だいぶ!
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最近の私のお気に入りは、展望室の屋根の上。
お日様を浴びながら本を読むのが気持ち良くて、好き。
ちなみに今日は船番で、皆さんが出ていってからずっとここで本を読んでいる。
『…あれ?』
船に人が近付いてきたので見てみると、それはゾロさんで…真っ直ぐ帰ってこれたんだ、珍しい。
『ゾロさーん。』
「…あ?」
『お帰りなさい、早かったですね。』
「刀鍛冶屋がなかった。」
『なるほど。』
「…っつーかお前、またそこにいたのか?危ねぇだろ。」
『ここ気持ち良いんです。』
「バカ。航海中ならまだしも、停泊中にそんなとこいるなんて海軍に“どうぞ見つけて下さい”つってるようなモンだろうが。」
早く降りろ、と続けたゾロさん。
この間、ナミさんが「かほご」ってゾロさんに言ってたけど、こう言う所らしい。
とりあえず降りようと思った時、ふと頭に浮かんだ小説のワンシーン。
『…ゾロさん。』
「なんだ?」
『私がここから飛び降りたら受け止めてくれますか?』
「…はぁ?」
以前ナミさんからお借りした本にあった、女の子が男の子の胸に飛び込むシーン。
(ちなみにその本はナミさんからは「これ読んで少しは“恋人”について勉強しなさい」とか言われて渡されました。)
それが恋人らしいやり取りなのかは分からないけど、ゾロさんに向かって飛び降りるとかちょっと楽しそうだな、なんて。
本で読んだ事を説明したら、ゾロさんは溜め息をつきながら頭を掻いた。
「…よくわかんねぇけどよ、そう言うのって多分もうちょい低い位置から飛び込むモンだと思うぜ。」
『そうなんですか?』
「少なくとも屋根からではねぇだろ。ったく、お前は本当どっか抜けてるよな。」
くくく、と小さく笑うゾロさんに少し恥ずかしくなる。
「…ほら。」
『え?』
「飛び込んでみてぇんだろ?」
両手を広げてそう言ったゾロさんに、きっと私の瞳は輝いていたのだろう。
彼が再び小さく笑った。
『…良いんですか?』
「お前一人受け止められねぇような男に見えるか?」
『いいえ。』
「なら変な遠慮してんじゃねぇよ。」
ゾロさんの言葉に頷いて、私は何の躊躇いもなく彼に向かって飛び降りる。
高さがあったから勢いもあったはずなのに、ゾロさんはいとも簡単に私を受け止めてくれた。
「よっ、と。」
『ありがとうございます。』
「ドウイタシマシテ。で、感想は?」
飛び込んだゾロさんからはフワリと…お日様の匂いがして、なんだか心がポカポカとする。
『楽しかったです。』
「そりゃ良かった。」
『…もう少し、くっついていても良いですか?』
ゾロさんに抱きつく腕に力を込めながら尋ねると、少し赤くなった顔で「好きにしろ」と言われた。
だいぶ!
(ゾロさん。)
(なんだよ?)
(大好き、です。)
(…知ってる。)
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