いちねんせい じゅう!
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「あれ苗字ちゃんは?」
「さっきLINE来てたけどお休みだよ」
「は?なんで?」
「またなんか絡まれたりしたのあの子」
「いや風邪だって」
「風邪ェ!?」
「縁遠いと思ってたのに……」
「んで友ピ引率の元今病院行ってる」
「ウケる」
「親かよ」
ぜェ、ぜェと苦しげに音を漏らす名前に天地は眉間に皺を寄せるしかする事がなかった。周りの人間が風邪を引くのなんて初めてなもんで。昨日の夜くらいからちょっと寒い……と言ってたので良く解らないけど早めに寝かせて、起きたらもうこの状態。顔は真っ赤でガタガタ震えてやがった。知識として風邪だなと判断した天地は即座に病院に行くことを決めた。
病院行くぞ、と急いで服を着て名前に着替えろと言うけれど涙混じりの拒絶しか返ってこねえ。病院が嫌なんて聞かねえぞクソガキ。すると名前の口から出たのは『なおすから、たたかないで』なんて言葉だった。天地の顔は死んだ。即座にぺちぺち頬を叩いて名を呼ぶ。薄ら目を開ける名前の涙を指で拭き取る。
「俺は誰だ」
『ぜ、ぜ、』
「父親じゃねえぞ。解るな」
『ぜ、ぜ、ひ、さしくん』
「病院行くぞ、着替え置くから。着替えろ」
先にどうしたらいいんだ、病院に電話か?マスクは一応置いてあるから着けさせて、畜生何からすれば。ハ、と思い付いたのはクソ野郎。いやいやそんなこと。絶対に嫌だし無理、とは思うけれど名前の声がやけに耳に響く。
「……おい。うるせえ質問にだけ答えろ」
「え!名前ちゃん風邪!?あぁと。バカヤロお前まず電話だ、症状言って、いやもういい俺が連れてくからお前帰れド畜生、うるせえじゃねーよ人付き合いの才能母親の腹に置いてきたのか?あ゛!切りやがった!」
「拓海どうしたー?」
「いや名前ちゃん風邪らしくて」
「え!大丈夫なのか?」
「天地がパニクって電話してきたけど喧嘩だけ売って切りやがった」
「慌ててたんだな……」
「あぁ~典型的な風邪だねえ」
『う゛』
「お口開けてね」
『あ゛』
「ちょっと喉見るよ~」
『おえ゛』
「う゛~ん腫れてるねえ。最近疲れることした?」
『してない゛』
「じゃあなんか嫌なことあった?」
『あつい゛』
「寝る時お布団着てる?」
『きてる゛』
「ストレスかなぁ~」
「コイツ」
「ん?」
「北海道」
「そっかぁ~、環境と気温の変化のストレスかなぁ。お薬出すからねえ」
『こな゛やだ』
「んふふ」
薬局で薬を貰って天地が名前をおんぶして帰ります。もう今日はサボる気満々である。別に心配とかじゃねえけれど、名前も引っ付いて離れないので。
「飯買ってくるからここ座ってろ」
『ん゛……』
「すぐ戻るから」
『ん゛……』
フラフラしてる名前をベンチに置いて天地はダッシュでコンビニへ。何が食えるんだ?風邪の時って何が良いんだ。自分が風邪引いたのも何年も前だし覚えてない。食欲あるか聞きゃ良かった。
「……」
「……」
「……何してんだお前」
「うるせえ黙ってろそして死ね」
弁当のコーナーでふらふらしてる天地に声をかけたのは将五であった。そういや駐車場に単車あったわ畜生。お前コンビニ弁当ばっかかよ。うるせえ消えろ。俺のじゃねえ。
「じゃあの子のか?」
「うるせえ黙ってろ」
「……病院行ったのか?」
薬局の薬ぶら下げたまんまだった。もういいからどっか行けシッシ、とめちゃくちゃ目を鋭くさせるのだけど将五はスン、と真顔になった。察したのである。
「風邪の奴に弁当が食えると思うなよ」
「……」
「買うならお粥買えお粥。男ならまだしも女の子が具合悪い時にガッツリ食えるわけねえだろ」
盲点であった。そっか食えねえのか。天地はジ……と将五を睨んでからそそくさお粥を買いに行った。調子狂うなぁと思いながら将五は目当てのコーヒーを買って外に出た。単車に乗って走ろうとした時に近くのベンチにぽつんと見覚えのある女の子が横になってるのが見えた。あの子と関わって天地もなにか変わるのだろうか、なんて考えてからそのまま単車を走らせた。
「あれ苗字ちゃんは?」
「さっきLINE来てたけどお休みだよ」
「は?なんで?」
「またなんか絡まれたりしたのあの子」
「いや風邪だって」
「風邪ェ!?」
「縁遠いと思ってたのに……」
「んで友ピ引率の元今病院行ってる」
「ウケる」
「親かよ」
ぜェ、ぜェと苦しげに音を漏らす名前に天地は眉間に皺を寄せるしかする事がなかった。周りの人間が風邪を引くのなんて初めてなもんで。昨日の夜くらいからちょっと寒い……と言ってたので良く解らないけど早めに寝かせて、起きたらもうこの状態。顔は真っ赤でガタガタ震えてやがった。知識として風邪だなと判断した天地は即座に病院に行くことを決めた。
病院行くぞ、と急いで服を着て名前に着替えろと言うけれど涙混じりの拒絶しか返ってこねえ。病院が嫌なんて聞かねえぞクソガキ。すると名前の口から出たのは『なおすから、たたかないで』なんて言葉だった。天地の顔は死んだ。即座にぺちぺち頬を叩いて名を呼ぶ。薄ら目を開ける名前の涙を指で拭き取る。
「俺は誰だ」
『ぜ、ぜ、』
「父親じゃねえぞ。解るな」
『ぜ、ぜ、ひ、さしくん』
「病院行くぞ、着替え置くから。着替えろ」
先にどうしたらいいんだ、病院に電話か?マスクは一応置いてあるから着けさせて、畜生何からすれば。ハ、と思い付いたのはクソ野郎。いやいやそんなこと。絶対に嫌だし無理、とは思うけれど名前の声がやけに耳に響く。
「……おい。うるせえ質問にだけ答えろ」
「え!名前ちゃん風邪!?あぁと。バカヤロお前まず電話だ、症状言って、いやもういい俺が連れてくからお前帰れド畜生、うるせえじゃねーよ人付き合いの才能母親の腹に置いてきたのか?あ゛!切りやがった!」
「拓海どうしたー?」
「いや名前ちゃん風邪らしくて」
「え!大丈夫なのか?」
「天地がパニクって電話してきたけど喧嘩だけ売って切りやがった」
「慌ててたんだな……」
「あぁ~典型的な風邪だねえ」
『う゛』
「お口開けてね」
『あ゛』
「ちょっと喉見るよ~」
『おえ゛』
「う゛~ん腫れてるねえ。最近疲れることした?」
『してない゛』
「じゃあなんか嫌なことあった?」
『あつい゛』
「寝る時お布団着てる?」
『きてる゛』
「ストレスかなぁ~」
「コイツ」
「ん?」
「北海道」
「そっかぁ~、環境と気温の変化のストレスかなぁ。お薬出すからねえ」
『こな゛やだ』
「んふふ」
薬局で薬を貰って天地が名前をおんぶして帰ります。もう今日はサボる気満々である。別に心配とかじゃねえけれど、名前も引っ付いて離れないので。
「飯買ってくるからここ座ってろ」
『ん゛……』
「すぐ戻るから」
『ん゛……』
フラフラしてる名前をベンチに置いて天地はダッシュでコンビニへ。何が食えるんだ?風邪の時って何が良いんだ。自分が風邪引いたのも何年も前だし覚えてない。食欲あるか聞きゃ良かった。
「……」
「……」
「……何してんだお前」
「うるせえ黙ってろそして死ね」
弁当のコーナーでふらふらしてる天地に声をかけたのは将五であった。そういや駐車場に単車あったわ畜生。お前コンビニ弁当ばっかかよ。うるせえ消えろ。俺のじゃねえ。
「じゃあの子のか?」
「うるせえ黙ってろ」
「……病院行ったのか?」
薬局の薬ぶら下げたまんまだった。もういいからどっか行けシッシ、とめちゃくちゃ目を鋭くさせるのだけど将五はスン、と真顔になった。察したのである。
「風邪の奴に弁当が食えると思うなよ」
「……」
「買うならお粥買えお粥。男ならまだしも女の子が具合悪い時にガッツリ食えるわけねえだろ」
盲点であった。そっか食えねえのか。天地はジ……と将五を睨んでからそそくさお粥を買いに行った。調子狂うなぁと思いながら将五は目当てのコーヒーを買って外に出た。単車に乗って走ろうとした時に近くのベンチにぽつんと見覚えのある女の子が横になってるのが見えた。あの子と関わって天地もなにか変わるのだろうか、なんて考えてからそのまま単車を走らせた。