『え？拓海今日帰ってこない？』
「おー、なんか野暮用だってよ」
「女か？！」
『…拓海、将五、連絡の取れない寿ちゃん…。私一回家帰るよ』
「ん、そうか？」
『んー。行ってくる』


おー行ってこーい。と間の抜けた花ちゃんの声を聞いて自宅（村田家）へ向かった。




家に鍵はかかっておらず、すんなり中に入る事が出来た。だが玄関には見覚えのない靴が。茶の間からは怒声。うん、嫌な予感しかしない。

まぁ知らんが。そのまま茶の間へ入ろうとするとバンッ！と将五が出て来て通せんぼ。


「…今日帰ってくんなって言ったろ」
『おう兄ちゃん誰来てんのかな？とりあえず退けや』
「やなこった。天地の家にでも行け」
『玄関にマイダーリンの靴確認したんだけど。』
「なーにがマイダーリンだきめーんだよ」
『なんだい将五言って欲しいなら言ってあげるよマイペット』
「誰がペットか」


いいから、とりあえず良くなったら呼ぶからせめて部屋行っとけ。
そう言おうとした将五の後ろの扉が勢い良く開いた。そこには立派なスーツを着たハゲ、ハゲ。


「名前！『誰このハゲたオッサン。カツアゲなら外でやれよ』
「おい違うから。ちょっと二階上がってろ」
「、名前！俺だ、解らないのか？」
『十三ー、誰よこの人。なんで私の名前知ってんの』
「ほっとけ。お前のストーカーだ二階上がってろ」
『私とうとうストーカーが…。』
「、お前の父親だ！！」


皆が揃ってあ、という顔をした。寿は殺気出してる。なんだ父親か。


『すんません父親は死んだって兄に聞いてるので』
「いや目の前にいるだろ！」
『何年も会ってないからっつーか顔なんかまともに見てないから覚えてないですよー。つーか、私の父親ならもっと髪生えてんだろいい加減にしろオッサン』
「いいぞ名前もっと言ってやれ！」
「お前、父親に向かって！！」


そう手を振り上げる自称父親。将五が急いで私の前に出て庇おうとした。だがその拳は将五に当たることはなかった。


「俺の家族に手ぇ出してんなよオッサンよ」