赤いのは…
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夕暮れの街をゾロさんと歩く。
今日は本当に楽しかった。私ってこんなに笑えるんだ、ってくらい笑顔だった気がする。
…ゾロさんを振り回してしまった事は本当に申し訳無いけど…。
『…あ。』
「どうかしたか…っておい!」
ゾロさんが止める声も聞かず、私は近くの露店へと走った。
そこには様々なアクセサリーが並んでいて…お店の女性が「全部手作りなんですよ」と優しく笑うのを視界の端に捉えつつ、私の瞳は一つのペンダントに釘付けになる。
『…綺麗…』
「…お前なぁ、急に走り出すなよ。」
『え?あ…すみません。』
「こちらのペンダントがお気に召しましたか?よろしければ手に取ってご覧下さい。」
優しい笑みを浮かべたまま、お店の方は私が見つめていたペンダントを手渡してくれた。
細いチェーンに、夕日を浴びて光る綺麗な色の石。
宝石かと見間違う程だったけど、お店の人曰く「綺麗な石を磨くとそうなるんですよ」との事。
「…おい、これいくらだ?」
『…え?』
「2000ベリーになります。」
「そうか。」
『え?え??』
ゾロさんは私の手からペンダントを取ったかと思ったら、お店の方にお金を渡してそれを購入していた。
突然の事にポカンとしていたら「ほらよ」とペンダントを渡され…
『ゾ、ゾロさん?』
「欲しかったんだろ、それ。」
『な、なんでわかったんですか?』
「はぁ?…あんなに目ぇ輝かせてたら誰でもわかる。」
『…私、顔に出てました?』
「っくく…気付いて無かったのかよ。」
面白そうに笑うゾロさんに、顔が熱くなる。
…ゾロさんの前だと私は幾分か表情が豊かになるみたいだ。
「いいから素直に受け取れ。」
『…っでも、申し訳無さ過ぎます…ただでさえ今日はたくさんお付き合いいただいたのに…。』
「ったく…お前は気にし過ぎなんだよ。」
ぽんぽんと頭を撫でてくれるゾロさんの手が温かくて、なんだか心もポカポカとしてくる。
『あの、』
「ん?」
『…ありがとう、ございます…』
「…おぅ。」
今まで首輪をつけられていたから、首につけるアクセサリーは苦手かもって思っていたけど…このペンダントなら良いと思えた。
…ううん、むしろこれは身につけたいって思った。