そのにじゅう
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「何の用だ」
俺が拓海と合流して家に戻ると、家の前で兄貴が男と話していた。確かに名前の父親だ、昔見たきりだが面影がある。
「言ってるだろう、俺の娘はどこだ」
「お前の娘?ふざけた事抜かすなよ。あれはうちの家族だ。大体今まで放っておいてどういう風の吹き回しだ。」
「いや、アレは確かに俺の娘だ、引き取らせてもらう」
「おう日本語通じてるか?どういう、風の、吹き回しだ?あ?」
「こ、怖い」
「ガチギレじゃねーか」
「でも当たり前だよな。名前の事捨てて施設にまで入れようとまで言った野郎だ」
「許せる訳がねーよな」
「つーか中でやれよ」
「あの人うちの親に殴られかけて村田家トラウマになってんだ」
「あぁ、将五の母さんレディースだったもんね…」
「…しかもアンタ向こうで再婚したらしいじゃねーか。」
「妻は子供に恵まれなくてな。」
「だからあの時捨てた娘をわざわざ呼ぼうってか」
「ちょうど娘を欲しがっていた所だ。あんな気味悪い娘でももう大人だ、少しくらい人と付き合えるだろう。このままこっちにいたって身寄りが無いんだからな」
「…」
「それにしてもなんであの娘を頑なに家族家族と呼んでいるのかが解らないな。あの子供は言葉も話せないだろう」
「(落ち着け俺。コイツは馬鹿だから何言っても通じねー。落ち着け俺。)」
十三だって考えなしで人を殴れる年ではないのだ。こういう時ばかりやんちゃしてた時に戻りたくなる。
正直、名前を本当の妹のように思って育ててきた十三は限界だった。名前は知らない、小3の頃コイツがいなくなり、1年後に児童養護施設に預けて動物のように里親に出そうとしていた事を。無論村田家の両親と十三が許すわけもなかったが。
「(誰かコイツ殴ってくんねーかなそしたら色々対処出来るんだが)」
「兄貴苛立ってるな」
「殴る訳いかないからな。」
そこに通りがかったのは学校をサボって帰って来た天地寿である。彼は村田家の前で十三と見知らぬ男が言い争っている所とそこに行きたそうで行けない幼馴染み(不本意)を見て道を変えようとしたが、次の瞬間思考が吹き飛んだ。
「じゃあなんだ!名前がまともに育つと思っているのか!?あんなまともに言葉も話せない子が!アレなんか俺の子かどうかも解らないんだ、それをわざわざ引き取ってやろうって言ってるんだぞ!!」
「…あ?」
「どこかの浮気相手の子だ、俺の子ならもっとまともに育っている筈だ!アレは少し足りないんだよ。お前達もそんなのを抱えていたくないだろう?」
「…テメェ、言わせておけば」
「何抜かしてんだ死ねクソジジイ」
「ぐはっ!!!」
助走をつけて天地は父親にドロップキックをかました。その目はまさに人を殺す勢いである。それもその筈だ、天地にとって彼女の悪口を言う者は全て敵なのだから(不本意)。
突然起きた事態に即座に反応出来たのは村田十三その人である。
「あーうちの近所のガキが悪いなぁー苗字サンよ。謝りてえから家、入れや」
来い将五、拓海。天地、取り押さえろ。ウッス
まんまと家に招待する事に成功したのである。
俺が拓海と合流して家に戻ると、家の前で兄貴が男と話していた。確かに名前の父親だ、昔見たきりだが面影がある。
「言ってるだろう、俺の娘はどこだ」
「お前の娘?ふざけた事抜かすなよ。あれはうちの家族だ。大体今まで放っておいてどういう風の吹き回しだ。」
「いや、アレは確かに俺の娘だ、引き取らせてもらう」
「おう日本語通じてるか?どういう、風の、吹き回しだ?あ?」
「こ、怖い」
「ガチギレじゃねーか」
「でも当たり前だよな。名前の事捨てて施設にまで入れようとまで言った野郎だ」
「許せる訳がねーよな」
「つーか中でやれよ」
「あの人うちの親に殴られかけて村田家トラウマになってんだ」
「あぁ、将五の母さんレディースだったもんね…」
「…しかもアンタ向こうで再婚したらしいじゃねーか。」
「妻は子供に恵まれなくてな。」
「だからあの時捨てた娘をわざわざ呼ぼうってか」
「ちょうど娘を欲しがっていた所だ。あんな気味悪い娘でももう大人だ、少しくらい人と付き合えるだろう。このままこっちにいたって身寄りが無いんだからな」
「…」
「それにしてもなんであの娘を頑なに家族家族と呼んでいるのかが解らないな。あの子供は言葉も話せないだろう」
「(落ち着け俺。コイツは馬鹿だから何言っても通じねー。落ち着け俺。)」
十三だって考えなしで人を殴れる年ではないのだ。こういう時ばかりやんちゃしてた時に戻りたくなる。
正直、名前を本当の妹のように思って育ててきた十三は限界だった。名前は知らない、小3の頃コイツがいなくなり、1年後に児童養護施設に預けて動物のように里親に出そうとしていた事を。無論村田家の両親と十三が許すわけもなかったが。
「(誰かコイツ殴ってくんねーかなそしたら色々対処出来るんだが)」
「兄貴苛立ってるな」
「殴る訳いかないからな。」
そこに通りがかったのは学校をサボって帰って来た天地寿である。彼は村田家の前で十三と見知らぬ男が言い争っている所とそこに行きたそうで行けない幼馴染み(不本意)を見て道を変えようとしたが、次の瞬間思考が吹き飛んだ。
「じゃあなんだ!名前がまともに育つと思っているのか!?あんなまともに言葉も話せない子が!アレなんか俺の子かどうかも解らないんだ、それをわざわざ引き取ってやろうって言ってるんだぞ!!」
「…あ?」
「どこかの浮気相手の子だ、俺の子ならもっとまともに育っている筈だ!アレは少し足りないんだよ。お前達もそんなのを抱えていたくないだろう?」
「…テメェ、言わせておけば」
「何抜かしてんだ死ねクソジジイ」
「ぐはっ!!!」
助走をつけて天地は父親にドロップキックをかました。その目はまさに人を殺す勢いである。それもその筈だ、天地にとって彼女の悪口を言う者は全て敵なのだから(不本意)。
突然起きた事態に即座に反応出来たのは村田十三その人である。
「あーうちの近所のガキが悪いなぁー苗字サンよ。謝りてえから家、入れや」
来い将五、拓海。天地、取り押さえろ。ウッス
まんまと家に招待する事に成功したのである。