『ねえ黒澤友哉』
「珍しいね山田くんって呼ばないの」
『最近すげー面倒なのに付きまとわれてんだよね。助けて。』
「なに銀次？そう言えば昨日来てたよね」
『ちっっっっっげーーーよ。銀次は昨日殴ったからいい。』
「解ってるよ、あの教室のドアの所で熱い視線送ってるあの子でしょ」
『大正解』


「苗字せんぱーい！おはよーございまぁす！！」


『「……はぁ。」』


その女の名前は楠木恵里菜。加地屋のお隣中学校で1個下なので関わりがないにも関わらずその悪評は加地屋や山田くんの京華にまで広がっていたクソ女である。

最近コイツにストーカーされてます。


「待ってなんで？関わりないじゃんストーカーされるいわれねーじゃん」
『……楠木の名前は知ってたけど顔は知らんかったんだよね。この前鈴蘭の馬鹿に絡まれてたから助けたんだよ。そしたらあれ』
「馬鹿かよ、簡単に人助けするんじゃありません」
『いや女の子には優しくしなさいって十三が……』


楠木恵里菜の悪評とは、そのストーカー気質にあった。簡単に言えば「ぅちらズッ友だょね？」みたいな人だ。小文字打たせんなよ解んねーんだよ。
もっと言えば惚れやすい。とても惚れやすい。なんと言うか噂しか聞いていないがすごーく惚れやすいらしい。彼女いる男だろうがなんだろうがとにかく付き合うor誘惑オッケーいやっはーな人なんだとか。そして、ズッ友だょ？のズッ友の彼氏やら男友達とかを狙いまくるのも有名ですありがとうございます。


『ちなみに加地屋であれと付き合った奴友達にいるんだけどさ、女友達、クラスメイト、先生とも話すのもダメだとか親もダメだとか1日中会ってなきゃダメだとか』
「うわぁあああ無理いいいい俺ほんと無理そーいう女本当マジで。つーかあの噂本当なら名前やばいじゃん」
『え、別にいいよ私に関係ないし』
「惚れただけの男でも他の女話すのダメー言われんだぞ」
『それこそ私に関係ないやん？』
「うわぁいい笑顔」