そのじゅうきゅう
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「落ち着きなって」
「どうやって」
「まず深呼吸しな?」
「スーーーーーーーーーーーーーッ……」
「深呼吸って知ってる?吸ってばっかじゃ駄目なんだよ?急にポンコツになるの辞めろ?」
「さっきの誰って言った?」
「坊屋春道、名前くらい軍司さんから聞いてるでしょ。つか知らねえ奴居ないだろ鈴蘭で。俺だってマサさんと秀吉さんに馬鹿みたいに話されたのに」
「あ゛~……畜生……顔が広すぎるんだアイツは……」
「それはそう。ま、感謝した方が良いんじゃない?昔、鈴蘭がリンダマン以外マジで無理だった名前の考えを改めさせたのはあの人らしいから」
「マジか?」
「大マジ」
美藤真喜雄が当時鈴蘭だった川西に刺し殺されてから名前はしばらく鈴蘭が嫌いになった。一時期は桂木や林田と距離を置く程に。二人と再び話すようになってからも鈴蘭を嫌悪していた。鈴蘭に転校はしたけど武装判定で懐いていた阪東と絡む千田を見付けりゃとんでもねえ目で睨み付け、山崎を見りゃ親指を下に向けた。当時はヒロミやマコ、ポンの海老塚三人衆でさえ嫌っていたという。
そんな名前を変えたのは坊屋春道だ。馬鹿やってる阪東に呆れていたら、阪東一派は突如現れた金髪の男に吹っ飛ばされたと。ウケる~、と思っていたら今度はあの林田がその男に負けたと言ってるでは無いか(実際引き分けなのだけど)。
そんな強いの?怖い人?と聞く名前に林田は「アイツは他の奴と違うぞ」と言ったのだと。だからチラッと会いに行ったら……すぐにその人柄に魅了されちまったのだと、前に言っていた。
「あの人が居なかったら十希夫くん、未だに懐いても貰えなかったかもよ?」
「そりゃありがてえ話だな」
「有難いって顔してないけど?」
「抱き着くのは無理」
「付き合ってもねーくせに原田十希夫17歳童貞ヤローが」
「お前前から思ってたけど生意気じゃねーか……?」
「八つ当たりすんなよ~。これからタケちゃんの見舞い行くけど一緒に行く?」
「見舞い?」
「風邪引いたの。母ちゃん病弱だったから父ちゃんめちゃくちゃ心配しちまって今軟禁中なのね。寂しいんだって。名前居ないし、タケちゃん構ってやってよ」
「……………………良いけどよ」
なんだかんだ後輩認定してる奴には甘い男である。山田はふはは!と笑って歩き出した。煙草吸う?吸う。
「あ」
「あ?」
「こンの不良娘がーーーーーーーッ!!!!」
『はァーーーーーーん?????!竜男くん倒して日本最強の不良(笑)とか呼ばれた男がよく言うわ!!!!!!え?恵ちゃんには勝てましたっけ?(笑)』
「こ、コノヤロー……」
『きゃー!!!!!!えっち!!!変態!!!春道くんがそんなんだからヤスくんが佐川と揃ってアンラッキーコンビとか言われんだよ!!!』
「は?俺の舎弟になれて死ぬほど幸せだろがヤスは」
『それ本人から聞いた?言わせたとかじゃなく?』
「……………………………………………………アイツどこに住んでたっけな」
『突撃してやるなヤスくんの胃を殺す気?良いからこの手離してくれる?』
「生意気な妹の躾にゃ十分だろ」
『えっちーーーーーーーッ!!!!!!!』
「誤解されるような事叫ぶな馬鹿!!!」
春道と名前は道端でわちゃわちゃ口喧嘩しながら歩いていた。生意気抜かす頬っぺたを摘んだ春道にひたすらえっちーーーーーーーッ!!!!と叫び、名前はパタパタ暴れている。それでもなんだか二人は楽しそうだった。ま、どう見ても同世代のガキが遊んでるみたいな顔だけど。
「楽しそうだね」
「ホントにな。……あれ本当にあの坊屋春道か?」
「う~ん俺も見るの初めてだしなぁ。タケちゃんは会ったことあるみたいだけど、気のいいお兄さんとしか言ってなかったし」
そこで春道が二人に気付く。あれさっきお前と一緒に居たやつじゃねーか?と。名前はげっ……と声を出して、春道に抱き着いた。原田十希夫の顔は死んだ。
『山田ァーーーーーーーッ!!!とっきー連れて逃げろ!!!!』
「え?」
「なんて?」
『鈴蘭生なんて見たらこのアンポンタンすぐ弄っちまうでしょうが!!!行け!!!!』
「随分人聞きが悪いな~オイ」
『あ゛あ゛あ゛あ゛この馬鹿力!!!!』
春道は腰に抱き着いてる名前をそのまま引き摺って二人に近付いた。よ!と。なになになに。仕方ねえなと名前が腕を離す。
『春道兄ちゃん、コイツ友哉。友達』
「おう、名前が世話になってるな」
「はいとっても」
『おい?』
「んで?お前鈴蘭だって?」
「ッス」
『軍司さんの直の後輩だよ、十希夫くん』
「お~軍司のか!よろしくな!」
「あ、ども……」
「んでなんだけどよ」
『まって』
「名前のかれングゥッ!!!!!?」
とんでもねえ勢いの右フックが春道の鳩尾を襲う。これには二人もびっくりしたけど名前はニッコニコ笑って春道の頬っぺたを両手でべち!!!とした。
『春道く~ん?そろそろいい加減にしなさいよ』
「や、だってよ……気になるじゃねえかよ……」
『嫌いになるよ』
「え゛っ」
『嫌いになるよ』
「名前待ってくれ」
『坊屋先輩』
「う゛ッッッッッッ」
可愛がってた妹分に初めて苗字で呼ばれて春道は心臓を抑えて蹲った。全くこの人は……と溜め息を吐きながら二人を見遣る。
『私この馬鹿ちょっと三郎くんに放り投げてくるからら、山田とっきーとタケちゃん頼むね』
「おっけー」
「名前」
『ん?』
「……いや」
「あんま男に抱き着くなよってさ」
「おいコラ……?」
十希夫は突然の裏切りに山田の首に腕を回した。焦れったいんだよお前。名前はお兄ちゃんやが……?なんて惚けた事を言ってるけれど。
「は????コイツが名前の彼氏か?!」
「ぶっ」
『ゲホッゲホッゴホッ』
「あ~なるほどね」
「落ち着きなって」
「どうやって」
「まず深呼吸しな?」
「スーーーーーーーーーーーーーッ……」
「深呼吸って知ってる?吸ってばっかじゃ駄目なんだよ?急にポンコツになるの辞めろ?」
「さっきの誰って言った?」
「坊屋春道、名前くらい軍司さんから聞いてるでしょ。つか知らねえ奴居ないだろ鈴蘭で。俺だってマサさんと秀吉さんに馬鹿みたいに話されたのに」
「あ゛~……畜生……顔が広すぎるんだアイツは……」
「それはそう。ま、感謝した方が良いんじゃない?昔、鈴蘭がリンダマン以外マジで無理だった名前の考えを改めさせたのはあの人らしいから」
「マジか?」
「大マジ」
美藤真喜雄が当時鈴蘭だった川西に刺し殺されてから名前はしばらく鈴蘭が嫌いになった。一時期は桂木や林田と距離を置く程に。二人と再び話すようになってからも鈴蘭を嫌悪していた。鈴蘭に転校はしたけど武装判定で懐いていた阪東と絡む千田を見付けりゃとんでもねえ目で睨み付け、山崎を見りゃ親指を下に向けた。当時はヒロミやマコ、ポンの海老塚三人衆でさえ嫌っていたという。
そんな名前を変えたのは坊屋春道だ。馬鹿やってる阪東に呆れていたら、阪東一派は突如現れた金髪の男に吹っ飛ばされたと。ウケる~、と思っていたら今度はあの林田がその男に負けたと言ってるでは無いか(実際引き分けなのだけど)。
そんな強いの?怖い人?と聞く名前に林田は「アイツは他の奴と違うぞ」と言ったのだと。だからチラッと会いに行ったら……すぐにその人柄に魅了されちまったのだと、前に言っていた。
「あの人が居なかったら十希夫くん、未だに懐いても貰えなかったかもよ?」
「そりゃありがてえ話だな」
「有難いって顔してないけど?」
「抱き着くのは無理」
「付き合ってもねーくせに原田十希夫17歳童貞ヤローが」
「お前前から思ってたけど生意気じゃねーか……?」
「八つ当たりすんなよ~。これからタケちゃんの見舞い行くけど一緒に行く?」
「見舞い?」
「風邪引いたの。母ちゃん病弱だったから父ちゃんめちゃくちゃ心配しちまって今軟禁中なのね。寂しいんだって。名前居ないし、タケちゃん構ってやってよ」
「……………………良いけどよ」
なんだかんだ後輩認定してる奴には甘い男である。山田はふはは!と笑って歩き出した。煙草吸う?吸う。
「あ」
「あ?」
「こンの不良娘がーーーーーーーッ!!!!」
『はァーーーーーーん?????!竜男くん倒して日本最強の不良(笑)とか呼ばれた男がよく言うわ!!!!!!え?恵ちゃんには勝てましたっけ?(笑)』
「こ、コノヤロー……」
『きゃー!!!!!!えっち!!!変態!!!春道くんがそんなんだからヤスくんが佐川と揃ってアンラッキーコンビとか言われんだよ!!!』
「は?俺の舎弟になれて死ぬほど幸せだろがヤスは」
『それ本人から聞いた?言わせたとかじゃなく?』
「……………………………………………………アイツどこに住んでたっけな」
『突撃してやるなヤスくんの胃を殺す気?良いからこの手離してくれる?』
「生意気な妹の躾にゃ十分だろ」
『えっちーーーーーーーッ!!!!!!!』
「誤解されるような事叫ぶな馬鹿!!!」
春道と名前は道端でわちゃわちゃ口喧嘩しながら歩いていた。生意気抜かす頬っぺたを摘んだ春道にひたすらえっちーーーーーーーッ!!!!と叫び、名前はパタパタ暴れている。それでもなんだか二人は楽しそうだった。ま、どう見ても同世代のガキが遊んでるみたいな顔だけど。
「楽しそうだね」
「ホントにな。……あれ本当にあの坊屋春道か?」
「う~ん俺も見るの初めてだしなぁ。タケちゃんは会ったことあるみたいだけど、気のいいお兄さんとしか言ってなかったし」
そこで春道が二人に気付く。あれさっきお前と一緒に居たやつじゃねーか?と。名前はげっ……と声を出して、春道に抱き着いた。原田十希夫の顔は死んだ。
『山田ァーーーーーーーッ!!!とっきー連れて逃げろ!!!!』
「え?」
「なんて?」
『鈴蘭生なんて見たらこのアンポンタンすぐ弄っちまうでしょうが!!!行け!!!!』
「随分人聞きが悪いな~オイ」
『あ゛あ゛あ゛あ゛この馬鹿力!!!!』
春道は腰に抱き着いてる名前をそのまま引き摺って二人に近付いた。よ!と。なになになに。仕方ねえなと名前が腕を離す。
『春道兄ちゃん、コイツ友哉。友達』
「おう、名前が世話になってるな」
「はいとっても」
『おい?』
「んで?お前鈴蘭だって?」
「ッス」
『軍司さんの直の後輩だよ、十希夫くん』
「お~軍司のか!よろしくな!」
「あ、ども……」
「んでなんだけどよ」
『まって』
「名前のかれングゥッ!!!!!?」
とんでもねえ勢いの右フックが春道の鳩尾を襲う。これには二人もびっくりしたけど名前はニッコニコ笑って春道の頬っぺたを両手でべち!!!とした。
『春道く~ん?そろそろいい加減にしなさいよ』
「や、だってよ……気になるじゃねえかよ……」
『嫌いになるよ』
「え゛っ」
『嫌いになるよ』
「名前待ってくれ」
『坊屋先輩』
「う゛ッッッッッッ」
可愛がってた妹分に初めて苗字で呼ばれて春道は心臓を抑えて蹲った。全くこの人は……と溜め息を吐きながら二人を見遣る。
『私この馬鹿ちょっと三郎くんに放り投げてくるからら、山田とっきーとタケちゃん頼むね』
「おっけー」
「名前」
『ん?』
「……いや」
「あんま男に抱き着くなよってさ」
「おいコラ……?」
十希夫は突然の裏切りに山田の首に腕を回した。焦れったいんだよお前。名前はお兄ちゃんやが……?なんて惚けた事を言ってるけれど。
「は????コイツが名前の彼氏か?!」
「ぶっ」
『ゲホッゲホッゴホッ』
「あ~なるほどね」