独占欲にも似た
夢小説設定
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予想はしてたが、本当に何も覚えていないと言うサクラが何故か少し面白く無く感じた。
…昨夜の事を思い出して一人照れてる俺が馬鹿みたいじゃねぇか。
じっ、と俺を見つめてくるサクラの瞳を片手で覆う…あんなに見つめられたら穴が開いちまいそうだからだ。決して照れたワケじゃねぇ。
なんて、自身に言い訳するように内心呟いたと同時に沸き上がる悪戯心。
…俺だけ照れてるなんて不公平だよな?
「…そう言や、酔い潰れたどこかの誰かサンが俺の手を握って離さなかったなぁ?」
ゆっくりとサクラの目から手を外して教えてやると、どういう事かを理解したらしいサクラが少しの間を空けて一瞬で赤く染まった。
そのまま頬を両手の手の平で押さえてみたり、視線をあちらこちらにさ迷わせたりした後チラリと俺を見上げて口を開く。
『あ、あああ、あの、その、』
…こんだけしどろもどろになるサクラなんて普段なかなか見れねぇ…と言うかここまで慌てふためいてんのは初めてじゃねぇか?
そんな、他の奴の前じゃ見せた事が無いであろう姿に満足感にも似た笑いが込み上げる。
支配欲の様な…自分でもよく分からないこんな感情に気付かれぬよう、あくまで“慌てふためくお前が面白い”と言うような態度で顔の赤さを指摘すればサクラは勢いよく頭を下げて謝ってきた。
…よく見りゃ膝近くで握りしめられている手まで真っ赤だ。
「ま、気にすんな。」
流石にちょっと虐めすぎたか、と自分にしては珍しく反省しつつ(と言う程の物でもねぇけど)サクラの頭を撫でる。
少し安心したかのような笑みを浮かべたサクラに俺もつられて口元に笑みが浮かぶ。
その笑顔が俺にだけ向けられていると言う事実に、また胸をよくわかんねぇ感情が占めた。
独占欲にも似たその感情
(…なんだ、この気持ち?)