『アボカドと豚のなんか美味しい丼です』
「……そうか」
『……』
「なんも言ってねーだろ」
『今雑とか思ったでしょ』
「食い終わったらアイス食うか？」
『食べる！！！！！！』
「食うぞ」
『うん！』


情緒がどっか行ってたり不機嫌になったりしても天地は名前が機嫌を治す方法は熟知している。ちょこちょこ噛んで不機嫌にするので。
天地は見た事ない料理だったけど黙々食べた。名前がおいし？と聞くとチラリと見てからまた食べ始める。美味しいんだなとニッコリ。


『アボカド食べなさいね』
「食ってる」
『避けてるでしょ』
「……」
『嫌いなら言えばよかったのに』
「嫌いではねーよ」
『ならちゃんと食べなさいね、お残ししたら目ん玉潰すから』
「潰れるんじゃなくてか？」
『あ゛！潰れる！』
「急に物騒な事言うんだなお前……」
『間違ったの！』
「おっかねえ女、初めて知ったな？」
『も゛！！！！！』
「解ったから食え」
『ん゛！！！！！』


これ以上からかうとキレるので。[#da=1#はムス……としてたけどアボカドを食った瞬間笑顔になってた。好きなのか、と言えばもそもそ食いながらニッコリ笑って頷いた。解りやすくて結構。


『てか』
「あ」
『毎日一緒にいるわけじゃねーって言うけど夏休み何するの？喧嘩以外で』
「別に」
『暇人……』
「お前だってねーだろ」
『宿題』
「出来るのか？」
『解んない』
「そうか」
『天地くん勉強出来るの？』
「お前と違ってな」
『凄いね！』
「……」
『喧嘩だけじゃないんだね！』
「そろそろ生意気が過ぎねえか？」
『ご馳走様でした～』
「クソ女」


先に食べ終わって名前は逃げるように台所へ。生意気言ってる自覚はあるけど言葉に出るのだから仕方ない。許して。食器を洗っていると天地も食い終わったらしく食器を持ってきた。ジ……と名前を見下ろすのでとんでもねえ圧を感じるのだけどなんとか顔を逸らす。


「おい」
『……』
「おい」
『……』
「アイス要らねえのか」
『いる！』
「こっち向いたな」
『あ゛ば……』


生意気の代償はアイス抜きだった。哀れ。