いちねんせい いち!
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天地寿は機嫌が良かった。というのも鈴蘭に入学し、かの有名な一年戦争に参加してみれば拍子抜けも拍子抜け、止めに来た一つ上の男も叩きのめして周りを見てみりゃ大した奴なぞ居ないようなもんだった。これはすぐにでもあの花木九里虎に挑めるかもなと無表情のまんまのしのし歩く。
『あ゛の゛ね゛』
「……」
『ま、まいご……』
「………………」
『?あ゛の゛ね゛!!!!』
「聞こえてねー訳じゃねえわ」
どんな奴に絡まれようが動じない自信はある天地寿であったが、困惑せざるを得なかった。何せこの男中学時代だって目付きの悪さから周りに近付く奴なんぞ居なかった(自分も近付けようとしなかった)。
それが急に少しでも動いたら今にも涙腺が崩壊しますよみてえな女に話しかけられりゃ驚きもする。チラッと聞こえたけど迷子?この歳で?というかこの女今言い直したな、割と図太い。
そうして黙って歩いて行こうとするとスッ……と背後で息を吸う音が聞こえたのでくるりと振り向いた。騒がれて目立つのは本意ではない。
「ンだよ」
『迷子!!!』
「迷子の割に元気だな」
『あのね!!!!』
「声がでけえ」
『近くにスーパーある?!!!!』
「ボリュームのネジ壊れてんのか?」
『褒めてる?』
「褒めてると思うか」
『んへへ……』
「褒めてねえよ」
『どうして……?』
「そうだそのボリュームで話せ」
聞くとこの女今日越してきたばかりなのだと。家に辿り着いて飯がない事に気付いて外に出たはいいがスーパーの場所が今日越してきた人間に解る訳がない。人に聞こうと思えばリーゼントやらハゲが多く、一般人に話しかけようとすると無視をされ、もう贅沢言ってられねえと天地に飛びついたって訳。
「……携帯で地図を見るという頭は?」
『家に忘れた!!!!!!』
「クッ……声がでけえ……」
『スーパーまで道教えてくらさい!!!』
多分この女これで歩き出したら追いかけてきそうだな、と賢い天地は思い付いた。はぁと息を吐いて顎であっち、と指してやると女はパッ!と顔を明るくさせて『よろしくお願いします!!!!!』とドデケエ声で言った。よろしくお願いしますとは。は?頷いたように見えたのか。思わず天地が否定しようとすると女は既に歩き出して『なんで来ないの?』みたいな面をしている。眉間の皺が濃くなった気がした。
『あ゛の゛ね゛』
「……」
『ま、まいご……』
「………………」
『?あ゛の゛ね゛!!!!』
「聞こえてねー訳じゃねえわ」
どんな奴に絡まれようが動じない自信はある天地寿であったが、困惑せざるを得なかった。何せこの男中学時代だって目付きの悪さから周りに近付く奴なんぞ居なかった(自分も近付けようとしなかった)。
それが急に少しでも動いたら今にも涙腺が崩壊しますよみてえな女に話しかけられりゃ驚きもする。チラッと聞こえたけど迷子?この歳で?というかこの女今言い直したな、割と図太い。
そうして黙って歩いて行こうとするとスッ……と背後で息を吸う音が聞こえたのでくるりと振り向いた。騒がれて目立つのは本意ではない。
「ンだよ」
『迷子!!!』
「迷子の割に元気だな」
『あのね!!!!』
「声がでけえ」
『近くにスーパーある?!!!!』
「ボリュームのネジ壊れてんのか?」
『褒めてる?』
「褒めてると思うか」
『んへへ……』
「褒めてねえよ」
『どうして……?』
「そうだそのボリュームで話せ」
聞くとこの女今日越してきたばかりなのだと。家に辿り着いて飯がない事に気付いて外に出たはいいがスーパーの場所が今日越してきた人間に解る訳がない。人に聞こうと思えばリーゼントやらハゲが多く、一般人に話しかけようとすると無視をされ、もう贅沢言ってられねえと天地に飛びついたって訳。
「……携帯で地図を見るという頭は?」
『家に忘れた!!!!!!』
「クッ……声がでけえ……」
『スーパーまで道教えてくらさい!!!』
多分この女これで歩き出したら追いかけてきそうだな、と賢い天地は思い付いた。はぁと息を吐いて顎であっち、と指してやると女はパッ!と顔を明るくさせて『よろしくお願いします!!!!!』とドデケエ声で言った。よろしくお願いしますとは。は?頷いたように見えたのか。思わず天地が否定しようとすると女は既に歩き出して『なんで来ないの?』みたいな面をしている。眉間の皺が濃くなった気がした。
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