警戒心はどこ?
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「おいAB-536。」
「なんで言う事を聞かないんだ!!道具の分際で!!」
「お前に拒否権は無い…いや、人権すら無いんだよ。」
「道具は道具らしく、黙って研究されてろ。」
「明日は別の装置を付ける…あ?お前の身体なんか知るか。…死なない様には計算されてる。」
『……や…だ………っ!!!!』
研究所の人間が私へと手を伸ばした瞬間、目が覚めた。
…目が覚めた?
私、一体…
ゆっくりと視線だけで辺りを見回すとそこは全く知らない場所だった。
…研究所じゃない事は確かだけど。
「あ、目が覚めたか!?」
ガチャリ、と扉が開く音と共に自分に駆け寄ってきたのは青い鼻のトナカイ。
…トナカイって喋れたっけ?
『こ、こは…っ!!』
「まだ動いちゃダメだ!!」
身体を起こそうとしたら、ズキンと左肩が痛んだ。…そうか、私撃たれたんだ…。
『…貴方が、手当してくれたの…?』
「昨日、お前が急に空から降ってきたんだ!」
『…そう、ごめんなさ……昨日??』
トナカイ君の言葉に思わず聞き返す。
「あぁ、丸一日眠ってたんだぞ!」
『…っ!』
その言葉に血の気が引いた。
そして痛む身体を構う事無く起き上がり、部屋の出口を目指す。
「わぁ!!お前何してるんだよ!!また傷口開くぞ!?」
『っわ、たし…ここにいちゃ、いけな…っ』
「えぇ!?」
肩を押さえながらたどり着いたドアを開くと、そこは甲板で…今更自分が船にいるんだと理解した。
「あ!お前起きたのか!!」
麦わら帽子を被った男の人が腕を伸ばして私の近くの手摺りを掴み、飛んできた。
…悪魔の実の能力者…?
チラリと見上げた先に見えるのは海賊旗。
…これは、尚更私がいてはいけない場所だ…。
「ルフィ!!そいつ止めてくれ!!傷口開くって言ってるのに聞かねぇんだ!!」
「あ?お前ー、無理しちゃダメだろ?」
麦わらの男の人と話していたら、次々と人が集まってきた。
「ぬおー!!!!なんって可憐なんだ!!!」
黒いスーツを来た男の人がいきなり超至近距離に来て、思わず身体が跳ねる。
「怖がってんじゃねぇかクソコック。」
「あぁ!?んな事あるワケねぇだろクソマリモ!!」
「うるせぇ。」
腰に刀を3本携えた男の人が黒いスーツの男の人に蹴りを入れると、途端に二人は喧嘩を始めて…
「あの馬鹿達は気にしなくて良いから。」
呆気に取られていたら、今度はオレンジ色の髪の女の子に話し掛けられる。
…私がこんな事言うのもアレですが、この船の人達に警戒心と言う物は無いんだろうか。
警戒心はどこ?
(…いけない、早く私はここからいなくならなくちゃ。)