とにもかくにも
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『………あ、れ………?』
目を覚ますと、チョッパー君不在の医療室のベッドの上だった。
「…起きたのか?」
『ゾロ、さん…』
視線だけで声がした方を見ると、ベッドのすぐ脇でゾロさんが腕を組んで座っていて…もしかして、ずっと一緒にいてくれたのかな…。
「体調はどうだ?」
『身体が動きません…』
身体を起こそうとするが、怠いし痛いしで動かない。
「…まぁ、あんだけ力が暴走すりゃそうなるわな。」
『力が暴走?……あ……』
そこでやっと思い出した。
…私、海軍に捕まりそうになって…。
『あの…助けて下さって、ありがとうございます…』
「おぅ。」
正直、あの時の事はあまり覚えていない。
けど…ゾロさんの声や温もりだけはしっかりと記憶に残っている。
「…お前、一週間寝てたんだぞ。」
『え…?』
「身体に相当な負担がかかったんだろうな。」
はぁ、と溜め息を付きながらゾロさんは優しく私の頭を撫でてくれた。
「まぁ、目が覚めて良かった。」
『…心配かけて、すみません…』
「…もう二度とごめんだからな、こんな心臓に悪ぃ思い。」
『…ふぁい…』
むに、とゾロさんに頬を掴まれる。
大して力も入ってないその指先はとても温かくて…そっとゾロさんの手に自分の手を重ねた。
『…ゾロさんの手は、温かいですね…』
「そうか?」
『はい。…私、ゾロさんの温もり…大好きです。』
「…っ」
ゾロさんの手に頬を擦り寄せたら、もっとゾロさんの温もりが欲しくなる。
『…ゾロさん…』
「…なんだ?」
『ぎゅう…』
「は?」
『ぎゅうって…して下さい…』
「…抱き締めろ、って事か?」
『…はい……』
『駄目ですか?』とゾロさんを見つめると、ゾロさんは小さく溜め息をついた後、私の身体を負担が無いようにゆっくりと起こしてくれた。
そして、そのまま優しく私を抱き締めてくれる。
『…えへへ…ありがとう、ございます…』
ゾロさんの腕の中が温かくて幸せで、私の顔には自然と笑みが浮かんだ。
「…あまりそう言う事言うなよ。」
『え…?』
「…ったく…こっちは色々と我慢してるっつーのに…」
『…我慢、ですか…?』
ゾロさんの胸に寄りかかりながら少し考える。
…ゾロさんが何を我慢しているのかは分からないけど…ずっと我慢して生きてきた私には、我慢が身体に良い事とは思えない。
『あの…出来る、限り…我慢は、しない方が…良いと思います、よ…?』
「…お前、今自分が何言ってるか分かってるか?」
『…え………ん…!』
ゾロさんの言葉の意味が分からず彼を見上げた直後、唇に温かくて柔らかい…少しカサついたゾロさんの唇が触れた。
「煽ったのはお前だからな。」
『あお…?』
「…身体が治ったら覚悟しとけよ、って話だ。」
そう言ってニヤリとどこか悪い笑みを浮かべるゾロさんに、何故か背中がヒヤリとする。
…あれ?何か身の危険を感じるのは何でだろう??
とにもかくにもお前が悪い
(あの…覚悟って…?)
(…もう二度と俺から黙って離れねぇように教え込んでやるよ、身体に。)
(??)