「おはよー久しぶり。なんでお腹膨れてんの？太った？」
『山田くんさぁ、休み明けから辛辣なんだけど。実はさぁ』


お腹から出したのは子犬。雑種ですね、可愛い。


「え、なに。拾ったの？」
『可愛くて』
「お前の顔で可愛いとか抜かすの？」
『待って本当キャラブレッブレだから。あ、この前お兄さんに会ったよ』
「聞いたよ、変なのに会ったとか算数出来ない馬鹿に付き合わされたとか」
『その節は本当に』
「俺に言ってくれたら教えたのに。あ、もう酷さは聞いたからないよ」
『マジかお前マジか。犬飼わない？』
「兄貴犬好きすぎて飼えない」
『ほわっつ』
「前飼った犬が最近」
『あーあーごめん本当ごめん』
「家出して帰ってきた」
『帰ってきたのかよ！！！？』


シリアス返せよ！と叫ぶとこの話シリアスじゃないだろ、とマジ顔で返された。いやそうなんだけども。

始業式は保健室。常連です。犬いるし。


始業式が終わって、犬抱っこして山田くんと帰ります。


「んで？どうするのそのわんこ」
『わんこ。』
「そば？」
『食べたいね』
「あのさ、最近兄貴に「胸焼けするから目の前で食うな」って言われるんだ。この胃拡張は名前のせいなんですけど」
『え、じゃあ明日お前ん家でケーキ作って食べない？』
「乗った。放課後ね」



さて、帰りますか