自覚
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サクラが風呂場の方へと消えた途端、ナミがからかうように笑いながら口を開いた。
「随分と愛されてるじゃない。」
「…だから、あれは恋愛感情じゃねぇって言ってるだろ。」
「どうかしら?恋愛に疎いあの子だから、無意識にって事もあるわよ?」
「…俺は、別に…」
そこまで言うと、ナミは盛大に溜め息をつく。
「変な意地張って無いで素直になりなさいよ。」
「あ?」
「前にも言ったけど…あんたがサクラといる時のような優しい笑顔、他じゃ見たこと無いわよ?」
「…。」
「…じゃあ、考えてみなさい。もしサクラが他の男…そうね、例えばサンジ君と仲良く手を繋いでたらどう思う?」
ナミの言葉と共に頭にサクラがアホコックと手を繋いでる姿が浮かぶ…面白くねぇ。
「ふふ、眉間のシワすごいわよ?」
「!」
「ま、あえてこれ以上は言わないけど。ちょっと世話焼き過ぎちゃったわね。」
頑張りなさいよ、と俺の背中を叩いてナミは笑いながら去っていった。
…今度相談料とか言って金取られそうだな…。むしろ今取られなかったのが奇跡だと思う。
「…はぁ…。」
深く溜め息をつき、壁に背を当てずるずるとその場にしゃがみこむ。
瞳を閉じれば浮かぶ、サクラの顔。
「……わかってんだよ、本当は。」
いくら俺が色恋沙汰に疎いとは言え、サクラみたいに感情を押し殺さなきゃいけねぇ環境で育ったワケじゃない。
…だから、この気持ちが何なのかって事くらいとっくの昔にわかっていた。
『ゾロさん。』
頭に響く、柔らかいサクラの声。
…ナミが言うように、確かに少し意地を張っていたかもしれねぇな。
世界一の剣豪になるって目標の為には恋愛なんかしてる場合じゃねぇって思ってた。
…けど目標を達成した時、隣にはあいつにいて欲しい。
「…誰かに奪われてからじゃ遅ぇしな。」
ふぅ、と短く息を吐きながら天井を見上げる。
もう自分の気持ちを誤魔化すのは止めだ。
自覚
(…つっても、どうすりゃ良いのかなんてわかんねぇけど。)