雨
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今朝早く新しい島についた。そこにはとても活気のある街があって、4歳から研究所に閉じ込められていた為世間知らずな私に、お金の使い方とか商品の見極め方を教えてくださるとの事で私はナミさんと一緒に船を降りた。
…けれど。
『…やっちゃった…』
私は今、道の端に避けて人波を眺めている。
ナミさんに色々教えてもらっていたは良いけれど、活気のあるこの街は当然人も多く…道端にいた子猫に気を取られた一瞬で私はナミさんとはぐれてしまった。
『…えっと、はぐれたら…船に戻る。』
これは出発前にナミさんに言われた事。
「たくさんの人が行き交うこの街ではぐれた場合巡り会うのは不可能に近いし、街歩きに慣れてないサクラが一人で歩いていたら危険に巻き込まれるかもしれないから…はぐれたら船に戻りなさい。」、と。
ナミさんの言い付け通り、身体の向きを変えて船への道を歩く。
すると、何やら露店商の方達が慌てて片付けを始めているのが目に入った。
なんとなく気になり、近くにいた人に声を掛けてみる。
『あの、もうお店閉めるんですか?』
「あぁ、長年露店商やってると天気の変化には敏感でね…風に雨の匂いが混ざってきたし、雲も厚くなってきた。こりゃもうすぐ雨が降るよ。」
商人さんが指差したのにつられて空を見上げると、確かに雲が出てきていた。雨の匂いはわからなかったけど。
「この感じだと多分激しい雨になるからね、お嬢ちゃんも早く家なり宿なり帰りな。」
そう教えてくれて、商人さんはまた慌てて片付けを始めた。
お礼を言ってからさっきよりも足早に船への道を歩く。
…激しい雨…雷も鳴るのかな…
歩きながらぐるりと辺りを見回すが、雨がしのげそうな場所も雷の音を遮断してくれそうな物も見当たらない。
『…早く、帰ろう。』
呟いたと同時に頬を雨が打った。