温もり
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不寝番の夜、見張り台の上で小さく溜め息をつく。
冬の気候の島が近いのか、夜は肌寒い。
毛布をかけ直していると、誰かが梯子を上ってくる気配。
チラリとそちらを見ると、上ってきたのはサクラだった。
『ゾロさん。』
「…お前、何やってんだ?」
『ナミさんが、ゾロさんに不寝番教わると良いって。』
確かに怪我も完治したし、そろそろ船の仕事を教えても良い頃だろう…………が、“ナミが言った”ってのがな…あいつ絶対何か楽しんでやがる。
そもそも、クソコックが「レディに不寝番なんてさせられるか!」とか騒ぐからナミ達女は不寝番してねぇじゃねぇか。
『…ゾロさん?』
「あ?あぁ、悪ぃ…つっても不寝番なんて教える事なんかそんなにねぇぞ?」
『少し一緒にいて、習うより慣れろ、だそうです。』
「(……あの女……。)」
はぁ、と溜め息をつきつつも、身体をずらしてサクラが座れるスペースを作る。
『お邪魔します』と断りつつそこに収まるサクラ。
並んで座るとその華奢さはより一層際立つ。
ちゃんとした飯を食うようになったから多少はマシになったとは言え、こいつはまだ細い。
なるべく風がサクラに当たらないように壁になりながら仕事の説明をした。
―――――――
「…まぁ不寝番の仕事はこんなもんだな。」
『ありがとうございます。』
「…寒ぃか?」
サクラが小さく身震いしたのを見て声をかける…が、いつも通り『大丈夫です。』と返された。
「…はぁ…ほら。」
『え?』
「これも羽織れ。」
『でも、そしたらゾロさんが…』
自分が羽織っていた毛布を差し出すが、俺を気遣ってなかなか受け取ろうとしないサクラ。
「いいから。俺とお前じゃ鍛え方が違ぇ、これくらいの寒さで風邪なんか引かねぇよ。」
『…やっぱり私、いざとなったら風止めますから大丈夫です。』
「馬鹿、お前力使ったら疲れんだろ?無理すんな。」
『う…』
でも…とかやっぱり…と躊躇うサクラに再び溜め息をついた所で頭に浮かんだ一つの方法。
差し出していた毛布を再び肩から羽織り、サクラの腕を掴んで自分の方へと引き寄せる。
『きゃっ…』
「…なら、こうしようぜ?」
バランスを崩したサクラの身体を抱き直す。
今の体勢は、膝を立てて座っている俺の足の間に、サクラが俺の胸を背もたれにして座っている状態だ。
『あの、ゾ、ゾロさん?この体勢なんだかすごく恥ずかしいのですが…。』
「さっさと毛布受け取らねぇお前が悪ぃ。」
『えぇ!?』
さりげなくサクラの前に腕を回して逃げられないようにする。よくわかんねぇけど、少しでもこいつに触れていたい。
…なんかナミの思惑通りみてぇな気もするが、それには気付かないフリをしよう。面白くねぇし。
温もり
(…ゾロさんて、温かいですね。)
(そうか?)
(はい…で、でもやっぱりこの体制はなんだか恥ずかしいです…!!)
あとがき
ゾロは無意識に好きになった夢主に無意識に甘々になってれば良いよ!と言う妄想の結果(笑)