いちねんせい し!
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「今度からやべーと思ったら直ぐに呼べ」
『あい』
「大声で騒げ、得意だな」
『苦手!!!!!!』
「クソ女。あとお前家の鍵変えないのか」
『夏休みあと変える』
「あ?すぐ変えろ」
『夏休みバイトするからね!それから変える』
「……」
『……』
「つまり今って事か?」
『急にアホになるのなんなの?』
ぺたぺた顔にガーゼ貼ったり後から発覚した腕や足に湿布貼ったり。天地も内心穏やかではない。そもそも俺が一番つえーんだタイプである天地はそこらの女やガキに手を出すような事はしない。無駄なので。というかなんでこんなにイライラするのかは自分でもよく解っていないけれど、誰かに付けられた青あざが名前の身体にあるのが気に食わなかった。
「つーかお前、バイトするのか」
『探す』
「ほー、前までしねえっつってたのにか」
『気が変わった』
「……」
『……』
「……」
『見ないで照れるから』
「うるせー」
『あだっ』
前に一人でベラベラ喋ってる時に『バイトはね!とりあえず土地に慣れてから!』と言ってたの忘れてねーからな。さてコイツは何を隠しているのか。名前をジ……と見詰めるとちろりと目を逸らすのでつん、と頬を指でつついてやれば仕方ないな……という顔で天地を見た。
『一から話せばいい?』
「端からそうしろ」
『面倒臭いから簡単に』
「ちゃんと話せ」
『再婚した人が子供出来たんだって』
「ほー」
『家庭壊されたくないから卒業してもこっち来んなよと』
「ああ」
『三年間金出してやるんだからあとは好きにしろよな!って話』
「………………。んで?」
『ん?』
「なんで殴られた」
『昔からそうなの、お酒入ると暴れるし、私母親に似てるんだって。だからじゃない?』
まだコイツなんか隠してる感じするんだよな……と思いながらスリスリと頬を撫でてやる。
本当は家にその話をしに来た父親が天地が置いていた歯ブラシや出しっぱなしの布団などを見て「お前母親に似て男遊びか」なんて怒り出して二日くらいどちゃクソ暴力を振るわれたりしたのだけど、言うつもりはない。悲しい事に名前はそれを人に言った所でどうにもならないという頭が染み付いているので、懐いてる天地にすら言わないのだ。
幸い父親は今朝方満足して帰って行ったので心配することは無い。ただ父親にちょっと口答えをしたら学費と家賃光熱費は出すけど食費とか雑費は知らんと言われたのでやっべ~!となったというわけ。
「……」
『……』
「おい」
『あい』
「バイト決まったら言えよ」
『なんで?どうせ言うけど』
「お前はどうも変なのに好かれるらしいからな」
不審者とか不審者とか父親とか不審者とか。天地とお出かけしてる時に五回は不審者に連れて行かれそうになった名前を思い出して遠い目をする。アイス買ってあげようね、送ってあげよっか?美味しいご飯屋さんあるんだけど……なんて。マジで気が遠くなる。この女今までどうやって生きてきたのかというレベルで着いていきそうになるから天地は秒で名前を捕まえて睨みを効かせながら後で怒るのが常だった。
確信しているがバイトなんかしたら絶対バイト先の男とかになんやかんや言われて喰われかねないし帰りが遅いと変な奴に絡まれかねない。
『?迎え来てくれるってこと?』
「危なそうならな」
『優男じゃん』
「やめろ」
『解ってる解ってる、おもちくん優しいもんね~!!』
「おい」
『あい』
「怒るぞ」
『怒るの?』
「怒る」
『叩くの?』
「ハ、叩かねえよ」
『いだだだだ』
名前の耳を軽く引っ張って痛がる顔を見てご満悦。今日飯どうするんだ?それより天地くん学校終わりで疲れてるのでは?黙れボロボロのくせに。
『明日はサボります』
「ほー」
『だってもうダルいじゃん二日寝てないのよ私』
「あ゛?」
『あっ人殺しそうな目してる……』
「寝てねえのか」
『あ゛~……うん、あの……おこ、怒らない?』
「お前には怒らねえよ」
『寝たら何されるか解らないし、寝ない方が良いや~って』
「おい」
『あい』
「後で飯買うから、寝るぞ」
『うん』