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「……いけ、AB-536。」
「なっ…!?」
少将が命令した瞬間、サクラが俺達の方へと突進してきた。
『…シルフ。』
いつもより感情の無い声で呟き、風や海を使いつつ次々と攻撃を仕掛けてくるサクラ。
それに対し、俺達は防戦一方だ。
「ははは!どうした、攻撃すれば良いじゃないか!」
「…チッ!」
「助かったよ、ソレに体術を教えておいてくれて。兵器としての力が上がったからな!」
至極愉快そうに笑う少将の声が酷く耳障りだった。
『ウンディーネ。』
「!ルフィ避けろ!!」
「うぉ!?」
突如、海が水柱のようになって襲い掛かってくる。
「風と水の精霊は心優しい精霊。その精霊の力を使って誰かを傷付けるような真似をすれば身体に負担がかかり…壊れるらしいです。」
…ふと、出会った頃にあいつが言っていた言葉が頭に浮かぶ。
このままじゃサクラは…くそっ!!
水柱での攻撃を間一髪避けた所で、少将がサクラを呼び戻し首を傾げた。
「…何故反撃しない?元は仲間だったとは言え、コレはもう―…」
「…お前こそさっきから何言ってんだ。」
少将の言葉を遮り、ルフィが口を開く。
「“コレ”とか“ソレ”とか…よくわかんねぇ番号でサクラを呼びやがって。」
「はぁ?コレは人間じゃない、兵器だ。名前で呼ぶ必要なんてないだろ?」
「サクラは兵器なんかじゃねぇ!!」
「っ!?」
ルフィの気迫に圧され、少将がたじろぐ。
それに構う事なくルフィは言葉を続けた。
「サクラ!!聞こえるか!?目ぇ覚ませ!!」
『……。』
「はは!!お前の呼び掛けなんて無駄だと言っただろう!いけ!AB-536」
『………。』
「っ!?き、聞こえないのか!AB-536!!」
ルフィの言葉に反応しない代わりに、少将の言葉にも反応しないサクラ。
…反応は無いが、瞳は僅かに揺れている。
「サクラが俺達を守りたいって思ってくれたように、俺達だってお前を守りてぇんだ!!」
『…。』
「薬なんかに…そんな男なんかに負けんな!!」
『……。』
「俺達は、サクラを信じてる!!だからお前も俺達を信じろ!!俺達は絶対お前を見捨てねぇ!!」
『…っ…』
「何があっても、お前は俺達の大切な仲間だ!!!!!」
…ルフィの叫びに、サクラの目から涙が一粒零れた。
届く声
(さっさと戻ってきやがれ、馬鹿サクラ。)