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いつも組み手してもらっている場所へと向かうと、すでにゾロさんが待っていてくれた。
『すみません、お待たせしました。』
「…あぁ、身体は大丈夫か?」
『え?』
「さっきチョッパーと飛んでたろ?疲れてんなら少し休んでからでも構わねぇぞ。」
ぽんぽん、と頭を撫でられる…本当に、ゾロさんは優しい人だなぁ。
『大丈夫です。』
「…そうか、なら良い。」
小さく笑ってからゾロさんは私の頭から手を離した。
ほぼ毎日、晴れた日はゾロさんやルフィさんに組み手してもらっている。
この間はルフィさんに「強くなったな!」って言ってもらえて凄く嬉しかった。
「さて、いつも言ってるけど遠慮はいらねぇからな。」
『はい!よろしくお願いします!』
一礼してから構える。
…今日は、右脇から!
『てや!』
「お、よく分かったじゃねぇか。今日は少しわかりづらくしたんだが。」
そう言ってゾロさんはニヤリと笑った。
ゾロさんは、毎回組み手の時にわざと一ヶ所隙を作ってくれる。
最初の内はそれがどこだかわからなかったけど…最近はすぐにわかるようになってきた。
『…やぁ!』
「蹴りも良くなってきた…が、」
『っ!?』
ゾロさんの頭らへんに仕掛けた蹴りは片手でいとも簡単に止められてしまい、軸足を払われて私はその場に倒れる…と言っても、相変わらず私が痛く無いようにゾロさんが支えながら倒してくれるから痛みは無いけれど。
「まだまだだな。」
『…精進します。』
倒した私をすぐに引き起こしてくれたゾロさんにお礼を言ってから、なんとなく彼を見つめる。
元々の体力が違い過ぎるのもあるけど、うっすら汗をかいている私に対してゾロさんは涼しい顔だ。
素人の私が怪我をしないように気を付けてくれているのはわかっている。それは大変な事だろうに…やっぱりゾロさんはすごいなぁ。
「…なんだよ。」
『あ、いえ…その、ゾロさんてすごいなぁと改めて思ってました。』
「はぁ?」
『優しくて、強くて…素敵です。』
「…っ。」
『あれ?急にお顔が赤くなったような…。』
「…なってねー。」
フイッとそっぽを向いてしまったゾロさん。
…私、何か怒らせるような事…しちゃった?