いちねんせい きゅう!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
?
怒られてる最中に飯を食うってなると食欲が失せるのか美味しい顔もなんもしないで映画版ピカチュ○みてえな顔で食うもんだから天地はもう頑張った。お前が好きなアイスも(どうせ泣かれると思って)買ってあるから。でも名前の顔はしわくちゃのまんま。そりゃそう、食べたらまた怒られるのは確定してるのだからこんな顔にもなる。
ンでも天地だって簡単に許す気はなかった、だって腹立つし。今日という今日は絶対泣いても許さねえという強い意志。
『ごちそさま゛……』
「いやダメだあと二口は食え」
『いやない゛……』
「食え」
『食べたくない゛』
「無理矢理突っ込まれんのとどっちがいい」
『う゛……』
ぺそ……とおっかない顔をして名前はしっかり二口食べた。よし食べたなと思いながら天地も食い終わって、アイスはと言えばいやない゛……としわしわになりながら言う。
「こっち来い」
『ん゛』
嫌だな……という顔をしながらぺたぺた天地が前をぽんぽん叩くのでそこに座る。正座して、膝の上にぎゅ……と手を握り締める。天地が言い分はあるかとさっきよりは落ち着いた声で聞く。
悪い事をしたと思ってる、心配かけたと解っている。それでも間違った事をしたとは思っていなかった。だって名前はきっと天地が助けてくれると信じていたからである。
と、そのまんま伝えたところ天地は顔を覆っちまった。ヤバい、俺はコイツを甘やかし過ぎたのかもしれない。助けてくれると信じて居られるような関係じゃなければ、と考えて頭を振る。どうせ庇ってるわ。コイツはそういう女だ。ホントに厄介な女、と頭をガシガシ掻いて、どデカい溜め息を吐いた。名前の肩がびくりと揺れる。
『き、』
「あ?」
『嫌いにな゛った……?』
「グ」
『め、めいわ゛く、かけたから、きらい、なった゛?』
「スーーーーーッ」
頭痛くなってきた。誰もそんな事言ってねえと手を伸ばすと名前が震えた。まるで殴られるのを待つかのように目をぎゅっと閉じて俯いている。なるほどコイツの親父を殺したい。
「名前」
『あ゛……』
「来い」
全く仕方ねえ女だよお前はと動けないでいる名前の脇に手を入れて抱き上げる。膝に乗せてやると恐る恐る目を開けるので背を撫でてやるとガッチガチであった身体の力が少し抜けた。
「殴られたら痛えな?」
『う゛ん』
「どうせ庇うなっつっても庇うんだろ、お前」
『……』
「今日みてーに助けてやれねー日だって出て来るぞ。それでも庇うんか」
名前が恐る恐る天地の目を見る。先程の憎悪を帯びたような色でなく、いつものほんのり温い色を浮かべている。
名前は殊更人の機微に敏感であった。生まれ育った環境からか、人の目をよく見て感情を読み取る能力に長けていた。言っても大まかにだけれど。
母親が自らに向けていた無感情、父親が向ける嫌悪と憎悪、周りの大人が向ける憐憫、周りの人達が向ける同情。そのようなものに慣れていた名前は天地が向けてくれる温い目が好きだった。天地はいつも名前に同情なんて色を見せない。いつだって困惑と、暖かい色と、たまに悲しい色だけを浮かべてくれる。だから、さっきみたいに“何を言っても通じない状態”ではないと判断した。
『……周りの人に助け求めるようにする……』
「その前に?」
『寿くんに先に言う……』
「俺がダメっつったら止まれるか?」
『解んない゛……』
「自分でどうにか出来ねーのにやろうとすんのは迷惑なだけだぞ」
『う゛っ』
「な、殴られたら痛えだろ。俺も、お前が殴られたの見るのは……こう、イラつく」
『そこ心配じゃないの?』
「黙ってろ。それとも何か?心配っつったら庇わなくなるのか」
『………………』
「クソ女」
『えぶ』
ゴツンとデコに軽ぅく頭突き一発。押し付けたまんまグリグリと動かすとうごご……と痛そうな声を出すからくつくつ喉で笑う。
「馬鹿女、もう怪我すんじゃねー」
あくまで自分が苛立つから。心配なんかじゃない、胃のあたりがムカムカするから。すると名前はちょっと間を置いてからひし……と天地に抱き着いてごめんね゛と震える声で言った。暫くひんひん言って泣いていたので無理矢理アイスを食わせて落ち着かせるまでがワンセット。
怒られてる最中に飯を食うってなると食欲が失せるのか美味しい顔もなんもしないで映画版ピカチュ○みてえな顔で食うもんだから天地はもう頑張った。お前が好きなアイスも(どうせ泣かれると思って)買ってあるから。でも名前の顔はしわくちゃのまんま。そりゃそう、食べたらまた怒られるのは確定してるのだからこんな顔にもなる。
ンでも天地だって簡単に許す気はなかった、だって腹立つし。今日という今日は絶対泣いても許さねえという強い意志。
『ごちそさま゛……』
「いやダメだあと二口は食え」
『いやない゛……』
「食え」
『食べたくない゛』
「無理矢理突っ込まれんのとどっちがいい」
『う゛……』
ぺそ……とおっかない顔をして名前はしっかり二口食べた。よし食べたなと思いながら天地も食い終わって、アイスはと言えばいやない゛……としわしわになりながら言う。
「こっち来い」
『ん゛』
嫌だな……という顔をしながらぺたぺた天地が前をぽんぽん叩くのでそこに座る。正座して、膝の上にぎゅ……と手を握り締める。天地が言い分はあるかとさっきよりは落ち着いた声で聞く。
悪い事をしたと思ってる、心配かけたと解っている。それでも間違った事をしたとは思っていなかった。だって名前はきっと天地が助けてくれると信じていたからである。
と、そのまんま伝えたところ天地は顔を覆っちまった。ヤバい、俺はコイツを甘やかし過ぎたのかもしれない。助けてくれると信じて居られるような関係じゃなければ、と考えて頭を振る。どうせ庇ってるわ。コイツはそういう女だ。ホントに厄介な女、と頭をガシガシ掻いて、どデカい溜め息を吐いた。名前の肩がびくりと揺れる。
『き、』
「あ?」
『嫌いにな゛った……?』
「グ」
『め、めいわ゛く、かけたから、きらい、なった゛?』
「スーーーーーッ」
頭痛くなってきた。誰もそんな事言ってねえと手を伸ばすと名前が震えた。まるで殴られるのを待つかのように目をぎゅっと閉じて俯いている。なるほどコイツの親父を殺したい。
「名前」
『あ゛……』
「来い」
全く仕方ねえ女だよお前はと動けないでいる名前の脇に手を入れて抱き上げる。膝に乗せてやると恐る恐る目を開けるので背を撫でてやるとガッチガチであった身体の力が少し抜けた。
「殴られたら痛えな?」
『う゛ん』
「どうせ庇うなっつっても庇うんだろ、お前」
『……』
「今日みてーに助けてやれねー日だって出て来るぞ。それでも庇うんか」
名前が恐る恐る天地の目を見る。先程の憎悪を帯びたような色でなく、いつものほんのり温い色を浮かべている。
名前は殊更人の機微に敏感であった。生まれ育った環境からか、人の目をよく見て感情を読み取る能力に長けていた。言っても大まかにだけれど。
母親が自らに向けていた無感情、父親が向ける嫌悪と憎悪、周りの大人が向ける憐憫、周りの人達が向ける同情。そのようなものに慣れていた名前は天地が向けてくれる温い目が好きだった。天地はいつも名前に同情なんて色を見せない。いつだって困惑と、暖かい色と、たまに悲しい色だけを浮かべてくれる。だから、さっきみたいに“何を言っても通じない状態”ではないと判断した。
『……周りの人に助け求めるようにする……』
「その前に?」
『寿くんに先に言う……』
「俺がダメっつったら止まれるか?」
『解んない゛……』
「自分でどうにか出来ねーのにやろうとすんのは迷惑なだけだぞ」
『う゛っ』
「な、殴られたら痛えだろ。俺も、お前が殴られたの見るのは……こう、イラつく」
『そこ心配じゃないの?』
「黙ってろ。それとも何か?心配っつったら庇わなくなるのか」
『………………』
「クソ女」
『えぶ』
ゴツンとデコに軽ぅく頭突き一発。押し付けたまんまグリグリと動かすとうごご……と痛そうな声を出すからくつくつ喉で笑う。
「馬鹿女、もう怪我すんじゃねー」
あくまで自分が苛立つから。心配なんかじゃない、胃のあたりがムカムカするから。すると名前はちょっと間を置いてからひし……と天地に抱き着いてごめんね゛と震える声で言った。暫くひんひん言って泣いていたので無理矢理アイスを食わせて落ち着かせるまでがワンセット。