いちねんせい ろく!
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『藤代くん!』
「ん、こっち」
『おはよ!!!!』
「はいおはよ」
藤代が前言っていた通り名前を水族館に誘った。行ったことがないと聞いたらそれはもうニッコリして朝から行こっか、と言うと名前もニッコリして行く!と元気にお返事。
ちなみにこの事は天地は知らない。そう、知らないのである。明日ねえ遊びに行ってくる!とは言ったけど天地は最近仲の良いクラスメイト連中だろうかと思ってそうか、と返した。「ただし18時までに帰って来い、遅くなるなら迎えに行く」と言った。誘拐未遂常習犯なので。首から水筒をかけるのも忘れずに。帰って来いと言ってるのは今日も今日とて天地は泊まるからである。今日の晩御飯はエビフライ。
「水筒かけてるの?」
『熱中症対策って天地くん持たしてくれた!!』
「そっ、かぁ」
こんな所まで出て来やがって天地め。まぁ良いかと二人で歩き出した。天地に言ったの?と聞くと言ったよ!と返ってくるからよく許したなと思ってもいる。
『藤代くん』
「ん?」
『魚!』
「そうだね」
『サメ!』
「大っきいね」
『えへえへ藤代くんあっち行こ!』
「うん落ち着いて歩こうね」
『ん゛!』
「走らないよ。解った?」
『解った!!!』
「ん、元気」
いつも電車で会うのと同じくらいのテンションである。普通初めて遊んだりする時勝手が解らなくなったりするもんじゃないのだろうか。いやこの子は気にしないのか。
『藤代くんはい!』
「ん?」
『アイス一口あげる!』
「う゛~~~~ん……」
『嫌い?』
「いや好きだよ。貰うね」
『どーぞ!!!!』
秒で天地を殴りたくなった。お前ずっと居るんだよな?こういう事は教えろちゃんと。スプーンで掬ってはいどーぞと手を伸ばすから温い目でスプーンを受け取って食べる。あ、チーズケーキ味。
「ご飯食べる?」
『食べる!』
「朝ご飯食べた?」
『ん゛!食べてない!』
「ハハ」
水族館も一通り見終わってお昼前。何食べたい?今日ね夜揚げ物だから揚げ物以外。うーん範囲が広い。じゃあねあっち行こ。行き当たりばったりって事?良いよ。
ぽてぽて話しながら歩く。え?夏休み毎日天地泊まってるの?昨日は天地くん家だったよ!危ないって言ってるでしょうが。
二人で適当にふらふらしているとあ!拓海!と聞き覚えのある声がした。見付かったな……と温い顔をして振り向くとやはりと言うべきか、愛すべき下宿仲間達であった。
「なにしてんの?」
「新しく出来たラーメン屋行くかって話してたんだよ」
「拓海っちゃん、彼女?」
「違う違う、ほら例の友達だよ」
「俺月島花!よろしくな!」
『苗字名前です!!!!!一年生
!!!!』
「声でっか」
「同い年だな~!」
『ね~!』
「コイツ等下宿先の仲間なんだ、特にコイツ顔怖いけど怖くないからね」
「こんにゃろ」
『ホントだ!!!!!顔怖い!!!!!』
「声でけーよ」
結局名前は梅星連中とラーメン屋へ。美味しい!とニコニコ笑って食べ終わって花に肩車して貰って遊んだりなんだりして、暗くなる前に帰ると言えばじゃあ送ってくかぁと一緒に歩く。
「は?」
「あ?」
家の近くに来ると天地と出会した。迫田なんかは血の気が多いので声をあげそうになった。でもその前に声をあげたのは名前だった。
『天地くん!!!!!』
「声、いや。お前、は?」
「苗字さん天地に言ったんだよね?」
『言ったよ!!!!』
「遊びに行くとしか聞いてねえぞクソ女」
迫田達もそういや天地と仲良いんだって言ってたかと黙る。本当だったんだ。
天地はじろりと梅星を睨み付ける。なんでよりによってコイツ等なんだ、と。なんでか知らないけどぐるぐる腹にどす黒いものが渦巻いていく感じがする。視界右端ら辺でびょこびょこ跳ねてる女がそれを止めるのだけど。
すると拓海が天地に近寄る。指を三本立てて。
「天地、この数字がなにか解るか」
「どれだ」
「誘拐未遂だよ」
「馬鹿女」
『いてっ、着いてってないよ!』
「友達の友達パターンも教えとけ」
「畜生」
長くコイツ等といる必要もねえと天地は踵を返す。名前の腕は掴んだまま。名前は元気に振り向いてぶんぶん手を振った。
『花ちゃん!拓海くん!皆バイバイ!』
「お~じゃあな」
「は?」