人間らしく、なんて
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とある無人島につき、ログが溜まるまで自由行動となった。
『ちょっと散歩してきます。』
「あまり遠くに行っちゃダメよ。」
『はい。』
ナミさんに声をかけ、一人船を降りて波打ち際を歩く。
歩きながら考えるのは…ゾロさんの事。
どうやら私はゾロさんに恋をしているようなのだけれど、これが初恋の私にはまだよくわからない。
そもそも人を好きになると言う事自体初めてなのだ。
ルフィさん達に対する“好き”とゾロさんに対する“好き”が違うと言う事ははっきり言える。何がどう違うのかと言われるとちょっと困るけど…。
…でも、この間ナミさんが言っていた言葉は全て当てはまった。
『…私は、ゾロさんが…特別に、好き…。』
口に出してみれば、それは驚く程すんなりと私の中に入っていく。
…けど、これからどうしたら良いのかなんて私にはわからない。ナミさんは「そのままで良い」って言っていたけど…
『…恋って、難しいなぁ…教科書があれば良いのに。』
小さく溜め息をつく。
…が、実は初めての感情になんだかワクワクしていたりもする。
これからたくさんの言葉を、感情を知って…少しずつ“人間らしく”なれるのかな、なんて。
『…っと、いけない。ちょっと遠くまで来ちゃった。』
辺りを見回すと砂浜と、海と森しか見えない。
…考え事に集中しちゃった。
早く戻ろう、とした時。
背後から声が聞こえてきた。
「…よぉ。」
…その声は、出来れば二度と聞きたく無かった声で…
「逃げきれると思ったのか?なぁ…AB-536。」
ゆっくり振り返った先で、あの研究所にいた海兵がニヤリと見下した笑みを浮かべていた。
途端に思い出される研究所での日々…。
恐怖で動けなくなってしまった私に、一歩…また一歩と男が近付いてくる。
「ったく…兵器のくせに余計な手間をかけさせやがって。」
『っ!?』
いきなり首を掴まれ、そのまま持ち上げられた。
『ぐっ…あっ…』
「首輪まで外しやがって…探し出すのに苦労したんだぞ?」
ギリッ、と手に力がこめられた直後、地面へと投げ捨てられる。
『ッゲホ、ゲホッ…』
「…まさか麦わらの一味と一緒にいるとはなぁ…。」
再びニヤリと見下した笑みを浮かべた男は、ポケットに手を突っ込み口を開いた。
「取り引きをしようじゃないか。」