赤いのは…
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
サクラが瞳を輝かせて見つめていたペンダントを気が付いたら買ってやっていた。
…今まで女に贈り物なんざした事ねぇのに。
サクラはと言うと、最初は申し訳無さそうにしてたが今は本当に嬉しそうにペンダントを身につけている。
『本当にありがとうございます!』
「さっきからそればっかだな。」
『ふふ、そうですか?』
普段は無表情気味なサクラだが、今日は一日よく笑っていたと思う。
こんな幸せそうな笑顔ならまた見てぇな…って、本当ガラじゃねぇ…。
『だってとても嬉しくて…ほら、見て下さい。』
「あ?」
『この石、緑なんですよ。』
「…だからどうした。」
『緑はゾロさんの色なのです!』
「……は?」
いきなりサクラが言い出した言葉に、思わず口を開けて固まる。
そんな俺に構う事無く3歩程歩いたサクラは振り返り、夕日をバックに綺麗に笑った。
『ゾロさんとお揃いが出来たから、尚更嬉しいんです。』
…その瞬間、高鳴る心臓。
『?ゾロさん、やっぱりお顔が赤いような…』
「…だから、夕日のせいだっつってんだろ。」
それ以上紅潮した頬を見られないように、右手で頬と口元を覆う。
…研究所に閉じ込められていたサクラは、人との人らしい関わりがほとんど無かったらしい。
だからかガキみたいに思った事はなんでも口にする…多分そういう“コミュニケーション能力”ってのが研究所に連れて行かれた時(確か4歳っつってたか?)のままで止まってるんだろう。
けど研究所の人間の顔色を伺って生きてきたせいか、人一倍自分以外の人間に気を使っちまう奴だ。
少し話が逸れたが、そんなサクラは恥ずかしい事もサラリと口にする。
毎回照れちまうのは俺だけだ。
「…はぁ…」
『どうかしましたか?』
「いや…まぁ、お前が喜んでくれたなら良かったわ。」
苦笑いを浮かべながらサクラの頭を撫でた。(なんか癖になりつつある気がする。)
『…えへへ、私ゾロさんに撫でられるの、好きです。』
「っだから、お前は……はぁ……」
『?』
「……なんでもねぇよ、ほら帰んぞ。」
『きゃっ…』
そのまま髪をぐしゃぐしゃにしてやると、サクラは何がなんだかわからないと言ったような顔でこちらを見てくる。
それに気付かないフリをしてまた船へと足を進めた。
…ったく、あんな事言われたら期待…しちまうだろ。
赤いのは夕日か頬か
((…期待?期待ってなんだよ、俺…))
(…ゾロさん。)
(…あ?)
(船、逆ですよ。)
(………。)
あとがき
ペンダントの形は皆さんのお好きなようにご想像下さいませ♪