きっかけは
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ゾロさん、早く行きましょう!』
「…わかったから少し落ち着け。」
今朝早く次の島に着いたので、この間の約束通りサクラと街に来ている。
他の島とか街に行くのが生まれて初めてらしいサクラは船を下りる前から珍しくテンションが高い。
「ゾロ、サクラの事頼んだわよ!はぐれないように手でも繋いでたら?」
…船を下りる前の、ナミのやたらとニヤついていた顔を思い出す。
手なんか繋げるかよ。…あいつ、何か絶対面白がってやがる…。
『あれは何ですか?』
『これはどうやって使うんでしょう…?』
『猫さんを発見しました。』
研究所に閉じ込められていたからか、見る物聞く物全てが初めての物だと言っても過言では無いサクラは、珍しくずっと笑顔だった。それにつられて俺の口元にも笑みが浮かぶ。
しばらく歩き回った後、一軒の店を見つけたサクラが俺の服を引っ張った。
『ゾロさんゾロさん!あれは何ですか!?』
「あ?…ありゃクレープだな。」
『くれーぷ?』
コテン、と首を傾げるサクラ…そういやこいつが船に乗ってからはまだクレープ作られた事無かった気がする。
「食いモンだ。買ってやるから来い。」
『えぇ!?』
驚きつつも『そんな、申し訳無いです!』と言うサクラに構う事無く店へと向かった。
手に入れた宝を換金して分け前を貰っても、基本的に俺は刀の手入れ道具くらいにしか金を使わねぇ。
だから何か買ってやれるくらいの金は持っている。
「ほら、好きなの選べ。」
『…本当に良いんですか?』
「良いっつってんだろ。」
『っありがとうございます!!じゃあ…』
礼を述べた後、楽しそうにメニューを見つめて注文したサクラ。
注文する、と言う事も初めてらしくやたらと元気一杯で思わず笑っちまった。
「…はいよ、お待たせ!」
『わぁ…!!美味しそう!ありがとうございますっ!!』
店員からクレープを受け取り、キラキラと瞳を輝かせてクレープを見つめるサクラに満足しつつ店員へと金を支払う。
「…良いねぇ、こんな可愛い彼女がいて。」
「は、はぁ!?」
「はっはっは!照れない照れない!デートだろ?」
勝手に勘違いしてニヤニヤする店員に盛大に溜め息をついた…この雰囲気は何を言っても無駄そうだ。