自覚
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船に着くと、チョッパー君がタオルを持って駆け寄ってきてくれた。それを受け取り、頭や身体を吹いていく。
ちなみに船が見えた時点でゾロさんは手を離してしまい、それがなんだか残念に感じ…
……残念?なんで??
謎の気持ちに首を傾げていると、頭からタオルを被ったゾロさんが私のタオルに手を伸ばし、そのまま私の頭をガシガシと拭いていく。
『わ、』
「何ボサッとしてんだ、風邪引くぞ。」
『じ、自分で拭けます…ゾロさんだってまだ濡れてますよ?』
「俺は鍛えてるから平気なんだよ。」
『ダメです。』
「わ、馬鹿止めろ!」
ゾロさんの頭に手を伸ばし、ゾロさんが私にしてくれているようにガシガシと彼の頭を拭いた。
そのまま、お互いに相手の頭を拭き続ける。
…ふ、と手を止めて見つめ合う。
そして次の瞬間同時に吹き出した。
「っくく…何やってんだ俺達?」
『本当ですね。』
なんだろう…こういうやり取りがすごく嬉しい。じんわりと胸に幸せが溢れていく。
「…あんたら、イチャつくなら余所でやってくれる?」
「!?」
『……いちゃつく?』
ゾロさんと笑い合ってたら、通りかかったナミさんが呆れたように溜め息をついて…“いちゃつく”ってなんだろう?
「別に、イチャついてねぇだろ…。」
「あら無自覚ってワケ?タチ悪いわね。」
「……お前な。」
『…あの、“いちゃつく”ってなんですか??』
私が尋ねた瞬間、二人は驚いたように目を見開いてこちらを見てきた。
『?』
「そっか、あんたはわからない言葉がたくさんあるのよね…ふふ!イチャつくって言うのわね、好きな人同士が仲良くする事よ。」
「ばっ…何言い出してんだてめぇは!」
何故か顔を赤くして怒るゾロさんに、ナミさんはからかうような笑みを浮かべている。
…好きな人同士、仲良く…
『…嬉しい、です。』
「「…は?」」
『私、ゾロさんの事好きです。だから、もしゾロさんも私と同じ気持ちでいてくださるならとても嬉しいです。私もっとたくさんゾロさんと“いちゃつく”をしたいです。』
「は…はぁっ!?」
「んふふー、だって、ゾロ?どうする?」
「ど、うするって…いいか、こいつが言う「好き」ってのは仲間や友達に対する好きであってだな、」
「本当にそうかしらね?」
私の言葉を聞いた後、ナミさんとゾロさんがなにやらこそこそと話だし…私、何か変な事言っちゃった…?
「…っサクラ、とりあえずお前風呂入ってこい。」
『そんな、ゾロさんの方が濡れてますし先に…』
「大丈夫よサクラ、ゾロは風邪引かないから。ゆっくり温まってきなさい。」
『え?え??』
ナミさんに背中を押され、首を傾げつつもお風呂場へと向かう。
…なるべく早く出よう。