幸せな夢を
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
上目遣いでこちらを見てくるサクラに、深く溜め息をつく事で崩れそうな自分の理性を立て直す。
「馬鹿な事言ってねぇで寝ろ。」
『…ぞろさん、ここにいてくれますか?』
「…わかったわかった、お前が寝るまでいてやるから。」
“だからその上目遣い止めろ”とは言わず、再び溜め息をついて俺はサクラが横になるベッドに腰掛けた。
『…えへへ…ありがとうございます…』
「(…酒が入ると表情が豊かになんだな。)」
ふにゃりと笑ったサクラに、柄にもなく胸が高鳴る。
…これはあれだ。こいつがこんな風に笑うのなんて初めてだからだ。
なんて、誰に言ってんだかよくわかんねぇ言い訳じみた事を内心呟いていると、手に暖かい感触…
「…あ?」
『…おやすみ、なさい…』
それがサクラの手なんだと気付いた時には、当の本人は夢の世界へと旅立っていた。
「……どうしろってんだよ…」
握られた手はいつものひんやりとした体温とは違い、暖かかった。
無理矢理離す事も出来るが、今寝入ったばかりだから起きちまうかもしれねぇし…
「…10分だけだ。」
本日何度目かわからない溜め息をついて手を握り直す。
空いてる手でなんとなくサクラの頭を撫でてやれば、寝ながらまたふにゃりと笑って…
「……この調子じゃ、明日になったら忘れてんだろうな。」
幸せそうな笑顔につられて俺も小さく笑った。
幸せな夢を
(…小せぇ手。)