうなったんだコラ」
「十希夫ちゃ、顔を隠しても真っ赤なの隠せてないからね。諦めてさっさと吐いて」
「勘弁してくれ……」
「名前何があったの」
「何したの」
「早めに吐いてくれ俺の心の潤いの為に」
『いつからクロサーさんそんなキャラになった訳?』
朝起きた十希夫は名前が腕の中に居る事に非常に満足しちまって、めちゃくちゃ上機嫌に抱き締めて寝ていたのだけど昼近くなっても家に来ねえのをまさか……?と心配した(面白がった)三人がわざわざ十希夫の家まで突撃したのである。そしたら二人して抱き合いながら爆睡こいてるからオイオイオイオイとニヤニヤしながら黒澤が十希夫を起こした。すると、十希夫は寝惚けて咄嗟に名前を更に強く抱き締めて黒澤を睨んだのである。山田とタケはきゃー!なんて小声で色めきだった。
睨むんじゃねーわ馬鹿、と黒澤が声をかけると十希夫も段々覚醒して黒澤と腕の中の名前を交互に数度見て、カッッッと顔を真っ赤にしちまった。そうしていると名前が五月蝿くて半分起きて十希夫の胸に顔を擦り付けたので黒澤兄弟も崩れ落ちたし、タケは真顔で写真を撮るし十希夫はングゥッ!!!と唸っちまった。なに……?と名前が言うから客だ、と言えばちらりと見て……十希夫と同じように十希夫と山田達を数度見て死んだ。
二人は完全に覚醒して離れてベッドに正座した。そうして冒頭に戻る。めちゃくちゃ強めに聞かれる十希夫は羞恥で死にかけているしニヤニヤしながら聞かれる名前は何もないよ……と言いながらいじけたように枕で遊んでいた。いずれも顔は赤い。
「個人面談していい?」
「は?」
『あ、じゃあ私シャワー借りてくるから』
「は?」
「いってら」
『母ちゃんシャワー借りていい!!?』
「入りなー!!」
『あんがとー!!!』
「十希夫~、名前お前の家に馴染んでるなァオイ」
「やめろやめろやめろ」
名前が部屋から出て行った瞬間三人は十希夫を囲んだ。横に黒澤兄弟、前にタケ。後ろは壁。逃げられない。
「一緒に寝たんだねぇ」
「はい……」
「抱いた?」
「抱いてねえよ殺すぞ」
「付き合った?」
「…………………………………………付き合ってないです……」
「ンの童貞ヤロー」
「お前惚れた女泊まって一緒に寝てなんもねえってか?ふざけんなよ」
「いやね、一緒に寝ただけでも進歩だよ十希夫ちゃ。でもさ、流石に泊まりだよ?一晩惚れた女といるわけじゃん。腕の中に居るんだよ?感触も匂いも目の前にあるんだよ?テメーのもんにしてえなって欲ないわけ?もしかして不能だったりする?誰かに取られてもいいわけ?」
「ぐぐ……」
「タケちゃんマンキレないで」
「名前っちがコイツに擦り寄ってた」
「はい」
「信頼の証ちや。ンでもされてる側のコイツがいつまでも腹決めねーと名前っちがいずれ辛くなるしょ」
「ング」
「まぁまぁ、でもなんで告んなかったの?もしかして玉ついてない?」
「友哉、十希夫が死にかけてるから優しい言葉にしてやれ。優しい顔でドギツイ事言うな」
「……な、」
「あ?」
「なんか可愛い事言われてパニックになって……」
「おう」
「しりとりしてたら寝てた……」
「は?」
「なに?」
「しりとりしてたら寝てた……」
「馬鹿じゃねえのかアンタ」
「流石に無理だわ十希夫」
「可愛いね……中学生かな?俺ちんもう可愛いから許したわこれは」
「嘘でしょ」
「アイツめちゃくちゃ“す”攻めしてくる……」
「どうでもいい情報落とすんじゃねえ馬鹿」
「ちなみに可愛い事って?」
「何言われたの?」
「いや無理それは言えねえ」
「なんで?」
「は?なんでアイツの可愛かった言葉を言わなきゃいけねーんだ燃やすぞ」
「ンだとこの童貞ヤロー」
「付き合えもしてねー癖にコノヤロー」
「原田十希夫17歳童貞ヤロー」
「畜生」
フルボッコにされた十希夫ははーあ、なんて言いながらガシガシ頭を掻いた。実際、十希夫は昨日告白しようとは思っていた。ただ、腕の中で無防備に寝る女を見て今もし告白して断られたらその寝顔が見られなくなる、という思いと、付き合ったらその瞬間から無事に帰す保証が出来なくなるという思いで言葉を飲み込んだのだ。女の安心出来る場所を減らすのは本意ではない。それなら多少苦痛だったとしても女を尊重したかった。
と、軽く省きながら言うと嘘だろコイツみたいな顔をされた。え?断られると思ってんの?素で言ってる?素面だよね。九里虎恋愛相談所に電話していいか?今名前帰ってくるからダメ。
「いや十希夫さんね?武装連中とかでさえ同じ菓子だったのにアンタだけ違った意味は考えた?」
「え゛、いや」
「アイツが兄貴分達以外である男に抱かれて寝られるような女だと思うか?」
「う゛」
「そもそもの話していい?」
「優しく言ってくれ……」
「無理。アイツ爆睡してたでしょ。名前ね、俺達気付いてても突っ込まなかったけどずっっと熟睡なんて出来てなかったんだよ今まで」
「は」
「あの事件から、アイツが吹っ切れた後も。ちょっとした刺激でアイツは酷く怯えながら起きるんだよ、無自覚にね。その意味、ちゃんと考えろよ」
「スーーーーーーーーッ……ブッチャーの家に火付けてきて良いか……?」
「ブッチャーに八つ当たりをするな」
「深町は……?」
「ブッチャー一派になにかされたの??」
「ズルいだろが……は……?なに……?」
「まぁ、ここまで言っといてなんだけど名前も恋愛初心者だからどうだかね」
「とりあえず十希夫ちゃ出てってくれる?」
「は?」
「ほらもう戻ってくるから。これから名前っちの個人面談すっからシャワー浴びてこい、行け」
「俺ん家だぞテメー……」
そうして名前と入れ替わりに十希夫はシャワーを浴びに行った。茶の間にはちょっとニヤニヤした親父と母親がいて、母親が「落とせた?泊まったものね。落としたわよね?」と言っているのにとんでもなく渋い顔で「しりとりしてたら寝ました……」と答えたら母親に鬼の形相で背中を叩かれた。痛えよと言えばそういう奥手過ぎる所ホントにお父さんそっくり!!!と小声で凄まれた。親父は縮こまっていた。
「あれ名前っちそのブレスレットなに?」
『ん?昨日ね、とっきーに貰った』
「あ、なにお返し?良いセンスしてんじゃん十希夫ちゃ」
『ね、綺麗だよね』
そう言って口角を微かに上げたのを見て三人はウワ……となっちまった。なんだこれは。何も言えねえ。
「……ところでなんで一緒に寝てたの?」
『いつの間にか一緒に寝てた』
「大丈夫?なんか助平な事されなかった?」
『ワクワクした顔で何言ってんの??』
「しりとりして寝たんだって?」
『うん。あとね、』
俺と居るのは嫌じゃないかという言葉が急に名前の頭に過ぎった。あれ?そう言えば私昨日ハグを強請らなかったか?
『……』
「急に菩薩みてーな顔してるけど」
「名前」
「名前っち。吐きな」
『いや……大したことでは……』
「なに」
「大したことじゃねーなら言えるよね」
『あの……いや恥ずかしいから無理』
「恥ずかしいってなに!!!?」
「恥ずかしい事したの!!?」
「吐けコラ」
『ひん……』