いちねんせい きゅう!
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「思い出せ」
『思い出すのも恥ずかしい名前だったのは覚えてる……』
「頑張れ」
『十字架漆黒のなんちゃら十字架みたいな』
「情報量多くなるから十字架置いとけ」
擦りむいた膝にペタペタガーゼを貼りながら名前の話を聞く。どこぞのただの馬鹿な訳じゃなく、なにやらチームらしいので。
「ん?漆黒?」
『そう十字架漆黒のなんちゃら十字架』
「漆黒の蠍か?」
『そんな感じ!え……さては厨二病?』
「なんか言ってたか」
『ンとね……』
「ん?」
『なんも言ってない』
「そうか」
漆黒の蠍っつったら中坊の頃に気紛れに声をかけた山本雄丈だかが設立したチームである。まぁ色んな事をやっているのは知っていたし勝手にやってろどうでもいいわと思っていたのだけれど。
頬に氷嚢を当てながら天地は目を細める。相当な力で殴られたのだろう、既に変色し始めていた。内臓にカリカリと爪をたてられるような心地だ、目の前が真っ赤になりそうである。
『お風呂入ったら痛い?』
「泣き喚くぞ」
『シャワーにする』
「飯買ってくるからな」
『あっ』
「あ?」
『喫茶店のお金払わされた。請求するの忘れてた』
「まだ居るかもしれねーから請求してくるからなんぼだ」
『3500円くらい』
「1万請求するわ」
『んじゃそれで買ってきて』
「おー」
酷いぼったくりだが被害受けてるからそれもしゃーない。名前の生活費が限られている事を知ってる天地は絶対毟りとってやろ……という気持ち。
名前が痛い痛いとひーひー言いながらシャワーを浴び終えて髪を乾かして少しすると荒々しく玄関が開いた。とんでもねえ音がしたのでどうしたのと見上げると酷く冷えた目で天地は袋を置いて名前に手を伸ばす。腕を掴まれ立たされた名前は天地の名を呼ぶけれど、天地は苛立たしげに寝室まで引っ張って布団に突き飛ばした。ここまで乱暴な扱いをされた事が無かった為名前は恐る恐る見上げると先程男に向けていたような怒りを帯びた目が、今度は名前に向けられていた。起き上がろうとすると天地はすぐに名前をころんと転がして仰向けにし、馬乗りになって胸倉を掴んだ。
「テメー」
『ひ、さしくん』
「正直に答えろ、答え次第じゃただじゃ済まさねー」
『う゛』
「なんで庇った」
『あ、』
「テメーが殴られてまで庇う必要のある奴だったのか?あ?」
バレてる、と名前の目にじわりと涙が浮かぶ。そう、名前はなんの理由も無しに絡まれた訳じゃない。絡まれてた女の子を放っておけなくてつい間に入っちまったのだ。女の子を逃がして代わりに着いてきてくれるの、と言われて頷いて、隙を見て逃げようとしたら殴られたってわけ。
ギチギチと天地が買った着ぐるみパジャマが悲鳴をあげる。どうしてやろうか、この女。もし自分が助けに行けない状況であったらどうしたというのか、あのままどこぞに連れ込まれてマワされていたかもしれない。今より酷い怪我を負ったかもしれない。それを解っているのかと。
案の定まだ転がってた三人を蹴り飛ばし、財布から金を奪っていたら一人が「あの女から着いてきた」などとほざいた時はどうにかなっちまうのではないかと思った。全部聞き出して今度こそ意識が飛ぶまで蹴りつけて律儀に飯を買ってから帰ってきたのである。
名前の口がはくはくと開閉して、ぼろ!と治まった涙を零した。ンでも今日の天地はガチでキレているので泣いたくらいじゃ収まらない。
『だ、だって゛』
「……」
『あ、あのこ、いやがってたもん゛』
「だからってお前が助ける必要はねー」
『殴られたら、痛いんだよ゛』
「あぁそうだろうな、お前みたいに、それ以上な事もあったかもな」
だから?と天地が口端を上げる。そんな事ァ天地にゃ関係ない。その見知らぬ女がどうなろうが、それこそマワされようが殴られようがどうだっていい。自分が組み敷いてる女がどうにかならなければ、それで。
さぁ納得出来るような事を言ってみろ、出来るとは思わないが。冷たいと突き放すか、乱暴な扱いをされて怖いと泣くか。じわじわと天地の胸倉を掴む力が強まっていく。
ぐぅ、ぅ~~~と間抜けな音が二人の間に響いた。名前がお腹を抑える。一瞬ぽかんとした天地だけどいやいやこんな所で許して溜まるかとジト目で流す。ンでも名前のお腹の虫は鳴きやまない。ぐう。ぐ~。くぅ……。名前の顔は最早真っ赤である。
『……』ぐぅ
「……」
『……』ぐ、くぅ~……
「……」
『……』ぐ、ごごごご。
「先に飯だ!!!!!」
「思い出せ」
『思い出すのも恥ずかしい名前だったのは覚えてる……』
「頑張れ」
『十字架漆黒のなんちゃら十字架みたいな』
「情報量多くなるから十字架置いとけ」
擦りむいた膝にペタペタガーゼを貼りながら名前の話を聞く。どこぞのただの馬鹿な訳じゃなく、なにやらチームらしいので。
「ん?漆黒?」
『そう十字架漆黒のなんちゃら十字架』
「漆黒の蠍か?」
『そんな感じ!え……さては厨二病?』
「なんか言ってたか」
『ンとね……』
「ん?」
『なんも言ってない』
「そうか」
漆黒の蠍っつったら中坊の頃に気紛れに声をかけた山本雄丈だかが設立したチームである。まぁ色んな事をやっているのは知っていたし勝手にやってろどうでもいいわと思っていたのだけれど。
頬に氷嚢を当てながら天地は目を細める。相当な力で殴られたのだろう、既に変色し始めていた。内臓にカリカリと爪をたてられるような心地だ、目の前が真っ赤になりそうである。
『お風呂入ったら痛い?』
「泣き喚くぞ」
『シャワーにする』
「飯買ってくるからな」
『あっ』
「あ?」
『喫茶店のお金払わされた。請求するの忘れてた』
「まだ居るかもしれねーから請求してくるからなんぼだ」
『3500円くらい』
「1万請求するわ」
『んじゃそれで買ってきて』
「おー」
酷いぼったくりだが被害受けてるからそれもしゃーない。名前の生活費が限られている事を知ってる天地は絶対毟りとってやろ……という気持ち。
名前が痛い痛いとひーひー言いながらシャワーを浴び終えて髪を乾かして少しすると荒々しく玄関が開いた。とんでもねえ音がしたのでどうしたのと見上げると酷く冷えた目で天地は袋を置いて名前に手を伸ばす。腕を掴まれ立たされた名前は天地の名を呼ぶけれど、天地は苛立たしげに寝室まで引っ張って布団に突き飛ばした。ここまで乱暴な扱いをされた事が無かった為名前は恐る恐る見上げると先程男に向けていたような怒りを帯びた目が、今度は名前に向けられていた。起き上がろうとすると天地はすぐに名前をころんと転がして仰向けにし、馬乗りになって胸倉を掴んだ。
「テメー」
『ひ、さしくん』
「正直に答えろ、答え次第じゃただじゃ済まさねー」
『う゛』
「なんで庇った」
『あ、』
「テメーが殴られてまで庇う必要のある奴だったのか?あ?」
バレてる、と名前の目にじわりと涙が浮かぶ。そう、名前はなんの理由も無しに絡まれた訳じゃない。絡まれてた女の子を放っておけなくてつい間に入っちまったのだ。女の子を逃がして代わりに着いてきてくれるの、と言われて頷いて、隙を見て逃げようとしたら殴られたってわけ。
ギチギチと天地が買った着ぐるみパジャマが悲鳴をあげる。どうしてやろうか、この女。もし自分が助けに行けない状況であったらどうしたというのか、あのままどこぞに連れ込まれてマワされていたかもしれない。今より酷い怪我を負ったかもしれない。それを解っているのかと。
案の定まだ転がってた三人を蹴り飛ばし、財布から金を奪っていたら一人が「あの女から着いてきた」などとほざいた時はどうにかなっちまうのではないかと思った。全部聞き出して今度こそ意識が飛ぶまで蹴りつけて律儀に飯を買ってから帰ってきたのである。
名前の口がはくはくと開閉して、ぼろ!と治まった涙を零した。ンでも今日の天地はガチでキレているので泣いたくらいじゃ収まらない。
『だ、だって゛』
「……」
『あ、あのこ、いやがってたもん゛』
「だからってお前が助ける必要はねー」
『殴られたら、痛いんだよ゛』
「あぁそうだろうな、お前みたいに、それ以上な事もあったかもな」
だから?と天地が口端を上げる。そんな事ァ天地にゃ関係ない。その見知らぬ女がどうなろうが、それこそマワされようが殴られようがどうだっていい。自分が組み敷いてる女がどうにかならなければ、それで。
さぁ納得出来るような事を言ってみろ、出来るとは思わないが。冷たいと突き放すか、乱暴な扱いをされて怖いと泣くか。じわじわと天地の胸倉を掴む力が強まっていく。
ぐぅ、ぅ~~~と間抜けな音が二人の間に響いた。名前がお腹を抑える。一瞬ぽかんとした天地だけどいやいやこんな所で許して溜まるかとジト目で流す。ンでも名前のお腹の虫は鳴きやまない。ぐう。ぐ~。くぅ……。名前の顔は最早真っ赤である。
『……』ぐぅ
「……」
『……』ぐ、くぅ~……
「……」
『……』ぐ、ごごごご。
「先に飯だ!!!!!」