『別になんもいらねーんだって。毎年くれるサンタさんのぬいぐるみは可愛いし』
「……」
『ん？』
「やる」
『ん？』


寿がぽいっと放ったのは小さな箱。可愛いラッピングだ、よくこんな可愛いもの持ってたなコイツ。恥ずかしくなかったのか。


『なんこれ』
「クリスマス」
『いやそうじゃない』
「開けろ」
『…』


開けると、箱には小さなシンプルな指輪とチェーンが入っていた。なにこれ可愛い。


『って、おい』
「高くねーよ。受け取らねーと一切話さねーからな」
『え、待って』
「家の出入りも禁止にする」
『……ありがとう』


指輪にチェーンを通して首にかける。寿が鼻で笑ったので私が受け取るか不安だったんだろう。


『そんな寿ちゃんにはいプレゼント』
「あ？」


寿にとても可愛いリボンのラッピングをした箱を渡す。言わずもがな嫌がらせも兼ねてます。


「……サングラス？」
『この前似合いそうなのあったからさー！買っちゃったのね！』
「このラッピングは？」
『嫌がらせ』
「だよな死ね」
『死なぬ』


でも寿が凄く嬉しそうなので良かったです。
そんなこんなでデートは終わりました。




[名前はプレゼントいらねーってよ]



「……またぬいぐるみ買わなきゃいけねーじゃねーかこの野郎天地ぃぃいいいいい！！！！」