命令とお願い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
段々意識が遠退いていって、死にたく無いと思った所でもうどうにもならないのかも知れないな…なんて思った時だった。
「…俺は、お前が好きだ。仲間としてじゃなく…恋愛感情として。」
『…え…?』
ぎゅっ、とゾロさんに手を握られ、そう告げられる。
その言葉に私を含めた皆が驚き…でも当の本人であるゾロさんはそれを気にする事無くニヤリ、と笑った。
「けど、今はお前の答えは聞かねぇ。…生きて、後で聞かせろ。」
『!!』
「サクラを頼む。」
そう言って、ゾロさんは私をチョッパー君に預ける。
チョッパー君に抱かれる私の頭を、今度はサンジさんが優しく撫でた。
「ったく…クソマリモに先越されたぜ。」
『さ…んじ…さん?』
「食いたいモン、考えといて?」
『…たべたい、もの…?』
「目が覚めたら腹減ってるだろうから。サクラちゃんが好きなモンなんでも作ってあげるよ。」
『!』
「…すぐ終わらせる。だから、サクラちゃんは生きて俺達の帰りを待ってて。」
その直後、今度はルフィさんが麦わら帽子を私の頭に乗せながら口を開いた。
「チョッパー、俺が合図したらサクラを抱えてメリー号まで走れ。絶対振り返るな。」
「お、おう!」
「ナミ達はチョッパーがサクラを治療してる間、船を守ってくれ。」
「…わかったわ。」
『…るふぃ、さん…?』
彼の名前を呼ぶと、ルフィさんはすごく真面目な顔で私を見つめる。
「…サクラ、船長命令だ。」
普段、クルーを“部下”では無く“仲間”としているルフィさんの口からでた《船長命令》と言う言葉。
それに驚いていたら、ルフィさんは私の手を握って言葉を続けた。
「俺の宝物、お前に預ける。だから…絶対、生きて返せ。」
『え…』
「お前が死んでたら俺はその帽子は受け取らねぇ。海賊王になる夢もここで諦める。」
『な、に言っ…て…』
「仲間を助けられねぇ奴が海賊王になんてなれるわけがねぇからな。」
『!?』
はっきりとした口調で言い切るルフィさんに、再び私の瞳からは涙が溢れる。
『……ずる、い…です…』
「ニシシ!命令だかんな!!」
「死ぬ気なんて失せただろ?」
「…答え、後で絶対聞かせろよ。」
ずるい。ゾロさんもサンジさんもルフィさんもずるいよ。
あんな事言われたら…私、死ねないよ。
「さーて、ゾロ!サンジ!」
「あぁ。」
「サクラちゃんにケガさせた事、死ぬほど後悔させてやるぜ。」
3人の背中がすごく頼もしくて…こんな時なのに、安心感から笑みが零れた。
『…ル、フィさん…ゾロ、さん…サン…ジ、さん…』
“皆なら大丈夫”って、心の底から信じられる。
だから…
『…あ、の…男、ボッコボコに…しちゃって、くださ…い…!!』
私のお願いに3人は一息ついてから応えてくれた。
「「「当たり前だ!!」」」
命令とお願い
(私はギュッとルフィさんの帽子を強く握った。)