いちねんせい じゅうさん!
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「よォチビ助」
『こんにちはド悪党』
「おっ切り返しが良いな今日」
ダハハ!と笑って室戸康明くんは名前の背をバシバシ叩いた。名前は迎えに来れない天地が最近疲れているので、明日はお休みだしお酒のツマミでも作ってあげましょとザンギ(唐揚げ北海道版)の材料を買いに来ていた。スーパーから出て指に食い込むビニールにちょっとしょぼしょぼした顔をして歩いていると康明が後ろからついっと顔を出して馬鹿にしてきたというわけ。
「なに、お前重いのそれ」
『うん』
「何作んだ」
『ザンギ』
「ざんぎ?」
『唐揚げ北海道版』
「ふぅん。寿の分も?」
『そう』
「持ってやろっか」
『大丈夫?中に卵も入ってるんだけど割れないように持てる?』
「ガキじゃねーんだぞ」
ほれ寄越せ、とビニール袋をかっさらうので名前はジト目でダボダボジャージの裾を引っ張った。普段大抵の人がこうやって重いだろと物を持ってくれたら何を思ってても『ありがと!』とかわゆく笑えるのだけれど、何故だか名前は康明に言う気になれなかった。と、いうか、康明や善明を見ているとどうにも不思議な気持ちになる。顔が恐ろしいし発する言葉もクソ程怖いのに、何故だか怖くなくて生意気な気持ちがムクムク湧いてきちまうのである。
「おいクソチビ服伸びるだろ」
『伸びなくてもダボダボじゃん』
「おっ生意気だなおめー、待ってろ蜘蛛捕まえてきてやっから」
『は?この時期もう蜘蛛さん死んでますけど?』
「知らねーのかお前まだギリギリあーいう公園のベンチ裏とかでけー石の下とかよ……」
『や゛ーーーッ!ばか!』
「うるせーよ」
そうして並んで馬鹿みたいな事を話している二人は似ていないけれど、なんとなく兄妹みたいであった。思えば、お互いクソな父親を持つもの同士、ほんのちょっぴり気が合うのかも知れない。
『ありがと』
「おー、雇い主によろしくな」
『雇われてるの』
「あー、いや。さあな」
『変なコウメくん』
「呼び方辞めろ。それなら兄貴どうなるんだよ」
『ぜんめさん』
「ふは」
バイバイとした後家に入って手を洗う。さ、あの人が帰ってきたら出来てるように作ってしまおう。喜んでくれるだろうかとクフクフ笑って米を研ぐ。あ、今日はわかめご飯にしようかしら。寿くん好きかなぁわかめご飯。
「よォチビ助」
『こんにちはド悪党』
「おっ切り返しが良いな今日」
ダハハ!と笑って室戸康明くんは名前の背をバシバシ叩いた。名前は迎えに来れない天地が最近疲れているので、明日はお休みだしお酒のツマミでも作ってあげましょとザンギ(唐揚げ北海道版)の材料を買いに来ていた。スーパーから出て指に食い込むビニールにちょっとしょぼしょぼした顔をして歩いていると康明が後ろからついっと顔を出して馬鹿にしてきたというわけ。
「なに、お前重いのそれ」
『うん』
「何作んだ」
『ザンギ』
「ざんぎ?」
『唐揚げ北海道版』
「ふぅん。寿の分も?」
『そう』
「持ってやろっか」
『大丈夫?中に卵も入ってるんだけど割れないように持てる?』
「ガキじゃねーんだぞ」
ほれ寄越せ、とビニール袋をかっさらうので名前はジト目でダボダボジャージの裾を引っ張った。普段大抵の人がこうやって重いだろと物を持ってくれたら何を思ってても『ありがと!』とかわゆく笑えるのだけれど、何故だか名前は康明に言う気になれなかった。と、いうか、康明や善明を見ているとどうにも不思議な気持ちになる。顔が恐ろしいし発する言葉もクソ程怖いのに、何故だか怖くなくて生意気な気持ちがムクムク湧いてきちまうのである。
「おいクソチビ服伸びるだろ」
『伸びなくてもダボダボじゃん』
「おっ生意気だなおめー、待ってろ蜘蛛捕まえてきてやっから」
『は?この時期もう蜘蛛さん死んでますけど?』
「知らねーのかお前まだギリギリあーいう公園のベンチ裏とかでけー石の下とかよ……」
『や゛ーーーッ!ばか!』
「うるせーよ」
そうして並んで馬鹿みたいな事を話している二人は似ていないけれど、なんとなく兄妹みたいであった。思えば、お互いクソな父親を持つもの同士、ほんのちょっぴり気が合うのかも知れない。
『ありがと』
「おー、雇い主によろしくな」
『雇われてるの』
「あー、いや。さあな」
『変なコウメくん』
「呼び方辞めろ。それなら兄貴どうなるんだよ」
『ぜんめさん』
「ふは」
バイバイとした後家に入って手を洗う。さ、あの人が帰ってきたら出来てるように作ってしまおう。喜んでくれるだろうかとクフクフ笑って米を研ぐ。あ、今日はわかめご飯にしようかしら。寿くん好きかなぁわかめご飯。