いちねんせい じゅうに!
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『へっぷし!』
「……」
『ッくしゅっ!ま゛~!!!!』
「……」
『は、は、』
「おい」
『あ゛ッ止まっちゃった……゛』
「風邪か」
『胡椒吸い込んじゃった……』
「なんで胡椒……???」
風呂からあがったらずっと名前がクシャミしてるから聞けば胡椒を詰め替えていたらしい。鼻がムズムズして気持ち悪いとしわくちゃな顔をしてるのでスリスリ頭を撫でる。おい濡れてんぞちゃんと乾かせ全くお前は。
『あのねえ』
「ん」
『抱っこ』
「あ?」
『抱っこ』
急になんだってんだ、と眉間に皺を寄せる。マ別に断る理由も無し、胡座をかいた膝をぽんと叩くとのそのそお邪魔します……なんて言いながら乗ってきた。むぎゅ……と頬っぺたを頬に押し付けてくるのでなんだなんだと背を撫でる。
「おい」
『……』
「どうした」
『……』
「おい、」
『……』
「名前」
『もうちょいもち゛っとして』
「煙草吸うから退けろ」
『やだ』
「なんだってんだ」
『……』
「……」
『……』
「煙草吸わせろ」
『吸えば』
「燃えるぞ」
『燃やせば』
「おいって……」
ただの甘えたちゃんである。定期的に生理前の症状が出るから困ったもので今回はひっつき虫。お前はいつ生理が来るんだ。毎度パニクりそうだからよ。
しょうがねえな、と正面から抱き着く名前を抱き直して横抱きにする。背を支えたら右手が空くのでようやっと煙草にありつけた。
『くさ』
「なら膝から降りろ」
『は?』
「なんで俺がキレられてんだよ」
『……』
「アイス食うか」
『あるの?』
「ない」
『は?』
「買いに行くか」
『いく』
「煙草吸ったらな」
『ん』
ひっつき虫を抱えながら煙を吐き出す。今日善明とかに懐いていたけれど、結局のところ一番懐いてるのは天地なのだからなんとも言えない。こうやってぎゅうぎゅうに抱き着くのも、もっと撫でろと頭を擦り付けてくるのも天地にだけ。
最も、天地しか居なかったというだけの話。親に愛されるどころか虐げられる事しかなかった女が、一番最初に甘えられる人間を見付けた。それが天地だったというだけ。もし、天地以上に甘えられる、温かみをくれる人間が現れたのなら。
天地の目が徐々に剣呑な色を帯びていく。天地は室戸兄弟の事も、他の連中も全て駒としか見ていない。金で雇っている戦闘員。そんな奴等にでもこの女は危害が加えられないなら懐くのだろう、昼間のように、いずれこの手の中から去っていくのだろう
『寿くん』
「……」
『寿くんから私の匂いする』
「ング」
そりゃそうだ、一緒に暮らしてるようなモンなのだから。天地は今の今まで頭を占めていたドス黒いモヤを振り払って名前の頬を撫でた。絆されている自分なんて認めたくはなかった。
『へっぷし!』
「……」
『ッくしゅっ!ま゛~!!!!』
「……」
『は、は、』
「おい」
『あ゛ッ止まっちゃった……゛』
「風邪か」
『胡椒吸い込んじゃった……』
「なんで胡椒……???」
風呂からあがったらずっと名前がクシャミしてるから聞けば胡椒を詰め替えていたらしい。鼻がムズムズして気持ち悪いとしわくちゃな顔をしてるのでスリスリ頭を撫でる。おい濡れてんぞちゃんと乾かせ全くお前は。
『あのねえ』
「ん」
『抱っこ』
「あ?」
『抱っこ』
急になんだってんだ、と眉間に皺を寄せる。マ別に断る理由も無し、胡座をかいた膝をぽんと叩くとのそのそお邪魔します……なんて言いながら乗ってきた。むぎゅ……と頬っぺたを頬に押し付けてくるのでなんだなんだと背を撫でる。
「おい」
『……』
「どうした」
『……』
「おい、」
『……』
「名前」
『もうちょいもち゛っとして』
「煙草吸うから退けろ」
『やだ』
「なんだってんだ」
『……』
「……」
『……』
「煙草吸わせろ」
『吸えば』
「燃えるぞ」
『燃やせば』
「おいって……」
ただの甘えたちゃんである。定期的に生理前の症状が出るから困ったもので今回はひっつき虫。お前はいつ生理が来るんだ。毎度パニクりそうだからよ。
しょうがねえな、と正面から抱き着く名前を抱き直して横抱きにする。背を支えたら右手が空くのでようやっと煙草にありつけた。
『くさ』
「なら膝から降りろ」
『は?』
「なんで俺がキレられてんだよ」
『……』
「アイス食うか」
『あるの?』
「ない」
『は?』
「買いに行くか」
『いく』
「煙草吸ったらな」
『ん』
ひっつき虫を抱えながら煙を吐き出す。今日善明とかに懐いていたけれど、結局のところ一番懐いてるのは天地なのだからなんとも言えない。こうやってぎゅうぎゅうに抱き着くのも、もっと撫でろと頭を擦り付けてくるのも天地にだけ。
最も、天地しか居なかったというだけの話。親に愛されるどころか虐げられる事しかなかった女が、一番最初に甘えられる人間を見付けた。それが天地だったというだけ。もし、天地以上に甘えられる、温かみをくれる人間が現れたのなら。
天地の目が徐々に剣呑な色を帯びていく。天地は室戸兄弟の事も、他の連中も全て駒としか見ていない。金で雇っている戦闘員。そんな奴等にでもこの女は危害が加えられないなら懐くのだろう、昼間のように、いずれこの手の中から去っていくのだろう
『寿くん』
「……」
『寿くんから私の匂いする』
「ング」
そりゃそうだ、一緒に暮らしてるようなモンなのだから。天地は今の今まで頭を占めていたドス黒いモヤを振り払って名前の頬を撫でた。絆されている自分なんて認めたくはなかった。