泣き虫
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
人を浮かせると言う事は研究所でもやっていた。
…けど、どうやら安静にしていた日々の中で私の体力は落ちたらしい。
だけど、ルフィさんもウソップさんもすごい笑顔で…あんなに楽しそうにしてくれてるんだもん。疲れたなんて言わないで、もうちょっと頑張ろう。
ふぅ、と溜め息のような深呼吸のような…とりあえず息を吐いて再び風を操る事に集中する。
「…馬鹿。」
『え?』
呆れたような声色が聞こえたのでそちらを見ると、いつ来たのかゾロさんが溜め息をついて私を見ていて…。
『…ゾロさん?』
「…おいルフィ!!ウソップ!!お前らそろそろ下りろ!!」
「「ぇー。」」
「サクラが疲れてんだよ!」
ゾロさんのその言葉を聞くとルフィさん達は頷き、私に下に下ろすように言った。
「ったくお前ら…サクラは今まで安静だったんだから体力落ちてんに決まってんだろ。」
「ク、クソマリモが人を気遣ってる…!?」
「うるせぇよ。」
サンジさんの言葉を流した後、ゾロさんは私の頭を軽く小突く。
「お前も、疲れたなら疲れたってはっきり言え。」
『で、でも…』
「“でも”じゃねぇよ。いいか、お前が倒れたらこいつらが気にすんだ。」
『…え…?』
「お前が無理して喜ぶ奴はこの船にはいねぇ。…思った事とか全部素直に言った方がこいつらは喜ぶと思うぜ?」
ゾロさんの言葉に皆が頷いてくれて…私は知らず知らずの内に皆に気を遣っていたらしい。
『……私……その…少し、疲れたので休んでも良い…ですか?』
「にしし、当たり前だろ!」
「ごめんなー、気付かなくて。」
ポンポン、とウソップさんとルフィさんに頭を撫でられ…何故だか私の瞳からは涙がこぼれ落ちる。
「泣くなよー、サクラは本当泣き虫だなー!」
『…はい、そうみたいです…』
「あぁ擦っちゃダメだよ、可愛い目元が赤くなっちまうぜ?」
「ふふ、はいハンカチ。」
「だから擦らないの!もう、貸しなさいやってあげるから!」
『ご、ごめんなさい…』
「…前にも言ったろ、こういう時は礼を言っときゃ良いんだよ。」
『!…ありがとう、ございます。』
ゾロさんの言葉に慌ててお礼を言えば、たくさんの優しい笑顔が返ってくる。
気が付いたら皆に囲まれていて、皆がすごく優しくて…また心がポカポカした私の顔は自然に笑顔になっていた。
泣き虫
(にしし、サクラ!お前笑ってた方がいいぞ!!)